「黄山を見ずして山を見たというなかれ」中国水墨山水画の世界で魂が震える!

「黄山を見ずして山を見たというなかれ」中国水墨山水画の世界で魂が震える!

更新日:2018/01/11 10:09

Mayumi Kawaiのプロフィール写真 Mayumi Kawai 絶景ハンター、トラベルライター、自称ミステリーハンター
中国の至宝「黄山」。雲海たなびく仙境の世界を有し、「黄山を見ずして山を見たというなかれ」と称えられた中国随一の名山。古くから文人墨客に愛され数多くの漢詩や水墨山水画に取り上げられた黄山の姿をみなさんも一度は美術の教科書などで目にしたことがあるのではないでしょうか。

水墨山水画そのままの姿が広がる天下第一の奇峰・黄山。絶景好き、登山好きには必見です。

「黄山を見ずして山を見たというなかれ」天下第一の山・黄山

「黄山を見ずして山を見たというなかれ」天下第一の山・黄山

提供元:颐园新居 via Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0

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「黄山を見ずして、山を見たというなかれ」
「五岳より帰り来たれば山を見ず、黄山より帰り来たれば五岳も見ず(=道教の聖地である5つの山「五岳」を見てしまったら他の山なんて見れないが、黄山を見てしまったらその五岳さえも見れないという意味)」

古くからこのように人々に称えられ、奇峰と雲海が織り成す風景はまさに仙境そのもの。この「天下第一」とも謳われた名山は、古来、文人墨客に愛され漢詩や水墨山水画のテーマとなり、現在では世界遺産、世界地質公園、さらに中国国家が認定する最高ランクAAAAA級風景区として国内外から絶大な人気を誇る絶景スポットです。

水墨山水画の世界をめぐる

水墨山水画の世界をめぐる

写真:Mayumi Kawai

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切り立った断崖に墨を流し込んだような独特の景観をもつ黄山。三大主峰の蓮花峰(1864m)、光明頂(1860m)、天都峰(1830m)を含む名のある奇峰が72もあり、たなびく雲海や断崖に根を張る松とともにリアル水墨山水画の世界を繰り広げています。

かつては修験者の修業の場であった険しい黄山も今では山頂付近までケーブルカーで移動することができ、遊歩道も整備されお年寄りからお子様まで幅広く楽しむことができます。ただし、場所によっては道幅が狭く勾配がきつい石段があり、特に雨が降ると道が滑りやすくなるため足元には注意が必要です。

水墨山水画の世界をめぐる

写真:Mayumi Kawai

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三大主峰の蓮池峰と天都峰は黄山で一二を争う人気の奇峰ですが、自然保護の観点から5年交代で閉山するルールが敷かれ、2014年から2018年の5年間は蓮池峰が、2019年から2023年までは天都峰が閉山となっています。

また強風、濃霧、大雨などの悪天候、さらに積雪のある冬季期間は蓮池峰および天都峰ともに閉山されるため、ご訪問の際はご注意ください。

黄山を彩る奇松・怪石・雲海・温泉の「四絶」

黄山を彩る奇松・怪石・雲海・温泉の「四絶」

提供元:Kyle Taylor via flickr CC BY-ND 2.0

https://flic.kr/p/ogNnL

黄山は古くから「天下の名勝、黄山に集まる」とも言われ、エリア内には数多くの奇松、怪石、雲海、温泉が存在し、これを総じて黄山の「四絶」と呼んでいます。

画像は黄山で最も有名な「迎客松」。樹齢800年以上、高さ10mもの古樹で、片側に大きな枝を伸ばし、それがまるで人を歓迎しているかのように見えたことからこの名がつけられました。こうした見事な奇松が数多く点在し、水墨画の世界を形作っています。

黄山を彩る奇松・怪石・雲海・温泉の「四絶」

写真:Mayumi Kawai

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巨大な「怪石」が多いことも黄山の特徴の一つ。画像は「飛来石」という黄山怪石でもっとも有名な石で、高さ12m、重さ600トンもあり、伝説では孫悟空が空から放り投げて突き刺さったなどと言われています。とにかく絶妙なバランスで危なげに立っています。

黄山を彩る奇松・怪石・雲海・温泉の「四絶」

写真:Mayumi Kawai

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黄山を象徴するアイテムとして欠かせないのがこの雲海。海からの湿った風によって生み出される大量の霧や雲海が心震える水墨山水画の世界を彩っています。

雲が発生しやすいシーズンはおおむね11月から5月と言われていますが、場合によっては激しい濃霧で景色が全く見えないなんてこともしばしば。とはいえ粘り強く待っていると霧が晴れる瞬間もあるので、是非諦めずに待ってみてくださいね。

四季折々の姿を見せる風光明媚な黄山

四季折々の姿を見せる風光明媚な黄山

提供元:一元 马 via flickr CC BY 2.0

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黄山は四季折々の表情を見せることも魅力の一つ。特に冬の雪景は黄山の「四絶」の魅力に加え「五絶」と称されるほど圧巻のスケールで、雪をかぶった奇峰、樹氷に覆われた松、たなびく雲海の風景はまさに魂震える絶景です。

四季折々の姿を見せる風光明媚な黄山

写真:Mayumi Kawai

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岩だらけ印象が強い黄山ですが、実は1400種類以上もの野生植物が生息する自然の宝庫。常緑樹の松以外にもツツジやイチョウなどもあり、秋の紅葉に衣替えする姿も美しいですよ。

黄山までのアクセス

黄山までのアクセス

写真:Mayumi Kawai

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黄山駅の前から黄山風景区行き直行バスが早朝5時半頃から片道20元で毎日運行しています。また、上海・杭州などから長距離バスで黄山へ到着した場合はそのまま黄山長距離バスターミナルからもバスが運行しています。いずれも所要は50分程度で、南側に位置する黄山風景区新国線バスターミナルに到着します。

黄山までのアクセス

写真:Mayumi Kawai

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新国線バスターミナルからは黄山風景区入口までのシャトルバスに乗り換えます。ここでは南側から攻める「玉屏索道(ケーブルカー)」行きと東側から攻める「雲谷索道」行きの2ルートがあり、まずどちらから攻めるのか事前に決めてから乗車券を購入しましょう。

降車後、チケット売り場にて入場券とケーブルカー乗車券を購入します。日本のカードは使用不可なので現金を多めに持っていくことをおすすめします。

名山と称えられる山は中国各地に存在しますが、やはり黄山は別格。広い黄山内を巡るには一日では不十分で、多くの人は黄山内のホテルに宿泊し日没から日の出鑑賞まで満喫しています。是非時間に余裕をもって、黄山の水墨山水画の世界を心行くまでお楽しみください。

黄山の基本情報

住所:中国安徽省黄山市黄山風景区
電話:+86-551-63731968(安徽省旅行局直通)
入場料:オンシーズン(3月1日〜11月30日)230元、オフシーズン(12月1日〜2月末)150元
営業時間:6:00-17:00(オンシーズン)、7:30-16:00(オフシーズン) 
宿泊施設:黄山内に宿泊施設あり(日の出、日没観賞可能)
アクセス:黄山駅前にある黄山風景区(湯口行)直行シャトルバス乗り場から約50分20元。黄山長距離バスターミナルからも直行バスあり

基本情報は2017年12月現在のものです。最新情報は公式サイト等でご確認下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/10/19 訪問

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