素晴らしきかな2泊3日の富士登山〜吉田ルートで富士山を制覇!

素晴らしきかな2泊3日の富士登山〜吉田ルートで富士山を制覇!

更新日:2014/03/14 11:52

SHIZUKOのプロフィール写真 SHIZUKO 舞台演出者
日本一高い山・富士山へ登ってみたいと憧れる人は多いでしょう。3776メートルという未知の高所で見る景色は、いったいどんなものなのか。一度でいいから自分の足で登り、自分の目で確かめてみたいと願う皆さん。登山は、登り切った人だけに、特別な素晴らしいプレゼントをしてくれます。世界遺産登録でますます人気の富士山ですが、今から準備をすれば、きっと素晴らしい景色に出会うことが出来ますよ。

五合目からはじまる富士登山

五合目からはじまる富士登山

写真:SHIZUKO

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3776メートルの富士山ですが、そのすそ野は広く、一合目から登る人はほとんどいません。多くの登山者は『吉田ルート』と呼ばれる富士山の北側を登るルートを利用しています。吉田ルートで登る場合の登山口は五合目。五合目までは富士山有料道路『富士スバルライン』が通っているので、バスやマイカーでアプローチできます。駐車場からは南アルプスの山々が一望のもと。その景色を眺めるだけでも、ここまで来たかいがあります。

富士スバルライン五合目は、富士登山の基地として多くの店が立ち並びとても華やか。五合目の標高はすでに2000メートルを超え、2305メートルもありますから、ここで1時間以上、高度順応を兼ねた休憩時間を取りましょう。七合目や八合目で一泊する場合も、ここで早めの夕食をとり、山小屋に着いたら早めに就寝というスケジュールがお勧めです。

また、五合目には『富士山小御嶽(こみたけ)神社』があります。古くからの山岳信仰の聖地で、毎年七月一日には富士山開山祭りが執り行われます。ご来光を眺めるための展望台もありますから、富士山頂を目指さない人も、一度は行ってみていただきたい場所です。

七合目で一泊して、山頂を目指す

七合目で一泊して、山頂を目指す

写真:SHIZUKO

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五合目から登り始めて1時間ちょっとで六合目に到着。六合目まで来ると、もう木々はなくなり、岩場が始まります。六合目までの道は、標高差も少なく歩きやすいのですが、ここでペースを上げてしまうと後が大変になりますから、意識的にゆっくりゆっくりと歩きましょう。人に追い抜かれても気にせず、ちょっと遅すぎるんじゃないかというペースで歩き続けることが大切です。登山は、疲労の蓄積をいかに抑えるかにかかっています。大股で颯爽と歩くのは都市部の歩き方。意識を変えて、景色を楽しみながら登っていきましょう。

初日は、疲労がピークに達しない七合目で宿泊しましょう。七合目には山小屋が七軒ありますからお好みでチョイス。標高は2700メートル。見上げれば、ここから延々と山小屋が続いています。振り向けば、遠くに町の灯が輝く素晴らしい景色。

富士山には、富士山独特の山小屋のルールがありますから、山小屋の人の説明をよく聞き、従うようにしましょう。また、ピーク時には一枚の布団を三人で使うなんて状態になりますが、それでも、体を横たえていれば少しの時間でも睡眠がとれますので、あまり神経質にならず横になりましょう。数時間の仮眠で夜中に出発する人も多く、お互い静かに休息するように心がけます。

八合目に荷物を置いて、身軽に登頂

八合目に荷物を置いて、身軽に登頂

写真:SHIZUKO

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富士登山のお楽しみの一つはご来光。誰もが見たいと願いますが、山の天気は変わりやすいので必ずしもご来光が見られるとは限りません。その点、二泊三日のプランだとご来光のチャンスも二回あります。

早朝、七合目を出発し、山中湖を眼下に見ながら登りにくい岩場を越えて、多くの山小屋の前を縫うように登り続けて八合目へ。標高は3000メートルを越えています。七合目から約一時間半の登りです。二泊目は六軒ある八合目の山小屋に泊まりましょう。朝、チェックインすれば荷物を預かってもらえるので、登頂に必要のない荷物は置いて、身軽になって山頂を目指します。

防寒具や水、昼食などを持っているのでそれなりの荷物はありますが、荷物は軽いに越したことはないですから。八合目からはもう少しで山頂だと思ってしまいますが、ここからが我慢の登山。1時間くらい登ると本八合目。えー、まだ八合目? そこから40分登ってもまだ八合目と、イライラする時間が続きます。その後、1時間40分でいよいよ山頂の『富士山頂浅間神社奥宮』に到着です。

お鉢めぐりで、日本最高地点へ

お鉢めぐりで、日本最高地点へ

写真:SHIZUKO

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山頂は風が強いので、山頂の小屋でトン汁などの温かいものをいただき、体力を回復したら、お鉢めぐりに向かいましょう。富士山の最高地点は、お鉢めぐりの中間点にある『剣ヶ峰』。荒々しい噴火口を見ながら、そのふちを辿り、剣ヶ峰の急坂を登ります。これがまた結構な急坂ですが、せっかくここまで登ったので最後のひと踏ん張りです。登り切った時には、思わずヤッター!と声が上がります。自分の足で、日本の最高地点に立った喜びは、何ものにも代えられません。八合目で宿泊するスケジュールだと、焦る必要もなくゆったりと山頂を堪能できますから、ぜひ、ゆとりのある行程で富士山を楽しんでください。

下りは足元に十分注意しながら

下りは足元に十分注意しながら

写真:SHIZUKO

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登り切った達成感と共に静かに夜は更けてゆき、翌朝、再びご来光にチャレンジです。山小屋を出発するときは、夜明けの光でうっすら周りが見える状態。しばらく山を下っていると、空を二色に染め分けて、雲の間から太陽が昇ってきました。日本一の高い場所ですから、遮るものは何もなく、眼下に広がる雲海と、切れ間に見える山中湖が刻々と色を変えていきます。その時々の条件で、見える景色は違うでしょうが、その雄大な天体ショーには20分以上見入ってしまうはず。

あとはひたすら坂道を下って行きます。柔らかな砂利道ですが、そのせいで砂埃がひどく、マスクとサングラスは必携です。眼下の景色を楽しみながらとは言うものの、延々と続く下りは足にかなりの負担を強います。途中の休憩でストレッチなどしながら、あまりスピードを出さずに下って行きましょう。

六合目に差し掛かり、木々が見え始めると、富士登山の終点まであと一時間。素晴らしい景色を心に刻み付けて、無事に下山してください。

おわりに

毎年七月の山開きを待って、多くの人が殺到する富士山。ピーク時には、山道で渋滞が起きるほどの人気の山ですが、それでも登る価値は充分あると思います。登山としてはやや単調な部分もありますが、登ってみれば、富士山の素晴らしさは必ず実感できます。
気軽に登れるイメージもあるようですが、侮らず、準備と装備を怠らず、無事に下山してこそが登山だと心に刻んで、楽しんでいただきたいと思います。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/08/20−2013/08/22 訪問

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