世界ジオパーク・隠岐諸島 独特の植生や大地の成り立ちを巡る旅

世界ジオパーク・隠岐諸島 独特の植生や大地の成り立ちを巡る旅

更新日:2014/04/17 13:41

しののプロフィール写真 しの 旅する調理師
ジオパークとは「ジオ(地球)に親しみ、学べる場所」のこと。ジオパークには認定が必要で、「地質学的に重要かつ生態系や人間生活・歴史のつながりを考える場所」が選ばれています。日本には世界ジオパークに認定された地域が6箇所あり、今回ご紹介する「隠岐ジオパーク」もそのうちの一つ。
隠岐諸島と海岸1キロまでの海域が、ジオパークとして認定されています。独特の生態系や自然などを通じて、大地の息吹を感じましょう!

隠岐諸島の歩んできた歴史を地形から感じよう

隠岐諸島の歩んできた歴史を地形から感じよう

写真:しの

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隠岐諸島は時代の流れとともに姿を変化させてきた歴史があります。
はるか昔2600万年前は大陸の一部であったものが海に沈み、火山活動が起き、現在の隠岐諸島の原型ができたと言われています。
隠岐諸島の歩んできたこんな歴史を、岩石や地形など随所に見る事ができるのもこの島々の魅力。
このような地形はまた、素晴らしい景観で観光客を楽しませてくれます。
とりわけ西ノ島の北西にある国賀海岸(写真)や、知夫里島の西岸にある赤壁は景勝地として名高いです。国賀海岸については海側から遊覧船に乗って各種地形を見る事も可能ですし、山側から見下ろす事も可能です。見え方が異なりますので時間が許せば両方見てみると面白いですよ。

その他に、地質学的にも景観も面白い場所としては島後島のトカゲ岩、知夫里島の赤ハゲ山からのぞむ島前カルデラなどがあげられます。

固有種・オキタンポポを見よう!

固有種・オキタンポポを見よう!

写真:しの

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隠岐諸島は約1万年前に離島となり、この1万年という長い歳月の中で隠岐諸島固有の進化を遂げた動植物が数多くあります。
代表的なもので隠岐諸島全体でよく目にする事ができるのが「オキタンポポ」。ガクが反らずに花にくっついているのが特徴です。
オキタンポポは隠岐諸島全体に分布しているので、特に全盛期の5月には目にする事ができる可能性が高いです。

隠岐諸島ならではの植生

隠岐諸島ならではの植生

写真:しの

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隠岐諸島では上記のオキタンポポ以外にも固有種が存在します。
オキサンショウウオ、オキノウサギなどの動物、植物ではオキノアザミなどです。
オキノアザミの開花時期は5月〜8月で主に国賀海岸で見る事ができます。日本にはアザミの種類が多く見分けるのは困難かも知れませんが、一般のものよりトゲが硬いのが特徴です。
その他隠岐諸島の植生の特殊性として、北方と南方にあるものが混じっていることがあげられます。例えば高山植物と一般の植物があったり、温暖な場所を好む植物と冷涼な場所を好む植物が同地点で見られたり。
旅をする中で「あれ、こんなところにこんなものが・・」と言う発見があると面白いですよ。

隠岐を象徴する歴史的事件、その特異性について

隠岐を象徴する歴史的事件、その特異性について

写真:しの

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政争に敗れた後鳥羽天皇と後醍醐天皇が隠岐諸島に流されたのは、歴史の教科書にも載るほど有名な話です。
なぜ天皇の流刑地に隠岐が選ばれたのか?それは島が豊かなので、尊い方々の生活に心配がなかったからだそうです。他にも位の高い方々の流刑地となった為、隠岐に祭りや芸能などの高い文化をもたらし現在に至っています。また、海士町にある隠岐神社は後鳥羽天皇をおまつりする神社です。神社の前には資料館もあるので是非お立ち寄り下さい。
その他、隠岐は古くから黒曜石を産出しており、日本のみならず大陸の国々とも交流があった事が知られています。(資料館にはこうした黒曜石などの展示もあり)

■隠岐神社について■
住所:島根県隠岐郡海士町海士1784

隠岐諸島の巡り方・旅のプランニングについて

隠岐諸島の巡り方・旅のプランニングについて

写真:しの

隠岐諸島では島後島(どうごじま)1島を島後、知夫里島(ちぶりじま)・中ノ島・西ノ島の3島を島前(どうぜん)と呼び、それぞれフェリーや高速船で行き来する事ができます。
空港があるのは島後島のみなので、飛行機を利用の場合、島後島には必ず立ち寄る事になります。または鳥取県境港(境港市)・七類港(松江市)からフェリーや船で渡る事も可能で、この場合は知夫里島にダイレクトに入る事ができます。

隠岐諸島はそれぞれ見所が点在しているので、日程ややりたい事を検討の上旅行されることをおすすめします。
なぜならば、選ぶ交通手段や着く港の場所によっては、島内の移動に時間を割かれてしまう可能性があるからです。また、フェリーの本数も限られているので、別の島に渡ったら当日中に元の島に戻れないケースも多いです。

空港のある島後島は、隠岐諸島で一番人口も多い島ですし、グルメを楽しんだり、上記ご紹介したトカゲ岩の他見所も多く外せない一島。そういった観点からある程度時間を割くのがベターで、そうした場合、残りをどの島を回るか…。

島間往復の時間を考えると、もし1泊のみであれば島後島プラス1島までが妥当です。2泊あればプラス2島行く事は出来ますが、その場合、島後島からの交通の便がよくない知夫里島へ行くのは困難です。

そこで隠岐諸島を巡る場合のプランとして以下のケースが妥当かと思われます。
1)1島のみなら島後島。
2)2島まわるなら島後島と他1島(中ノ島・西ノ島・知夫里島のうちいずれか)で2泊以上。
3)3島まわるが2泊のみの場合なら島後島と中ノ島・西ノ島の3島。
4)4つの島を全てまわってそれなり全てで観光したいのであれば3泊以上。

もちろんこれはあくまで筆者の主観。フェリーや高速船の時間も変更される事もあるので、ご自身のオリジナルのステキな隠岐旅行を楽しんで下さいね。

最後に・・・

現地の方も「隠岐のフェリーは旅行者泣かせ」という隠岐諸島。離島ゆえ訪れるのには多少時間がかかりますが、その分思い出深いものとなるはずです。

隠岐諸島で世界ジオパークに認定された大地の恵み・息吹を丸ごと感じてみませんか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/05/25−2013/05/27 訪問

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