今年こそ富士山に登りたい!初心者のための登山のコツ!

今年こそ富士山に登りたい!初心者のための登山のコツ!

更新日:2014/03/26 14:51

世界遺産に登録された富士山には、毎年多くの観光客が訪れますが、多くの方は富士五湖周辺で富士山を見たり、登ったとしても車やバスで5合目まで、という方が多いのではないでしょうか。いつかは登ってみたいと思いつつも、まだ山頂まで登山をしたことない方は、今年こそ山頂に立ってみませんか。今回は初めて富士登山に挑戦しようという方に、私の経験から学んだ登山のコツをお教えしましょう。

富士山への登山チャンスはわずか2か月しかない!

富士山への登山チャンスはわずか2か月しかない!
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富士山に登ってみたいと思っても、いつの間にか登山のシーズンを終えてしまっているという方はいませんか?それもそのはず、富士山は7月から8月のわずか2か月しか登れないのです。もちろん本格的な山岳装備を持っている方で、ほかの時期に登山される方もいらっしゃいますが、初心者の方はこの2カ月以外に登ってはいけません。

2か月の期間があるといっても、7月上旬はまだ梅雨ですので天気が安定しません。山頂付近や登山道にはまだ残雪が残っていることもあります。また、8月のお盆前後は登山者の数が最も増え、登山道で登山者の渋滞が発生します。

富士登山に最適なのは7月下旬。梅雨も明け、天気も安定しているこのわずか10日間ばかりが、絶好の富士登山のチャンスです。晴れれば登山中に、写真のような美しいご来光が望めます。

富士登山初心者は山梨側の吉田ルートを選択しよう

富士登山初心者は山梨側の吉田ルートを選択しよう

提供元:写真素材足成

http://www.ashinari.com/地図を見る

富士山頂への登山ルートは4つほどありますが、初心者の方におすすめなのは、山梨県側から登る吉田ルートです。山頂まで最短で行けるのは静岡県側の富士宮ルートですが、吉田ルートは4つのルートの中で売店や山小屋の数がいちばん多いので、トラブルが発生した時にも安心です。ただし、4つのルートの中でいちばん混雑するルートですので、時間に余裕を持って登る必要があります。

登山に最低限必要なものは、防寒具と飲料水と少量の食べ物、そして現金です。夏場でも山頂付近は大変な寒さで、氷点下になることもあります。しかし登山中は汗をかくほど暑くなりますので、防寒具は脱いだり着たりしやすいものがいいですね。飲料水はあまりにたくさん持っていくと、背負ったリュックの肩への負担が増しますので、1リットルのミネラルウォーターと、スポーツドリンク1本ずつ程度(2キロほど)で十分です。吉田ルートには山小屋が多くありますので、いざとなったら飲料水は購入できるからです。

現金は、山小屋へ宿泊する際や、飲料水などを購入するとき、また、チップ制のトイレを利用するときに必要です。できれば小銭を多く持っていくとよいでしょう。

また、あると便利なグッズは、山小屋で販売されている金剛杖。写真にあるように、登山時のバランスを保ち、足への負担を軽減してくれます。また、各山小屋で有料で押してもらえる焼印は、富士登山の証として思い出になります。

富士山五合目を午後遅くに出発し、登山道にある山小屋に宿泊するのがベスト

富士山五合目を午後遅くに出発し、登山道にある山小屋に宿泊するのがベスト

提供元:写真素材足成

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富士山への登山を計画したら、山小屋を予約する必要があります。睡眠や休憩を取らない日帰りでの「弾丸登山」は危険。7合目あたりの山小屋を確保し、五合目駐車場を、午後3時過ぎに出発するのがおすすめの登山方法です。

山小屋に着いたら夕食が提供されます。山小屋の夕食の多くはカレーライスが定番。ただしお水はひとり1杯まで、など制限がかかります。なぜなら富士山には水がないため、わざわざ下から水を運ばなくてはいけません。それほど水は貴重なのです。水が足りない人は山小屋で販売していますので購入するとよいでしょう。

夕食を食べた後はすぐに仮眠しましょう。早い人は午前1時には山小屋を出発しますが、無理をせず午前3時半頃の出発を目指します。しかしまだまだ登山道は真っ暗です。手が自由に動かせるようヘッドライトなどがあると便利です。

富士登山をしたい人の中には、山頂でのご来光を見たいという人も多いと思いますが、ご来光は山頂でしか見られないわけではありません。8合目や9合目でも見られますので、山頂でのご来光にこだわる必要はないでしょう。特に登山のピーク時には、9合目から山頂まで登山者の列ができます。数珠つなぎの渋滞の列はなかなか前に進みません。結局、山頂までたどりつけず渋滞の列から見ることになる場合もあります。初心者の方は富士山頂に立つことを最優先にし、人の少ない8合目や9合目あたりでご来光を見るほうがいいですよ。

山頂からまだ登山?お鉢めぐりをしなければ富士登山は終わらない!

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午前3時半頃山小屋を出発すると、8合目あたりでご来光を拝めます。思わず「万歳!」と叫びたくなりますし、実際に叫んでいる人もいますよ。山頂からでなくとも、富士山から見る太陽はやはり感動ものなんです!

太陽が昇ればもうライトはいりません。最後の力をふりしぼって山頂を目指します。9合目を過ぎるとあと少し。自分が登ってきた登山道がはっきりと見えますし、山頂にいる人々の姿も確認できます。

やっとの思いで山頂に到着したら、人の多さとお店の数にびっくりすることでしょう。ラーメンに豚汁、ビールにお酒に自動販売機と、サービスエリア顔負けの施設があります。もちろん富士山頂ですので料金はすべて高めの設定なんですが、登山者たちの中には乾杯をして盛り上がっている人もいます。

しかしまだ本当の登山はここから。富士山頂3776メートル地点はここからまだまだ先なんです。今いる山頂は、噴火口の火口壁の一端。3776メートルの日本最高地点に行くには、この火口を半周しなければなりません。

この火口壁を歩くことを「お鉢めぐり」と言います。吉田口山頂から歩くこと約1時間弱。最後の「馬の背」と呼ばれる急斜面を這いつくばるように登り、ようやく日本最高地点、剣ヶ峰山頂に到着です。さすがに売店が軒を連ねていた場所よりは人が少ないですが、多いときには日本最高地点の碑の前で、記念撮影をする人の列ができます。

山頂でのご来光にこだわらず、無理をせずのんびりと富士登山を楽しみましょう

あこがれの富士登山。日本でいちばん高いところに立つためには、多くの準備が必要ですが、真っ先にしなければいけないのは山小屋の予約。各山小屋が予約開始日を設定しているので、早めの予約が必要です。また、自分の体にあった靴や服を準備するのは当然ですが、何よりも富士登山は、休みながら楽しく登ることです。山頂でのご来光にこだわらず、ゆっくりと世界遺産を制覇していきましょう。そしてせっかく山頂まで登ったなら、ぜひとも3776メートルの剣ヶ峰山頂に立ち、日本でいちばん高いところに、自分の足でたどりついたという感動を味わってください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/07/27 訪問

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