長良川湖畔で古い商家町家の姿を残す「川原町」でノスタルジック散策を

長良川湖畔で古い商家町家の姿を残す「川原町」でノスタルジック散策を

更新日:2014/01/30 15:39

カカミ ユカのプロフィール写真 カカミ ユカ 女子旅・ローカルネタ発見ライター
金華山の山頂に建つ岐阜城のほとり、清流・長良川湖畔に残る古い町並み「川原町」。長良橋の南にある鵜飼観覧船乗り場から南にひろがる玉井町、湊町、川原町の景観を通称川原町と言います。
最近ではそこが、古い建造物をそのままに再開発が進み、カフェ、ギャラリーなどが点在するオシャレなエリアとして存在感を発揮中!休日ともなれば観光客で賑わっています。古き岐阜を訪ねるには欠かせないこのエリアの魅力をご紹介!

江戸〜明治時代、木材や美濃和紙を運ぶ水運の要所だった川原町界隈

江戸〜明治時代、木材や美濃和紙を運ぶ水運の要所だった川原町界隈

写真:カカミ ユカ

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上流の山で伐採された木材や美濃和紙は、その昔、長良川で下流まで運搬されていました。その要所であった川原町は水運で栄えた町として、材木問屋、和紙問屋などが多く立ち並んでおり、今でもその面影が町のいたるところに残されています。

川原町は、金華山・岐阜城という、岐阜の観光では欠かせないスポットから徒歩圏内にある町のため、最近ではセットで観光する人が増えています。

夏にもなれば、岐阜の風物詩である鵜飼はこの町にある乗船場から出発します。周辺には長良川温泉の旅館も立ち並び、浴衣姿の客が下駄を鳴らしながら歩いている姿が目立ちます。

100年以上前の和紙問屋を改装したカフェ「川原町家」

100年以上前の和紙問屋を改装したカフェ「川原町家」

写真:カカミ ユカ

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川原町観光で是非立ち寄りたいのが、町の中心部にある甘味処カフェの「川原町家」。店の目の前にある、赤くて丸いポストが目印です。100年以上前に和紙問屋を営んでいた建物を改装した店ですが、ほとんど手を加えないまま当時の姿を残してある建物はとても重厚で、川原町が歩んできた歴史を感じることができる一軒です。

入ってすぐの土間には、和紙や和紙で作った小物が所狭しと売られています。昔の町屋の造りを残し、間口は狭いのですが、奥が広くそのまままっすぐ進むと突き当たりに蔵があります!カフェスペースは、手前の母屋と蔵の両方にあり、母屋は襖、屏風などがある座敷、蔵はソファー席で洋風クラッシックな雰囲気です。

ピアノ演奏が聴ける、蔵が特にオススメ!

ピアノ演奏が聴ける、蔵が特にオススメ!

写真:カカミ ユカ

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「川原町家」で、私のおすすめスペースはなんといっても蔵です!奥行きが広い町屋作りの建物を奥まで進むと蔵にたどりつきます。古くて細い廊下を歩いて行くことで徐々に異世界へといざなわれます。また、蔵に上がるには、靴を脱いで一段上がらなくてはなりません。夏場でしたら、蔵の床のひんやり感を楽しむことができ、冬場でもなんとも言えない木のぬくもりをダイレクトに感じることができます。

蔵の窓は小さく、それが、ほどよい光の入り具合とシーンと張り詰めたような空気感を演出してくれます。

訪れた日はちょうど蔵にあるクラッシックピアノで生演奏がされており、雰囲気バツグンでした!
※ピアノの演奏は土日を中心にほぼ毎週おこなわれています。

岐阜屈指の老舗和菓子店「玉井屋本店」の和菓子・登り鮎

岐阜屈指の老舗和菓子店「玉井屋本店」の和菓子・登り鮎

写真:カカミ ユカ

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鵜飼乗り場からほど近い場所にある、明治41年創業の御菓子司の玉井屋本店も川原町ではハズせない場所のひとつです。

こちらで買いたいのは、長良川の鮎の姿をかたどった郷土菓子の「登り鮎」!カステラ生地の中に求肥が包まれていますが、カステラのしっとり具合と求肥のなめらかな舌触りがさすが老舗!というお味の逸品です。

また、店の奥には中庭を眺めることができる茶室があり、季節の生菓子とお抹茶をいただくこともできます。
100年以上前から歴史を刻んだ店舗で、四季折々の御菓子をいただくと、さらに川原町の歴史を実感することができます!

歩き疲れたら、長良川温泉の「手湯」「足湯」で一息!

歩き疲れたら、長良川温泉の「手湯」「足湯」で一息!

写真:カカミ ユカ

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川原町周辺は、長良橋をはさんだ周辺一帯が長良川温泉という全国の『にっぽんの温泉100選』にも選ばれている温泉地でもあります。

川原町にも「十八楼」という老舗温泉旅館があり、川原町通りに面したところには、温泉水を利用した手湯と休憩所が用意されています。また、川原町から長良川を渡ったところにある「石金」という宿には誰でも入ることができる足湯が設置されています。

※写真は「石金」の鵜飼船をかたどった足湯

特に冬は、単純鉄腺で温熱効果が高いお湯のため、しばらく手や足をつけると、体全体がぽかぽかして、散策で疲れた体が癒されること間違いなしです!

古い町並み散策は、その町を守る人たちの情熱に思いを馳せて…

古い町並みを訪れる際いつも感じるのは、その町の人が町並みを温存しようとする情熱です。車に対しても「ゆっくり走ろう川原町」と通行人を意識してゆっくり走る光景が保たれていたり、エアコンの室外機なども格子で隠して目立たなくするなど、訪れる人に古い和の雰囲気を楽しんでもらうための工夫をたくさん発見します。川原町は2001年より観光地化を目指すプロジェクトがはじまりましたが、そのエリア内にも、歴史建造物を保ったまま暮らす民家が立ち並んでいます。それを見ると、そこに暮らす人たちが守ってくれている景観なのだなということを実感し、感謝の気持ちが芽生えます。
昔の文化が息づく町を広く知ってもらおうと、川原町の温泉旅館「十八楼」は宿泊者向けに“川原町周辺散策ミニツアー”などを開催し、歴史案内人が町の魅力を紹介する取り組みを行っています。
ぜひ、古い町並みを訪れる際は、歴史とともに、現在そこに住む人、商売を営む人とお話しして、気持ちを聞いてみるのも必要だなと思います。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/01/10 訪問

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