一度は見てみたい!愛媛県宇和島の「闘牛」観戦方法!

一度は見てみたい!愛媛県宇和島の「闘牛」観戦方法!

更新日:2016/04/08 15:54

観戦前は、牛がかわいそうなんじゃないか…残酷なんじゃないか…という思いを抱く人もいますが、一度闘牛を観戦すると、そんな思いは自然と吹き飛びます。牛の大きさ、迫力、かっこ良さに圧倒されます。また、闘牛中に牛のすぐ横に付く、勢子(せこ)とよばれる人と牛との強い絆を感じたりもするんです。今回は愛媛県宇和島で行われている熱い闘牛をご紹介します!

まず、“日本の闘牛”ってどんなもの?

まず、“日本の闘牛”ってどんなもの?
地図を見る

日本の闘牛は、スペインの闘牛のように人と牛が戦うものではなく、闘牛場で牛同士を1対1で闘わせるもので、闘犬に近く、相撲のような競技です。

起源については色々な説があります。牛に備わっている「突く」という本能から、自然発生的に興った説と、神事として始まった説がありますが、古い記録では12世紀にはすでに闘牛が行われていたらしく、日本で古くから行われている伝統文化なのです。

現在、日本の闘牛は、北は岩手県の久慈市から、南は沖縄県の今帰仁村など10か所以上で行われています。中でも、全国闘牛大会や年5回の定期大会など、盛んに闘牛が行われている愛媛県宇和島市の闘牛をご紹介します!

闘牛場に行ってみよう!

闘牛場に行ってみよう!
地図を見る

小高い丘の上に建てられたドーム形の闘牛場に行くと、闘牛を今か今かと待つ人の行列が。闘牛大会は年に数回しか開催されないので、宇和島にとっては一大イベント!

観戦する前に、前売り券の予約をしておいた方が安心です。宇和島闘牛のホームページにて、開催日の1か月前から前売り券の予約ができます。

闘牛場に入ると、宇和島名物“牛鬼”がお出迎えしてくれます。牛鬼は、鬼の頭と長い首を持っていて、少し恐ろしいですが、悪魔払いしてくれる頼もしい存在。宇和島に来た記念として、オススメの撮影スポットです。

奥に進むと、直径20メートルほどの土俵が現れます。すでに、牛が近くで控えているからか、牛のにおいと熱気で満ちています。土俵と客席は思ったより近く、間に柵はあるものの、目の前で1トンを超える巨大な牛たちがここで激突するのかと思うと、ワクワクと緊張感が高まります。


■宇和島の定期闘牛大会の開催予定日
1月2日・4月(第1日曜)・7月24日・8月14日・10月(第4日曜)
※開催日については、変更することがあります。

対戦表を見てみよう!

対戦表を見てみよう!
地図を見る

日本の闘牛では、大相撲のような番付により、牛の優劣が格付けされています。基本的には同じ階級同士の牛が対戦します。大相撲と同じように、対戦が始まるのは下の階級からです。牛の名前を見てみると、牛主の会社や関係するお店の名前がついている牛もいます。

対戦前に、全ての牛が順番に土俵上に上がって、一度姿を見せてくれる、土俵入りがあります。静かな闘志を燃やしている牛や、覇気十分で雄叫びを上げる牛など様々。横綱の牛ともなれば、体格もとても大きく、風格満点で神々しさを感じるほど。

観戦中、名前を呼んで応援したりもできるので、この土俵入りで気になる牛がいたら、対戦表で名前を確認しておくと、より一層楽しめるはずです。

さあ、闘牛のはじまり!!

さあ、闘牛のはじまり!!
地図を見る

東西、両サイドの入り口から土俵に入ってきた牛たちが、それぞれを見合わすと、一気にガツン!と角と角とを突き合わせて、闘牛がはじまります。

牛の傍らに勢子(せこ)と呼ばれる人が付き、闘いを鼓舞します。荒々しい巨牛の息づかい、かん高い勢子の声、角と角がぶつかり合うにぶい音が闘牛場にこだまし、白熱した闘いが繰り広げられます。

力負けして、じりじりと後ろずさりする牛も、勢子に励まされ、今一度闘志を体中にたぎらせて、負けまいと奮闘。本当に見応え十分。瞬きを忘れるほどの熱戦です。

闘牛の勝敗は、どちらかの牛が闘争心を失い、逃げた時点で決まります。それ以上の格闘はありません。制限時間無制限で、どちらの牛が強いかを徹底的に勝負して決める対戦なのです。スペインの闘牛とは違い、牛は殺されません。負けた牛は、対戦に負けて意気消沈してはいますが、入場してきたのと同じように歩いて土俵を後にします。

しかも、闘牛では「給金」とよばれるファイトマネーが支給されるのですが、宇和島の闘牛では、敗けた牛に多く支払われます。これは、敗けた牛に対する慰めの意味があり、趣き深い伝統です。

闘牛終了後、土俵に上がってみよう!

闘牛終了後、土俵に上がってみよう!
地図を見る

大トリとして行われるのが横綱同士の対戦で、勝利した牛が最後土俵に残ります。そして、闘いが終わると、観客もこの土俵に上がることができます。ついさっきまで、荒々しく闘っていた牛がいる土俵に上がるのは緊張しますが、綱で繋がれていますし、そもそもは大人しい性格の牛が多いそう。

たまに対戦直後だと、まだ興奮している牛もいるので、牛の様子を見ながら注意をして近づく必要がありますが、近くに勢子もついてくれていますので安心です。

牛は勢子と毎日練習に励み、対戦に臨みます。勢子が愛情をもって、家族のように接し、手塩にかけて育ててきた牛こそ、強い牛になると言われています。牛も本能からか、岩や崖に角を押しつけて、角・首・肩などを自ら鍛えるといいます。

そんな背景を思いながら、闘牛を観戦したり、牛と勢子のやり取りを見ていると、全ての牛に勝ってもらいたい気持ちになりますが、それは牛と牛との勝負の世界。立派な格闘を見せてくれることに感謝し、敬意を払いましょう。

人にとっても、人生をかけた闘い、闘牛

闘牛の牛を育てるには莫大な時間とお金が必要です。闘牛は牛だけでなく、牛主やその家族にとって夢であると同時に、それまでの努力が一瞬で消えてしまう可能性を秘めた勝負。だからこそ、牛主も、その家族も、会場で応援している人達も、みんな真剣なのです。

そんな期待を感じるのか、牛もプライドをかけ、大迫力の闘いを見せてくれます。対戦する牛と真正面でぶつかり、角で押されて後ろ足が地面に食い込もうとも、踏ん張って諦めません。土俵に這いつくばるようにして、前傾姿勢で相手を角で下から持ち上げ、時には、体の小さな牛が大きな牛に勝つこともあります。

そんな牛の闘志溢れる闘いを見ていると、牛に惹かれ、闘いぶりに惚れてしまうという人が多くいるというのも納得です。ぜひ、日本で昔から人々に愛され、行われて続けてきた「真剣勝負の闘牛」を観戦してみませんか。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -