梅の花の便りは、春の足音。姫路の春は好古園の「梅花展」から始まるといってもよい。2020年は2月18日(火)〜3月8日(日)の日程だ。
様々な品種の梅の盆栽が花を開き始め、やがて園内各所で深紅や白色など、色とりどりの梅の花が姫路城を借景に咲き誇る。梅花の香りが、春が近いと知らせてくれる。まだ冷たい風のなかでも、心安らぐひとときだ。
日本さくら名所100選にも数えられる姫路城。この季節は多くの花見を楽しむ人で賑わう。姫路市民の憩いの場「三の丸広場」などでは、シートを広げ花見弁当を食べる家族連れやカップルから、陽気にお酒を酌み交わすグループなどで賑わう。時折、外国人観光客をも巻き込んで一緒に輪になって楽しんでいる光景すらみることがあるくらいだ。
そんな賑やかな花見も楽しいが、好古園では落ち着いた風情の中で桜を観賞できる。姫路城近くには着物のレンタル・着付けを行ってくれる店もある。いっそ、着物姿で花見を楽しんでみるなど、ひと味違った大人の花見をしてみるのもいいだろう。
特別に開園時間を午後8時まで延長して、ライトアップされた園内の桜を観賞できる日がある。2020年は4月3日(金)〜4月5日(日)、10日(金)〜12日(日)の日程で「好古園 夜桜会」が開催される。昼間とは違った風景美に魅了され、必ず訪れるというファンが増えるばかりだという。
※2020年の「好古園 夜桜会」は新型コロナウイルスの感染拡大を受け中止
昭和60年の発掘調査で西御屋敷跡や武家屋敷跡・通路跡などが発見された地に造営された「好古園」。かつて倹約が叫ばれる時代(8代将軍吉宗の頃)に吉原から花魁「高尾大夫」を落籍し住ませた逸話など歴史を感じることができる。
写真の「御屋敷の庭」は姫路藩主の下屋敷があったとされる場所だけに、その景色は圧巻である。姫路城と姫山原生林を借景とし、大滝から流れる水が瀬戸内海をイメージした大池へと流れる。大池には目を見張る程の立派な錦鯉が悠々と泳いでいるのだ。
他にも江戸時代を彷彿とさせる築地塀や屋敷門・長屋門。本格的な数寄屋建築の茶室「双樹庵」。各所にある四阿(あずまや)。日常とは違う空間へ好古園は誘ってくれる。園内での風景に電線などない。時代劇の撮影ロケもよく使われる歴史的景観がここにはあるのだ。
<主なロケ作品>
るろうに剣心、大岡越前、水戸黄門、暴れん坊将軍 など
好古園最大の規模をもつ「御屋敷の庭」。それを眺めながら食事ができるレストラン「活水軒」も人気のスポットだ。
活水軒では、姫路名物“あなご”を使った穴子重セットや活水軒官兵衛弁当(写真)など、姫路の幸を味わえるメニューが揃っている。「夜桜会」では好古園夜桜会限定特別料理も用意される。3日前までの予約が必要なので詳しくはお店に問い合わせるとよい。最高の景色を楽しみながらの食事は殿様や姫様になった気分でさせてくれる。きっと満足できるだろう。
また、江戸時代の武家屋敷の茶室を想定した裏千家第十五代家元千宗室氏の設計・監修による茶室「双樹庵」では、抹茶(一席500円/お菓子付)をいただくこともできる。
料理内容や金額については、好古園公式サイトを参照して欲しい。
姫路城に訪れた人から「他に2時間くらいで見て回れるところありますか?」と聞かれれば「好古園」をお勧めする。お城のすぐ西隣にあるからだけではない。姫路城で楽しんだ雰囲気を壊さない歴史的景観を大切にしたこの場所では、姫路城の感動をそのままに気持ちのいい散策ができるのだ。
姫路城とセットで是非訪れてみてはいかがだろうか。
住所:兵庫県姫路市本町68
電話番号:079-289-4120
入園料:一般310円 小中学生・高校生150円、姫路城との共通券 一般1050円、小中学生・高校生360円
開園時間:4月27日〜8月31日 9時〜18時(入園は17時30分まで)、9月1日〜4月26日 9時〜17時(入園は16時30分まで)
休園日:12月29日、30日 行事開催等により開・閉園の日・時間を変更する場合あり
アクセス:姫路駅北口から徒歩約20分、バス利用の場合「姫路城大手門前」下車 徒歩約5分
駐車場:大手門駐車場(好古園向かい)582台 3時間以内600円、3時間を超え1日以内900円
この記事の関連MEMO
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/3/29更新)
- 広告 -