甲斐駒ヶ岳は相対する南アルプスの女王、仙丈ヶ岳と併せて登りたいところ。一日目に仙丈ヶ岳の高山植物を楽しみ、朝に余裕ができる二日目を深夜出発、これで朝焼け状態の甲斐駒ヶ岳を目指すのがおすすめです。さすがに山頂で朝焼けを目指す場合、日付が変わるかどうかになるので正直厳しいところです。
そこで狙い目が駒津峰。北沢峠を2時頃に出発すれば、夏期で駒津峰、秋口であれば仙水峠から駒津峰の中間部分程度で夜明けとなります。歩速はルートタイム程度で十分です。注意点としては仙水峠からしばらく樹林帯があるのと、駒津峰より六方石までも眺望が優れているとは言えないので時間を見ながら観賞場所を据えましょう。
北沢峠(40)〜仙水小屋(40)〜仙水峠(1h30)〜駒津峰
甲斐駒ヶ岳ナイトハイクにあたってもう少し注意点。一つは仙水小屋ルートの登山口。明るいときに確認しておかないと全く分からなくなります。場所に関して言えば長衛小屋、向かって後方、橋方向にあります。
そしてもう一点、仙水小屋から仙水峠に至る間に全面すべて岩の道があり、上に行きたくなったりしますがマップ通り直進して下さい。そうすれば森林の切れ端に到達することができルートも明瞭になるかと思います。GPSを所持しておくとさらに便利ですよ。
明るくなったところで改めて甲斐駒ヶ岳を見直すと、その雄々しい姿に山行意欲を駆り立てられてくるでしょう。駒津峰から痩せた尾根、岩稜地帯を通過すれば巨石の六方石、ここで岩稜地帯を行く直登コースと摩利支天側に迂回するザレ場コースに分岐することになります。直登コースも面白そうですがここは一旦、不思議な摩利支天に近づいてみましょう。
駒津峰(1h30)〜甲斐駒ヶ岳ピーク
甲斐駒ヶ岳は遠望するとピークの横にある瘤が特徴的ですが、それがこの摩利支天。こちらは簡単に往来できそうですが意外と時間がかかります。バスの運行時間を見ながら摩利支天に向かうか決めましょう。
摩利支天分岐から北に進路を取り一登りすると念願の甲斐駒ヶ岳2967mの頂となります。見渡す限り広がる雲海の景色は、まさしく絶景と呼ぶに相応しいでしょう。一方で朝焼け状態の甲斐駒ヶ岳と雲海に包まれる二つの絶景状態は、実はあまりよろしくない兆候かもしれません。夕焼けはキレイだと次の日晴れると言われていますが、朝焼けは天候が下り坂になる恐れがあるからです。甲斐駒ヶ岳の朝焼けを狙う場合は早期撤収を心に留めておきましょう。
甲斐駒ヶ岳は半ば独立峰のような山容で見渡す限り広がる好眺望は優れたものがあります。例えば南東方面には富士山をバックにした地蔵ヶ岳の景観。この二座がかさなるのは甲斐駒ヶ岳でしか見ることができない世界です。
さらに南西は仙丈ヶ岳の全体像、ことカールを真正面から捉えることができるのも甲斐駒ヶ岳の優れた眺望の一つ。他には山頂の五丈岩が特徴的な金峰山や遠く北アルプスなども見渡すことができる、まさにアルプス山脈の大展望台といったところです。
大いに好眺望を堪能したところで下山に取りかかりましょう。駒津峰までは概ね逆順、ここからは稜線ルートを辿って降ることオススメします。特に夏期は初々しい双児山と秋口の紅葉は必見で、ハイマツ畑との相性は抜群の景観。双児山の手前でいったん高度を下げ、登り返しが辛そうに見えますが、取り付いてみれば案外すんなり歩を進めることができます。
駒津峰からは長めの樹林帯を通過して、北沢峠バス乗り場付近に出ることになります。
甲斐駒ヶ岳ピーク(1h)〜駒津峰(40)〜双児山(1h10)〜北沢峠
計7h10、10.5km、標高差1177m
甲斐駒ヶ岳は日本の山々でもトップクラスの人気を誇る山ですが、実は日本三大急登の一つでもある黒戸尾根から山頂を目指すこともできます。標高差は実に2200m、歩行時間15時間超えのルートタイムと挑戦しがいのあるコース。
黒戸尾根は元々、甲斐駒ヶ岳の表玄関として登られていたことを考えると、昔からいかに人気があったか伺い知れますね。甲斐駒ヶ岳の朝焼け、南アルプスの展望台、そして黒戸尾根。これは生きているうちに絶対登っておきたい一座ですね。
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(2024/4/26更新)
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