写真:松縄 正彦
地図を見るリゾート地として有名な栃木県那須ですが、ここにキューピッドとエンジェルに特化し、英国式庭園も楽しめる美術館があります。その名も「ダイアナガーデンエンジェル美術館」。ダイアナとはローマ神話の狩猟と月の女神にちなんだ名前です。写真のように英国の邸宅のような外観をした美術館で、2階でキューピッドやエンジェルの展示がされています。早速中をご案内しましょう。
写真:松縄 正彦
地図を見る受付の後ろの階段を上って2階に行きますと広い踊り場があり、大きな陶器とステンドグラスにお出迎えされます。
ステンドグラスは4面飾られています。よく見ますと教会などにあるステンドグラスとちょっと違い、花模様が主体になっています。
これは1900年頃のアール・ヌーボ期のもので、中央の2枚には”あやめ”と”けし”の花が表現され、各々昼と夜を表しているのだとか。また、よく見ると”朝顔”、”桜”や”蓮”など日本の花がデザインされています。これは「湖畔花鳥文ステンドグラス」といわれ、ジャポニズムを強く感じさせる作品です。
ここでは、写真の椅子に座って庭園を楽しむ事もできますが、まずは踊り場の左右に1つずつある展示室にご案内しましょう。
写真:松縄 正彦
地図を見る左右の展示室には、約80点程のキューピッドやエンジェルの美術品が展示されています。写真はその中の1つ、ドイツ、マイセン窯製です。翼を持ったキューピッド、丸々としてかわいいですね。ところでみなさんエンジェルとキューピッドの違いをご存じですか?
エンジェルは紀元前1世紀頃からキリスト教に取り入れられたもので、神と人間との間の伝達者として考えられ、4世紀頃にその基本型ができあがったとされます。ちなみにエンジェルとは“神の使い”という意味です。
一方、キューピッドはギリシア神話では女神アフロディーテの、ローマ神話ではビーナスの子供とされ、いたずら好きで、人々を恋に狂わす弓矢をもっているとされました。また紀元前4世紀頃からキューピッドは有翼の存在として美術品のモチーフに使われ、一方で、神の使いとしても表現されました。
今ではキューピッドもエンジェルも神の使いとして同じ存在のように思われていますが、このようにもともとは異なる存在だったのです。こんな事も展示品を見てゆくと分かってきます。
写真:松縄 正彦
地図を見るこの美術館には英国式の庭園もあり、バラを中心にした四季折々の花々が楽しめます。また写真のように前庭には散歩道も整備されていますので、美術品を見た後にでもゆっくりと楽しんでください。
写真:松縄 正彦
地図を見る一方、裏庭も隠れた見所です。写真正面のように、壁面から水が流れ出てくる場所があり、その手前にはパラソルと椅子が設けられ、外でゆっくりと休憩する事ができます。また写真左手奥にブルーベリー農園が広がっています。ここ那須は火山灰の土壌と合わさってブルーベリーの生育に適した場所なのです。
写真:松縄 正彦
地図を見るところで、エンジェルやキューピッドの他にも珍しい展示品があります。2階を見終わったら1階への階段を降りてください。
ここには”ビスクドール”という、頭部が「釉薬をかけず、白い磁器に肌色をつける技法」で作られた人形達が展示してあります。これは、19世紀の中頃にフランスではじまった人形作りの技法。第二次世界大戦以降に姿を消してしまいましたが、1970年頃から再び注目されている人形作りの技法です。見ていると、不思議なことに、生きているように見えてきます。
この他にも各種の雑貨などアンティークのコレクションも豊富に展示されており、興味のある方は時間を忘れて見入ってしまうはずです。
写真:松縄 正彦
地図を見るところで、この美術館、入場すると“オマケ”がついてくるのです。それは、“ティー”サービス。季節によってはブルーベリーも味わえます。展示を見終わった頃合いでスタッフから声がかけられ、テーブルで楽しめます。
ここはキューピッドとエンジェルを専門に展示している特殊な美術館ですが、展示物はもともと個人の収集物でした。このためでしょうか、展示品には収集家の好みが反映され、きらびやかな中にも何か日本的な感覚が感じられます。庭園についても同様です。こんな見方で展示品やお庭を楽しんでも面白いでしょう。
またショップも併設され、女性向けのお土産が豊富で楽しめます。
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(2024/4/24更新)
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