エステ荘（ヴィラ＝デステ）とはイタリアの名家であるエステ家の別荘であり、500以上の噴水がある庭園として知られています。ローマ郊外30kｍのティヴォリにあり、古代ローマ時代の上流階級の別荘地でした。
ティヴォリにはエステ荘のほかにハドリアヌス帝の別荘「ヴィラ・アドリアーナ」や「グレゴリウス法王の別荘」などみどころがあり、1日楽しめてしまいます。
ティヴォリはローマからも近く、比較的行きやすい場所にあります。ローマから電車で1時間ほど乗車、ティヴォリ駅で降りた後、15分ほど歩くとエステ荘に到着します。バスの場合はCotral社のバスで地下鉄Ponte Mammolo駅から乗車し、Largo Nazioni Uniteで下車することになります。
エステ荘は名家の別荘らしく高台の見晴らしの良いところにあり、別荘からは街を見渡すことができ、東京ドームとほぼ同じくらいの4.5haの広さがあります。
別荘の内部はフレスコ画で飾られており、建物自体も見学することができますが、ここを訪れる人のお目当ては500種類以上あるという庭の噴水です。
エステ荘の成り立ちは１６世紀半ば頃までさかのぼります。エステ家出身の枢機卿、イッポーリト2世（ルクレツィア・ボルジアの息子）が隠居するためにベネディクト派の修道院だった建物に手を入れ、広大な庭園を造らせました。それがこのエステ家の別荘の原型です。
2001年には世界遺産として登録もされ、今では多くの観光客が訪れる美しい噴水庭園です。
庭園内の500以上ある噴水の水をまかなうために、川から水を引き込んだり、庭園の大幅な改修を行うなど、長年に渡って手をかけられてきた「イタリア一美しい庭園」はハンガリーの作曲家フランツ・リストをも惹きつけました。リストは「巡礼の年 第3年」の中で、この庭の噴水を題材にして、「エステ荘の噴水」という曲を作っています。
写真の噴水は「ネットゥーノの噴水」といい、ダイナミックに噴き上げる噴水を間近に見られます。この噴水はのちに、他の数多くの噴水のお手本になったといわれています。
手前にあるのが「ネットゥーノの噴水」で、上段の建物が「オルガンの噴水」と呼ばれています。水圧を利用してパイプオルガンが演奏されるオルガンの噴水は1566年から工事に着手し、途中、放置されましたが修復され、現在では10：30から2時間おきに演奏されています。
庭園内には高低差を利用した多くの噴水があります。噴水が高く吹き上がる「ネットゥーノの噴水」、「ロメッタの噴水」と「楕円の噴水」をつなぐ廊下のような「百噴水」、アルテミスをかたどった像のたくさんの乳房から水が吹き出る「アルテミスの噴水」などがあります。
噴水庭園は、特に暑い夏に訪れるのがオススメです。緑の多い敷地内にはいろいろな噴水が多くあり、庭園内はマイナスイオンがあふれんばかり。いかにも涼しげです。
そしてこの庭園は夏の夜になるとライトアップされ、昼間とはまた違った幽玄な雰囲気の庭園となります。
いかがでしたか？ヨーロッパの庭園は日本とは異なり、噴水にこだわった鑑賞の仕方があるようです。
オーストリア・ザルツブルクにも仕掛け噴水が有名な庭園があります。関連メモに入れてありますので、よろしければご覧下さい。
＜基本情報＞Villa D’Este
住所：Piazza Trento5 00019 Tivoli, Italy
電話番号： +39 0774 335850
アクセス：ティヴォリ駅から徒歩15分
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(2024/4/27更新)
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