登山者だけが分かる屋久島の魅力!九州最高峰・宮之浦岳縦走のノウハウ

登山者だけが分かる屋久島の魅力!九州最高峰・宮之浦岳縦走のノウハウ

更新日:2014/04/08 09:55

舟津 カナのプロフィール写真 舟津 カナ アウトドアライター、撮影コーディネーター
屋久島はトレッキングやカヤックなどアウトドアアクティビティの宝庫です。しかし、世界遺産登録の神々しい山々を登り、その自然を肌で感じる事こそが、屋久島の真のアクティビティと言えるでしょう!
そこで今回は登山中級者向き!島の90%を占めるこの神秘的な森を、朝も昼も夜も思う存分満喫する、山小屋泊・九州最高峰「宮之浦岳」縦走登山のノウハウを紹介します。

屋久島、宮之浦岳縦走登山【プラン編】

屋久島、宮之浦岳縦走登山【プラン編】

写真:舟津 カナ

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1,936mの宮之浦岳。日本アルプスに点在する3,000m級の山に比べると標高はさほど高く感じませんが、登山ルートは低い標高からスタートするため距離があり、体力が必要です。

宮之浦頂上を目指すルートは数箇所ありますが、交通の面から利用しやすい楠川登山口、荒川登山口、淀川登山口のいずれかを利用するのがよいでしょう。ただし、交通の便がよいといっても数分おきにバスがあるわけではありません(笑)。朝早く出発する場合はタクシー利用になります。

できるだけお金をセーブし、登山プランをゆっくりしたい人は山小屋に2泊。淀川から楠川へ向かうルートがおすすめです。
このルートは1泊で行けますが、その場合は朝早くタクシーで出発しなけばならず、1日目のルートが長くなります。淀川小屋で1泊すれば登山口まで公共機関で行け、多少ゆったりとしたルート組みができます。

【参考ルート】
1日:宮之浦 →(バス)→ 紀元杉バス停 → 淀川登山口 → 淀川小屋
2日目:淀川小屋 → 黒味分け → (黒味岳※体力があれば) → 宮之浦岳 → 新高塚小屋
3日目:新高塚小屋 → 太鼓岩 → 白川雲水峡 →(バス)→ 宮之浦

上記ですと、紀元杉・縄文杉・弥生杉と樹齢1,000年以上の幻想的で迫力満点な屋久杉をコンプリートできます!

屋久島、宮之浦岳縦走登山【装備編】

屋久島、宮之浦岳縦走登山【装備編】

写真:舟津 カナ

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基本は山小屋泊の装備ですが、降雨量が多い屋久島は雨対策を厳重に行わなければなりません。また、冬は積雪することもあり、シーズンにより雪対策が必要です。

屋久島には登山用のレンタルショップが数件あり、登山靴からテントまでほとんどのものがレンタル可能です。アウトドアショップも兼用しており、必要であればザック、シャツ、ガスなどの装備からアルファ米などの食料も販売しています。
持ち運びにくい寝袋やマットなどは観光も兼ねて行くなら、レンタルするのがよいでしょう。
また、ここでは登山について最新情報が得られます。
登る前に天候や山小屋の状況など事前に確認しましょう。

屋久島、宮之浦岳縦走登山【山小屋編】

屋久島、宮之浦岳縦走登山【山小屋編】

写真:舟津 カナ

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宮之浦の山小屋は避難用でいずれも無人です。それゆえに予約ができず、いわゆる「早いもの勝ち!」です。基本的に「避難小屋」ですので譲り合いが必要ですが、できるだけ快適に過ごしたい人は、早めに到着できるようにプランを練りましょう。
とくに、人気が高い高塚小屋(収容人数18名)や新高塚小屋(収容人数40名)は連休や夏休みは混雑します。プランは慎重に立てましょう。

一番の注意点はヒメネズミです。名前の通り小さいネズミですが、床やザックの中に食料をポイっと置いておくと食べられます。とにかく食料は密閉し、吊るすのがよいでしょう。小屋の愛用者いわく、角はネズミに狙われやすいとのこと。軽くて密閉できるジップロップは利用価値大です。

また、いろいろな人と一緒に寝ることになります。寝言・イビキ・寝息が気になる人は耳栓を持っていきましょう。

屋久島、宮之浦岳縦走登山【注意点】

屋久島、宮之浦岳縦走登山【注意点】

写真:舟津 カナ

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縦走する場合トイレのことを考えなればなりません。山小屋にトイレ設備がありますが、念のため携帯用を持参しましょう。レンタルショップで購入できます。
飲料可能な自然の水場はルート内に数箇所あり、水の調達には困りません。折りたたみ式シリコンボトルはかさばらず便利です。
山のルールはどこでもおなじです。「来たときよりも美しく」ゴミは必ず持ち帰り!

登山届の義務はありませんが、万が一のことを考え提出しましょう。フェリー乗り場や空港、観光案内所で記入できます。

おすすめ時期

おすすめ時期

写真:舟津 カナ

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降水量が多い時期は春先から梅雨にかけての4〜6月になります。ただし、この季節は島特有のヤクシマシャクナゲの開花シーズンでもあります。花好きはこの季節がおすすめです。

雨が降った後は緑が濃くなり一層神秘的です。登山的には雨は降って欲しくありませんが、屋久島らしい景色は雨の後が一番きれいです。

日本の南に位置する島ですが、「洋上のアルプス」とも呼ばれ1,000m級の山々が連なり、気候は亜熱帯から亜寒帯まで含まれます。それゆえにヤクシマシャクナゲだけでなく、約40種類の固有種がみられ、それ以外も多種多様な植物が観察できます。

宮之浦岳だけではない!屋久島には特徴ある面白い山が揃っている

島全域が山地で1,000mから1,900m級の山々が連なる屋久島には、代表格の宮之浦岳以外にも、登山ルートの整った山がたくさん!
せっかく屋久島に行くのなら、宮之浦岳以外の山にもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

東洋のマッターホルンと呼ばれる先端の尖った「モッチョム岳」や、焼酎の名前にもなる「愛子岳」など面白い山がたくさんあります。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/05/13−2014/03/20 訪問

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