隠れた桜の名所、京都山科 勧修寺の水面に映る桜にうっとり

隠れた桜の名所、京都山科 勧修寺の水面に映る桜にうっとり

更新日:2014/03/06 15:16

京都山科にある勧修寺(かじゅうじ)をご存知ですか。
山科はJRだと京都駅からひと駅、中心部のすぐ隣に位置し、京都でも屈指の桜の名所、太閤秀吉の「醍醐の花見」で有名な醍醐寺があるところ。桜の季節、醍醐寺の混雑ぶりはハンパなく、人でごった返しています。その点、同じ山科でも今回ご紹介する勧修寺は、広々とした境内でゆっくりお花見ができる、知る人ぞ知る穴場なんですよ。桜以外にも見どころ満載の勧修寺へいざ!

白壁に映える参道の桜並木

白壁に映える参道の桜並木
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JR山科駅から京都市営地下鉄東西線に乗り換えて3駅、小野駅下車後、徒歩約6分。ソメイヨシノや枝垂れ桜など参道の桜並木がキレイです。

勧修寺は、光源氏と明石の君との身分違いの恋のモデルにもなったとも伝えられている、『今昔物語集』に描かれている藤原高藤( ふじわらのたかふじ)と宮道列子(みやじのつらこ)が運命的な出会いをしたロマンスの地でもあります。古のロマンスへ想いをはせながら、さあ、山門をくぐりましょう。

西暦900年に醍醐天皇が山荘を寺院として創建、千有余年の歴史ある門跡寺院

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高藤と列子の間に生まれたのが、醍醐天皇の生母となる藤原胤子(ふじわらのたねこ)。勧修寺は、醍醐天皇が若くして逝去した母、胤子のために、胤子の祖父の(胤子の両親の出会いの地ともなった)邸宅を寺院として創建しました。

門をくぐると「氷室(ひむろ)の池」を中心に周囲の山を借景した広大な自然美を楽しむ「池泉回遊式庭園」が広がり、夏になると池に睡蓮や杜若、蓮が咲き誇り、大勢の人で賑わいます。意外と知られていないのが桜の季節の美しさ。ソメイヨシノ、ヘイアンシダレザクラ、ボタンザクラなどがやさしく厳かにあなたを迎えてくれますよ〜。

拝観券は絵はがきになっています。残念ながら?睡蓮の季節の絵はがきですが(笑)。

「京都一○○の多い寺」と言われる勧修寺、さて○○の中に入る漢字二文字とは?

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答えは「水鳥」。

池の中央にあるジャングルの中の島には夕方になると琵琶湖から帰ってくる水鳥のお宿となっています。水鳥の姿を求めてやってくるカメラ好きの方も多いんですよ。

氷室の池は、平安時代、この池に張る氷の厚さでその年の農作物の豊凶が占われたという故事が伝わる古池。
池の横に建つ観音堂の屋根の上には鳳凰の姿がみえます。この観音堂をやさしく包むように咲き誇る桜の見頃は例年3月下旬〜4月上旬。水面に映るさまは圧巻。広々とした庭園は、人で混雑することもなく、ゆっくり散策できます。

この先に何が!?「この先行かれるのはご自由ですが大いに危険」

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池を一周しようと思ったら 「この先行かれるのはご自由ですが大いに危険」と書かれた立て札が!ついつい撮影に夢中になって、うっかり足を踏み外して池にハマったりした方がいらっしゃったのかもしれませんね(笑)。
衝(笑)撃の立札にめげることなく、足元には十分お気をつけの上、是非「この先」へもお進みください。せっかくの池泉回遊式庭園、回遊しないと後悔しますよ〜。

京都へ来たら必ず見て『通(とう)ろう』など、ココだけの見どころも満載

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ユーモラスなスタイルな「勧修寺型灯篭」は、京都へ来たら必ず見て通ろうと言われているほど有名な雪見灯篭であり、黄門さまこと水戸光圀公が寄進されたもの。この灯篭を覆うように生えている「ハイビヤクシン」は樹齢約750年というから歴史を感じますよね。
その他にも京都庭園中最高の巨木とされる「千年杉」(写真奥)や、江戸時代に京都御所から移植された親、子、孫の三代が同居する「臥竜(がりゅう)の老梅」など、桜以外でも見どころ満載です。

最後に

太閤豊臣秀吉が晩年、贅を尽くした「醍醐の花見」は後世に語り継がれる盛大なお花見でした。そんな花見の舞台となった、世界遺産としても有名な醍醐寺へは1.8キロ、徒歩約30〜40分。梅で有名な随心院へ立ち寄りながら、春のうららかな日和をお楽しみになるのもいいですよ。
残念ながら、マイカーの場合、醍醐寺へのルートはおススメできませんが、勧修寺なら大丈夫。広い境内、山門をくぐるとバス5台分、自家用車40台分の駐車場があり、しかも駐車料金は無料!時間帯によっては待ち時間もありますが、とるに足らず。やはり穴場というべきでしょう。

掲載内容は執筆時点のものです。 2011/04/10 訪問

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