京友禅の光林「キモノ・フォレスト」の幻想美!嵐電・嵐山駅

京友禅の光林「キモノ・フォレスト」の幻想美!嵐電・嵐山駅

更新日:2017/10/03 14:43

bowのプロフィール写真 bow トラベルライター
2013年7月にリニューアルオープンした京福電鉄嵐山線、通称“嵐電”の嵐山駅。「はんなり・ほっこりスクエア」の愛称がある嵐山駅は、このリニューアルで“もっとも京都らしい駅”と言ってもいい程に変貌を遂げました。中でも目玉は「キモノ・フォレスト」と呼ばれる京友禅による装飾です。昼も夜も観光客の目を釘づけにする「キモノ・フォレスト」とは一体・・・!?

嵐山の玄関口に現れた、京友禅の林!

嵐山の玄関口に現れた、京友禅の林!

写真:bow

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京都の代表的な観光地・嵐山と市内中心部を結ぶ、ローカル色豊かな私鉄が京福電鉄嵐山線・通称「嵐電(らんでん)」です。その嵐電の嵐山駅が2013年7月にリニューアルを迎え、一気に大変身を遂げました!

「電停のある小さなまち」のコンセプトのもと、利用者の多い駅であるにも関わらず、なんと改札口を廃止!これによって駅の敷地全体が自由に出入りできる広場として開放されたのです。それに伴い、ホーム内にも新たな店舗が進出し、電車に乗らなくてもそれらの店舗が利用できるようになったのです。今までホーム内にあった足湯の利用も促進されることになりました。

そして、そんな大掛かりな今回のリニューアルの中でも一番の目玉は、今をときめくインテリアデザイナー・森田恭通さんが手掛けた「キモノ・フォレスト(友禅の光林)」です!

「キモノ・フォレスト」の正体とは!?

「キモノ・フォレスト」の正体とは!?

写真:bow

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「キモノ・フォレスト」とは、京友禅の生地をアクリルで包み、高さ約2mのポールにしたものを駅構内や線路脇のいたる所に設置し、京友禅の林に見立てたものなのです。嵐山駅の敷地全体を覆い尽くす京友禅の柱はなんと600本!これにはただただ圧巻です!

この「キモノ・フォレスト」で使用されている京友禅は、大正時代から続く老舗「亀田富染工場」のもの。「亀田富染工場」はPagong(パゴン)というブランド名で京友禅とアロハシャツをミックスし、伝統に新たな価値を見出した老舗!

そんな京友禅の柄は全て森田恭通さんが厳選したもので、全部で32種類の柄があるとのこと。ぜひ、一つ一つじっくり見ていただき、京友禅の世界を堪能してほしいところです。駅にいながら美術館のような気分に浸れますよ!

光に包まれる、夜の「着物の小径」

光に包まれる、夜の「着物の小径」

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当然昼間は鮮やかな京友禅の色や柄を楽しめるのですが、特に見てほしいのは夜!

京友禅のポールにはLEDが仕込まれており、夜には優しい光に包まれた幻想的な光の森に早変わりするのです。これこそ、「キモノ・フォレスト」の真の姿!

中でも「着物の小径」と名付けられた小径は両脇が京友禅の並木道になっているゾーン。淡い光に包まれながら歩くその小径は、自分が幻想空間に迷い込んだかのような感覚を味わえます!駅にいるということを忘れてしまいます!

また、リニューアルに合わせ、駅構内の蛍光灯も従来の昼白色から全て電球色に変更されています。これが「キモノ・フォレスト」と相まって、駅全体が温かみのある、落ち着いた空間を演出しています。

嵐山駅のパワースポット「龍の愛宕池」

嵐山駅のパワースポット「龍の愛宕池」

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「着物の小径」を抜けると、友禅に囲まれた小さな池があります。これが、嵐山駅に設けられたパワースポット「龍の愛宕池」です。

天龍寺が目の前にあることにちなんで名付けられた「龍の愛宕池」。この池の龍に祈ると希望が叶い、こんこんと湧き出る愛宕の水に手をひたすと、心に安らぎが訪れ幸せへと導かれるとされています。

この龍の愛宕池の水は地下50mから湧き出る、霊峰・愛宕山の伏流水。一年を通して冷たい水が溢れんばかりに湧き出ています。観光客の旅の安全を守り、そして駅の守り神としても機能しているのです。

そんな龍の愛宕池に手を浸してみて下さい。貴方の祈りが届けば、池の底から水が湧き出てくるかもしれません・・・。

レトロ電車と共に。絵になり過ぎる光景は贅沢。

レトロ電車と共に。絵になり過ぎる光景は贅沢。

写真:bow

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嵐電には様々なタイプの車両があり、その中にはレトロタイプの車両があります。特にそのレトロ車両と「キモノ・フォレスト」が並べば、実に絵になり過ぎるほどの光景となるのです。とにかく、映画のセットかのような、常人の想像を超えた現実離れした駅がここにあるのです!

暗くなってから嵐山駅へ向かう電車に乗れば、暗い線路を走っていた電車が光に包まれるように駅に入っていくという、なんとも言えない感覚を味わうことができます!

嵐山駅のリニューアルを手掛けたデザイナー・森田恭通さんは「新しさを感じさせながら伝統を重んじるデザインにすること、暗くなると客足が途絶えがちだったエリアを、どう活性化するか」という点を重視し、今回のリニューアルのデザインに臨んだそうです。まさにその言葉を具現化した駅が嵐山駅なのです。

その中でも「キモノ・フォレスト」はとても重要な位置づけ。この「キモノ・フォレスト」のライトアップは毎日展開されており、夜が弱点だった嵐山にとっては実に貴重な観光資源となっています。優れたデザインが生む力、ぜひご堪能いただければと思います。

このロケーションだからこそ許される、唯一無二の駅。

この嵐山駅は斬新さを取り入れながら、利用する人が楽しみながらもゆっくり駅に滞在できるように随所にベンチを設置するなど、様々な配慮もされています。駅構内は友禅の林に沿って回遊式庭園のように歩いてめぐれるようになっていて、もみじの庭や桜の庭など、四季を通じて楽しめます。ぜひ、じっくりと歩いてみて下さい。

おすすめとしては、昼間明るい内に到着して嵐山の散策を楽しみ、再び薄暗くなってから嵐山駅へ戻り、様相が一変した駅構内を楽しむのがいいでしょう!

とにかくこんな駅、普通じゃ絶対不可能!まさに「京都・嵐山だけに許される世界唯一の駅」それこそが新しい嵐電・嵐山駅なのです。

<基本情報>
住所:〒616-8373 京都府京都市右京区嵯峨天竜寺車道町11-1
電話番号:075-873-2121
アクセス:京福電車「嵐山」下車すぐ(駅構内)

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/01/25 訪問

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