赤城山麓ローカル線…国内最古級の電車も走る!〜上毛電気鉄道乗り撮り歩き

赤城山麓ローカル線…国内最古級の電車も走る!〜上毛電気鉄道乗り撮り歩き

更新日:2014/03/28 10:30

もんTのプロフィール写真 もんT チューター、フリーライター
群馬県前橋市と桐生市の間25.4kmを結ぶ上毛電気鉄道。赤城山を間近に見ながら、のんびりと電車に揺られての旅が楽しめます。のどかな風景に加えて、日本の近代化を象徴する産業遺産にも注目!国内最古級の電車が今でも現役で、時々ですが本線上を快走します。今回はそんな上毛電気鉄道の旅を紹介します。

JRの駅からは“独立”…旅の始まりは中央前橋駅から

JRの駅からは“独立”…旅の始まりは中央前橋駅から

写真:もんT

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上毛電気鉄道は、始発駅も終着駅も、そして途中駅も、全くJRの駅とは接続していないという点でユニークな路線です。
起点となる中央前橋駅は、JR前橋駅からは北へ徒歩15分ほど。前橋駅の北口を出て、駅を背にして通りを道なりにまっすぐ北上すると到着です。
駅名には「中央」とありますが、駅周辺は都会の喧騒からは離れた静かな佇まい…。ホームも2両編成の電車が入れるくらいのコンパクトなつくりです。
電車乗り場へは階段の上り下りもなく、とてもスムーズ。
それもそのはず、この電車、平日のラッシュ時以外は自転車も持ち込み可能なんです!
日中も30分間隔で運行されていて、本当に便利です。

もしも途中下車も楽しんで全線を往復するのであれば「赤城南麓1日フリー切符」がおススメ!中央前橋から西桐生までが670円なので、往復利用するだけでも少しお得になります。

○赤城南麓1日フリー切符
発売期間 通年
発売箇所 中央前橋・大胡・赤城・西桐生
発売額  大人¥1300 小児¥650

前橋市街を抜けて赤城山麓を快走…

前橋市街を抜けて赤城山麓を快走…

写真:もんT

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中央前橋を出発してしばらくは前橋の町の中を小刻みに停まりながら、電車は進みます。やがて進行歩行左手(北側)には赤城山が…!
市街を抜けて、大胡(おおご)のあたりまで来ると、赤城山はかなり大きく迫ってきます。
駅間距離も長くなり、田園風景の中を電車は快走…。
電車は赤城山南麓を東へと進んでいきます。
途中の大胡駅は電車庫があり、上毛電気鉄道にとっての中心駅。電車庫には産業遺産としても貴重な電車や電気機関車が保存されています。
事前に電話あるいはメールで申込をしておけば個人でも見学が可能。またさまざまなイベントで一般公開されることも…。
急ぐ旅でなければ、ぜひ立ち寄ってみましょう!

○ 大胡電車庫見学(要予約)
   見学時間 13:00〜15:00までの間の30分程度
   見学料金 170円(構内入場料)
   ※記念として大胡電車庫入場硬券と記念台紙をプレゼント。

国内最古級の電車デハ101とは…?

国内最古級の電車デハ101とは…?

写真:もんT

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さて大胡の車庫の中で特に注目なのは、国内最古級の電車デハ101。昭和3年の上毛電気鉄道開業当初から走り続けている、この鉄道の生き証人です。群馬県近代化遺産にも登録されています。
この電車、さすがに毎日の定期運行からは引退しましたが、年に数回、特別なイベント時には一般客も乗せて走ります!
まだ走れるうちに、独特のモーター音など博物館では決して味わえない旧型電車のすべてを体感したいものです。
デハ101の運行日については、上毛電気鉄道のウェブページで確認できます。ぜひ運転日をねらって行ってみましょう!
ちなみに、どうしても運転してほしい…という場合は10万円で貸切運行の手配も申し込めます。
写真は赤城−桐生球場前間を走る貸切運行のデハ101。

なお、赤城駅は唯一、上毛電気鉄道が他の鉄道路線と接続している駅で、赤城駅から桐生球場前駅のあたりまでは、東武鉄道桐生線が併走しています。写真手前側の線路がそれにあたります。
東武鉄道の赤城駅と東武浅草駅の間は特急「りょうもう号」が1時間に1本の割合で運行されていて、桐生を訪ねるのにはとても便利です。

渡良瀬川を渡り桐生市街へ…

渡良瀬川を渡り桐生市街へ…

写真:もんT

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富士山下(ふじやました)駅とその横の富士山(ふじやま)を過ぎると、列車は渡良瀬川を鉄橋で渡ります。
次の丸山下駅で降りて、南側に見える小さな山、丸山にぜひ上ってみましょう。駅から徒歩15分ほどで標高176.5mの山頂までたどり着けます。
ここからは先ほど通り過ぎた富士山 (標高 163.1m!)や渡良瀬川、そして鉄橋を渡る電車、さらにははるかかなたに榛名山も…。
お手軽登山でなかなかの風景が楽しめます。

終着西桐生駅ではサイクリングで観光を!

終着西桐生駅ではサイクリングで観光を!

写真:もんT

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丸山下からは終点までもう一駅。最後は住宅地の間を抜けるようにして終点西桐生駅に到着です。
この駅も終着駅でありながら他の鉄道路線からは離れた独立駅。開業当時の昭和初期の雰囲気が今も残ります。関東の駅100選にも選ばれている駅なので、駅舎のすみずみまで要注目です。
駅周辺には他にも大正から昭和初期の頃の日本の近代化遺産とも言える貴重な建築物が点在。これらの建築物も見逃せません!
観光するのにオススメなのはレンタサイクル。西桐生駅を始め、桐生市内の要所には無料のレンタサイクルが用意されています。
観光客に優しい桐生の街をぜひエコスタイルで見てまわりましょう。

西桐生駅からJR両毛線の桐生駅へは、南の方へ徒歩で5分ほど。
帰りはJR両毛線や東武桐生線などいろいろなルートをとれますが、鉄道会社ごとに駅の場所がいろいろで前橋よりも複雑…。駅の場所に気をつけてお帰り下さい…。

旅のまとめ

群馬県のユニークなローカル電車の旅を今回は紹介しました。
自転車と共にエコスタイルで、赤城山と田園風景、それから貴重な産業遺産を見に出かけてみるのはどうでしょう?
前橋や桐生に行く折にはぜひ上毛電気鉄道の旅を楽しんでください!

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/11/29 訪問

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