写真:SHIZUKO
地図を見る『防災未来館』として開館したガラス張りの西館と、『ひと未来館』として開館した東館の二棟からなる『人と防災未来センター』。
「阪神・淡路大震災の経験を語り継ぎ、その教訓を未来に生かすことを通じて、災害文化の形成、地域防災力の向上、防災政策の開発支援を図り、安全・安心な市民協働・減災社会の実現に貢献することをミッションとしており、「減災社会の実現」と「いのちの大切さ」「共に生きることの素晴らしさ」を世界へ、そして未来へと発信していきます」とは、センター長の言葉。実践的な防災対策と共に生きるすばらしさを世界に発信することを目的に設立された博物館兼研究機関です。
見学は西館からスタート。4階にある『1.17シアター』で、かなりリアルな地震破壊のすさまじさを、大画面と大音響で体験します。地震を経験した人には、胸を締め付けられるようなリアルさがあり、体験していない人にとっては、かなり衝撃的な疑似体験となることでしょう。でも、疑似体験しておくことは大事です。恐ろしさを感じることができれば、来るべきものに対して心構えができるというもの。
写真:SHIZUKO
地図を見るリアルに再現されたジオラマを通り抜け、『大震災ホール』で復興に至るまでのドラマを見た後、3階のフロアに降りていきます。
ここには、膨大な「震災の記憶」が集積しています。
震災直後の記録から復興に至る、複雑な思い、人間関係や町の変化の過程など、市民から寄せられた写真や資料、証言がぎっしりと詰まった場所です。
これほど丁寧に人々の言葉を取り上げている資料館は、ここだけではないかと思います。ひとりひとりの実感から、震災の恐ろしさ、そして、復興していく際の苦しさや注意点など、貴重な言葉で溢れています。また、記憶を残すだけでなく、語り継ぐコーナーもありますから、ゆっくり時間をかけて、震災を乗り越えようとしている人々の声に耳を傾けていただきたいと思います。
写真:SHIZUKO
地図を見る2階は、防災・減災体験フロアとして、ゲームや実験ができるコーナーが設置されています。
ハザードマップが検索できるコーナーもありますから、自分の住んでいる町がどんな危険をはらんでいるか、確認することもできます。他人事ではなく、一人一人が自分のこととして、防災・減災を考えることが何より大切なのだと思います。
そういう思いを忘れないために、兵庫県では毎年『1.17ひょうごメモリアルウォーク』が開催されています。
東西から15キロ・10キロ・2キロの6コースが設定され、このセンターがゴールになっています。震災を体験していない人も増え、関西では大地震が他人事になりかねない最近、決して忘れてはいけないことを心に刻む行事となっています。
写真:SHIZUKO
地図を見る『人と防災未来センター』は、日本のみならず世界の防災を集中的に研究している機関です。その機能からか、お隣にはJICA(国際協力機構)関西があります。
JICAの目的は「すべての人々が恩恵を受ける、ダイナミックな開発。開発途上国が抱えるさまざまな課題解決に向け、技術協力、有償資金協力、無償資金協力という3つの援助手法を一元的に手がけることで、より速く、より効率的に効果の高い援助を実施します」というもの。発展途上国でも、多くの自然災害が起こっています。そんな問題にひとつひとつ丁寧に関わっていく機関なんですが、ここでご紹介したいのはそのランチ。
1階にある食堂は誰でも利用できます。
月替りのエスニック料理は大好評。日本では珍しいイスラム教徒向けのハラル食もあります。また、TFTメニューと言って、1食につき発展途上国に給食1食が寄付されるメニューもあり、食べるだけでプチ国際貢献ができますから、ランチはぜひ、ここで!
自然災害は避けようがありません。でも、被害予想をして、できるだけ被害を少なく食い止める努力は、災害で亡くなった方々の命を生かすためにも大切なことです。
神戸へお越しになった時には、ぜひ『人と未来防災センター』へ足を延ばして、明日、来るかもしれない災害への心構えを新たにしてください。
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(2024/4/26更新)
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