写真:鮎川 キオラ
地図を見る那覇市内から車で40分ほどの沖縄南部に位置する南城市には、琉球神話の舞台や聖地が数多く点在します。その中でも斎場御嶽(せーふぁうたき)のパワーは古来より別格とされています。それもそのはず、その名前からして聖地の最高位という意味が込められています。斎場(せーふぁ)とは、「最高位」という意味。御嶽(うたき)とは、南西諸島に分布している聖地の総称で、神が降臨する場所という意味があります。
2000年12月、首里城などと共に世界遺産に登録された「琉球王国のグスク及び関連遺跡群」のひとつです。古来より神が宿ると場所として守り続けてきた祈りの聖地は、沖縄の精神文化を伝える貴重な遺跡として世界に認められたのです。ここは、決して過去の遺跡ではなく、今も人々に崇められている場所となります。
写真:鮎川 キオラ
地図を見る斎場御嶽は、森の中にあります。森と言うよりは、生命力に溢れた南国植物が生い茂るジャングルのようです。沖縄の日差しは強いのですが、緑に囲まれた敷地内には、優しい日差しが降り注ぎます。母なる大地に包まれているような神秘的な雰囲気に満ちています。
この森は、戦前まで男子禁制でした。琉球では、神に仕えるのは女性とされています。その為、神が宿るとされる祈りの聖地には、国王以外の男性は入ることを禁止されていたのです。でも、ご覧の通りのジャングルです。整備するためには、どうしても男手も必要だったので、仕事で立ち入る時は、なんと女装をして入ったそうですよ。今では、男性も女装なしで参拝することができます。
敷地内には、参拝ルートに沿って石畳が敷かれています。植物保護のためにも石畳を歩くようにしましょう。むやみに森の中へ入ると、ハブなどもいるようなのでくれぐれも気を付けてくださいね。
写真:鮎川 キオラ
地図を見る斎場御嶽の中には、それぞれの役割をもった祈りをささげる拝所があります。その中でも最も格の高い場所が、2つの巨大な岩が重なって三角の隙間をつくる三庫裏(さんぐーい)となります。2つの巨岩が、お互いの強力なパワーで押しあいながら絶妙なバランスを保っています。岩が放つパワーに圧倒されるでしょう。
三角形の隙間の先には、3畳ほどの空間になっていてます。森の木々の間からは、神の島とされる久高島を望むことができます。琉球の神・アマミキヨが初めて降り立ったこの島は、東の海の向こうにあるとされる神の世界「ニライカナイ」へ通じると信じられています。
写真:鮎川 キオラ
地図を見る神の世界へ通じるとされる久高島は、南城市の安座真港から定期船で15分ほどで辿り着く、周囲約8kmの小さな島です。島全体が聖域とされており、祈りの場所が数多くあります。島への上陸前に、斎場御嶽へ参拝するのが正しい参拝の手順となります。
島内は、立ち入り禁止の場所もあり、また各スポットは見つけにくいので、ガイドさんと巡るのがお勧めです。民俗学的にも貴重な島なので、沖縄に息づく精神文化など分かりやすく親切におしえてくれます。
琉球王国の最高神女・聞得大君(きこえおおきみ)の就任式が斎場御嶽で執り行わる際は、久高島より持ってきた砂浜の白い砂を敷き詰めたそうです。この島はリゾート島ではないので、海がキレイだからと泳がないでくださいね。聖地とされている場所は、遊泳禁止となります。また、聖地のパワーにあやかりたいと、石や貝殻などを観光客が持ち出すのも禁止されていますのでご注意を。
【ガイド問い合わせ先】
久高島振興会
TEL098-835-8919
ガイド料金:2時間5,000円から(4名まで)
聖地を巡って、パワーをいただくパワースポットを訪れる旅は、旅のスタイルとして定着しています。先祖を大切にする沖縄の方は、琉球の祖・アマミキヨが国造りのために立ち寄った場所を、聖地として崇め、今なお大切に思っています。地元方への信仰心への配慮と聖地への畏敬の念を持って訪れれば、きっと心が上向きになるパワーをいただけるはず。ルールを守って、ぜひ心を癒すパワーをいただいてくださいね。
【知っておきたい参拝作法】
・「○○県○○市から来ました○○と申します」と神様への挨拶を忘れずに。
・沖縄の聖地では手水舎がありません。参拝前にお水を飲むことで身を清めましょう。
・線香をはじめ、火を焚かない。
・拝所にて祈りをしている方の撮影はNG。
・聖地にものを持ち出さない。石ころひとつ持ち出し厳禁。
・自然豊かな場所が多いので、ハブや蚊に注意。
【斎場御嶽】
沖縄県南城市知念字久手堅270-1
098-949-1899
見学時間:9:00-18:00、年2回の休息日あり
料金:大人200円 小人100円
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(2024/5/8更新)
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