日本最古の官道「奈良・山の辺の道」知る人ぞ知る“北コース”!石上神宮→ならまちへ!

日本最古の官道「奈良・山の辺の道」知る人ぞ知る“北コース”!石上神宮→ならまちへ!

更新日:2014/01/28 15:30

日本最古の官道として知られる奈良・山の辺の道。大神神社などパワースポットとして有名な神社が続々登場する、日本でも類を見ないハイキングコースです。しかしメディアでよく紹介されている有名なコース、実は南北にのびるコースの一部分だという事を皆さんご存じでしょうか!?実は山の辺の道には通称「北コース」と呼ばれる、知る人ぞ知るルートが存在します。その北コースを中心とした見どころを紹介します。

はじまりは南コースと同じく「石上(いそのかみ)神宮」から!

はじまりは南コースと同じく「石上(いそのかみ)神宮」から!
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山の辺の道の始点としてよく利用されているのは天理駅から徒歩30分の「石上(いそのかみ)神宮」です。日本最古の神社の一つであり、有名な物部氏の総氏神として太古の昔から大切に崇められてきました。圧倒的な迫力と、説明しがたい荘厳な独特の雰囲気は、この深い歴史が醸し出しているのでしょう。
ここが南コースと北コースの分岐点になっているため、ウォーキング姿の観光客をよく見かけます。南コースに向かう観光客は大変多いですが、北コースについては若干観光客は少なめになります。
なお、山の辺の道「北コース」を歩く際に少々注意が必要なのが、道のあちこちにあるルート表記です。一部コースが「東海自然歩道」と完全に重なるため、表記が「東海自然歩道」となっている場合があります。「山の辺の道」の表記が消えた!!…と焦らず、そのままこの表記に沿って歩いていけば問題ありません。では石上神宮でウォーキングの達成を祈願し、いよいよ出発しましょう!

【名前】石上神宮
【住所】奈良県天理市布留町384
【電話】0743-62-0900

山の辺の道で、あなたのお気に入りの神社・お寺を見つけてみましょう!

山の辺の道で、あなたのお気に入りの神社・お寺を見つけてみましょう!
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石上神宮から北コースを15分ほど行ったところに豊日神社があります。こちらの神社は菅原道真を祀っている神社で、規模もそれほど大きくはなく、山沿いのこじんまりとした神社といった風情です。南コースも北コースも、こういったごく普通の神社や祠やお地蔵様が、ウォーキングコースの随所に見られる事が最大の魅力です。奈良のこのような場所は、総じてとても静かで本当に心が落ち着くものです。また、束の間の休息ポイントにもなります。歩いていく中で、きっとあなたのお気に入りの神社やお寺が見つかる事でしょう。

【場所】豊日神社
【住所】奈良県天理市豊井町天神口

絶好のご飯休憩ポイント「白川ダム」で体力回復!

絶好のご飯休憩ポイント「白川ダム」で体力回復!
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北コースの魅力は何と言っても開発されきっていない素朴な雰囲気が楽しめる所ですが、その分、休憩スペースが非常に少ないという面があります。食事や休憩ポイントとしてぜひ立ち寄っていただきたいのが「白川ダム」。昭和8年に造られた農業用ため池を、アースダム(土を用い、台形状に形成して建設するダムのこと)として平成10年に改築したものです。こちらは屋根のあるベンチやトイレも整備されていて、近隣の方の憩いのスペースにもなっているようです。
北コースには、コンビニや自動販売機がほとんどありませんので、出発前には必ず飲み物と軽食を準備していきましょう!

【名前】白川ダム
【住所】天理市和爾町875-1
【電話】0743-65-1655(白川ダム管理係)

数学力アップのお願いも!?珍しい算額が奉納されている「弘仁寺」

数学力アップのお願いも!?珍しい算額が奉納されている「弘仁寺」
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ウォーキングもいよいよ山場、奈良市内に入って是非立ち寄って頂きたい素敵な寺院があります。それは、「弘仁寺」というお寺です。弘仁5年(814年)に空海が創建したと伝えられる一方、小野篁(たかむら)を創建者とする説もある由緒正しいお寺です。こちらの寺院、非常に雰囲気が良く、また観光地ではないのでのんびりとした風情があり、ウォーキングで疲れた体を癒してくれます。モミジの樹も多く、おそらく秋には美しい紅葉が楽しめるでしょう。写真のような雪の日はその静けさが更に増して、自分の動く音さえも騒々しく感じてしまうほどの静寂を堪能できます。
こちらの寺院のもうひとつの見どころは、「算額(さんがく)」です。算額とは、江戸時代に、額や絵馬に数学の問題や解法を記して、神社や仏閣に奉納された額の事です。こちらは本堂に掲げられています。しかし不思議ですよね、問題&回答を神様に捧げる文化があったなんて…こちらの寺院の本尊である虚空蔵菩薩が、智恵や知識、記憶などにご利益がある事とどうやら関係があるようです。「数学が苦手すぎる!」…という方、ぜひ念入りにお参りしてみてはいかがでしょうか。

【名前】弘仁寺
【住所】奈良県奈良市虚空蔵町46番地
【電話】0742−62−9303

余力があれば奈良駅まで!興福寺の塔が見えればやっと終了

余力があれば奈良駅まで!興福寺の塔が見えればやっと終了
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通常のコースは、途中のバス停で終了(あるいはスタート)となっている場合が多いのですが(下記HP参照)、もし余力があれば、近鉄奈良駅周辺まで歩いてしまうのも良いでしょう。風情ある街並みが残る、ならまち付近まで来ると、奈良のモニュメントとして愛されている興福寺・五重塔が見えてきます。それまでのひなびた雰囲気と、街の中に堂々と建つ塔の圧倒的な存在感の両方を体感すれば、奈良が改めて多種多様な魅力を秘めた町である事を実感するでしょう。
ここまで来ればもう安心!飲食店もたくさんありますので疲れた体を存分に癒しましょう。ちなみに、起点となった石上神宮のある天理周辺には、宿泊施設はほとんどありません。近鉄奈良駅周辺でホテルなどを確保し、天理駅まで電車で向かうか、ご紹介したコースを逆行していくか、のどちらかが最善でしょう。

おわりに

ちょっとマニアックな日本最古の官道「山の辺の道・北コース」はいかがでしたでしょうか?南コースを一度歩いた方には特におススメです。都会の喧騒を離れて、本当の「静寂」に心癒されてみてはいかがでしょうか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2011/02/11 訪問

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