別府・鉄輪温泉で「地獄蒸し」体験。温泉蒸しはヘルシー!おいしい!楽しい!で病みつきに。

別府・鉄輪温泉で「地獄蒸し」体験。温泉蒸しはヘルシー!おいしい!楽しい!で病みつきに。

更新日:2014/03/19 15:18

四宮 うららのプロフィール写真 四宮 うらら 旅とグルメの案内人
大分県の別府温泉は、通称「別府八湯(べっぷはっとう)」と呼ばれる八ヵ所の温泉郷を中心に温泉が湧き出している。なかでも最も多く源泉が集中するのが鉄輪(かんなわ)温泉。ここではかつて長期滞在の湯治客が、宿で自炊するときに利用した温泉噴気のかまどで調理する「地獄蒸し」を体験することができる。ぜひお試しアレ。

「湯けむり展望台」から温泉天国を実感

「湯けむり展望台」から温泉天国を実感

写真:四宮 うらら

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別府は誰が数えたのか知らないが、408本の湯けむりが出ている温泉天国。
その大半を鉄輪(かんなわ)地区が占めているとか。
「別府湯けむり展望台」(写真)へ行けば、山並みをバックにあちこちから湯けむりが立ちのぼり、その源泉の数が半端ではないことが一目瞭然。

鉄輪温泉は、いまでも湯治場の雰囲気を残す温泉地。共同浴場や旅館が集まる町を歩けば、石畳の下から湯気が立ちのぼり、情緒たっぷり。
浴衣に丹前、下駄を鳴らして入り組んだ路地を散策したい。

湯治客気分で、地獄蒸し料理を体験

湯治客気分で、地獄蒸し料理を体験

写真:四宮 うらら

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「鉄輪温泉」には、昔から湯治客が、宿で自炊するときに利用した温泉噴気のかまどがある。このかまどを観光客にも体験できるようにしたのが、「いでゆ坂」の上のほうにある「地獄蒸し工房 鉄輪」だ。

まずは券売機で釜の使用券や食材などを購入する。
例えば野菜Aセット(500円)のチケットを買い、窓口に進みチケットを渡すと、シメジ、サツマイモ、コーン、玉子などが買える。ほかに魚介セット、鶏肉セット、ちまきなど、さまざまなセットが用意されていて、食材をその場で調達できる。
この他にも、館内に地元で獲れた活カニや貝を売るコーナーがある。

ザルなどの調理道具も、その場で貸してもらえる。
炊事場もあり、各地からやってきた人が使っている。
本当に湯治場の共同炊事場のような和気あいあい、賑やかな雰囲気だ。

ここでは釜の使用料さえ払えば、素材の持ち込みもOK。
リピーターは、近所のスーパーなどで好きな食材を調達し、持ち込む方が多いようだ。米を持ち込んでご飯を炊く上級者もいて、これがまたおいしそうなのだ。

自然のほどよい塩分で素材の味がひきたつ。

自然のほどよい塩分で素材の味がひきたつ。

写真:四宮 うらら

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調達した山海の幸を約100℃の蒸気で一気に蒸し上げ、熱々をその場で味わう。
初めての利用でも、ハッピを着た係りの人が、やけどをしないように調理のやり方を教えてくれるので安心だ。

食材はザルに入れて、時間のかかるものを下に、時間の短いものを上に積み重ねて釜に入れ、蒸しあがった順番に取り出すのがコツ。
葉野菜で3分、半熟玉子なら7分、トウモロコシ、完熟玉子、魚介類で15分、根菜、肉類は30分くらいが出来上がりの目安だ。
湯気モコモコの中での作業は、イベント感覚で実に楽しい。

さて、そのお味は?
塩化物泉の温泉蒸気で、自然にほどよい塩味がつき、素朴にして滋味あふれる味わい。素材の味がハッキリわかる。それに調理に油を使わないのでとってもヘルシー。電気やガスも使わない調理で、まさに地球のエネルギーをいただいている、という感覚だ。

作って楽しく、食べておいしい地獄蒸しは、一度体験するとクセになりそう。

●地獄蒸し工房 鉄輪 
0977-66-3775
大分県別府市風呂本5組
9:00〜21:00(地獄蒸し釜の受付は最終20:00)
第3水曜休(祝日の場合は翌日休)
地獄蒸し釜利用基本料金/500円(30分以内)、時間延長の場合は追加料金がかかる

鉄輪に行ったら「地獄めぐり」は外せない温泉エンターテイメント

鉄輪に行ったら「地獄めぐり」は外せない温泉エンターテイメント

写真:四宮 うらら

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地獄蒸しで満腹になったら、温泉に入って腹ごなしをするもよし、「地獄めぐり」へ出かけるもよし。

「地獄めぐり」は地球の神秘とエネルギーを感じられる温泉エンターテイメント。鉄輪では外せない観光スポットだ。
墳気・熱泥・熱湯が湧き出し、赤・白・青と色も多彩な「地獄」は全部で8ヵ所。
「地獄蒸し工房」からぶらぶら歩いて行ける場所にはコバルトブルーの「海地獄」、灰色の熱泥がプクプクと噴き出す「鬼石坊主地獄」(写真)などがあり、「鬼石坊主地獄」の施設内には足湯や温泉施設もある。

●別府地獄めぐり
0977-66-1577(別府地獄組合)
大分県別府市鉄輪559-1
8:00〜17:00
無休
観覧料:400円(8地獄共通観覧料2000円・4/1より2100円)

〆のデザートも地獄蒸しで!! 地獄蒸し焼きプリンはいかが。

〆のデザートも地獄蒸しで!! 地獄蒸し焼きプリンはいかが。

写真:四宮 うらら

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「鬼石坊主地獄」のすぐ前にある休憩所や「海地獄」のレストランで販売している「地獄蒸し焼きプリン」は、海地獄のお湯で蒸し焼きにしたもの。
卵に牛乳・砂糖のみ使用し、防腐剤は一切使用していないとか。

しっかりと固めのプリンは、卵の味が濃く、つるんとなめらか。容器の底にほろ苦いカラメルがたっぷりと沈んでいるので、スプーンで下からすくい上げて食べよう。
1コ250円。

温泉蒸しは最もプリミティブな調理法

温泉で蒸したもの、といえば普通、温泉卵、温泉まんじゅうくらいしか思いつかないが、ここでは実験気分でいろんな食材を持ち込んで、温泉の蒸気で調理することができる。
キャベツやじゃがいもなど、素朴な食材が、とびきりおいしく感じられる。
宿の会席料理などとは一線を画すプリミティブな料理も、旅先ならではの楽しみといえるだろう。
こうしたイベント風の料理は、実際にやってみると「たいしたことなかったなぁ〜」と尻すぼみになることも多いが、「地獄蒸し」は本当においしくできるのでおすすめだ。

掲載内容は執筆時点のものです。

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