冬の秋田、枯れ木に甘い花が咲く!?大館「アメッコ市」の飴を食べて、無病息災を願おう!

冬の秋田、枯れ木に甘い花が咲く!?大館「アメッコ市」の飴を食べて、無病息災を願おう!

更新日:2014/01/27 14:46

真っ白い雪が降りしきる中、可憐に木々を彩るピンクは、梅?桃?それとも桜?いいえ、アメッコです。「アメッコ」とは秋田弁で飴のこと。秋田県大館(おおだて)市では、毎年2月の第2土曜と日曜、いたる所の木々に飴が取り付けられ、色とりどりの飴を売る露店が立ち並びます。食べれば風邪を引かないという縁起物のアメを求めて、可愛い秋田犬や、伝説の神様にも会える「アメッコ市(いち)」に出かけてみませんか?

「アメッコ市」の歴史

「アメッコ市」の歴史

提供元:春秋和

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アメッコ市の起源は、1月1日〜7日の大正月(おおしょうがつ/男の正月)に男性がお酒を飲み、1月15日の小正月(こしょうがつ/女の正月)に女性や子供が甘いもの(飴を付けた餅)を食べるという、南部(現青森県南部、岩手県北・中部)及び津軽(現青森県西部)地域の農家の風習にあると考えられ、それが南部から秋田の大館に伝わったといわれています。

木の枝に取り付けられた飴が、訪れる人を華やかに迎えてくれるようになったのは昭和20年代からで、「観光行事」となったのが昭和40年代。平成時代になると、開催日が、旧正月の時期から、「2月2週目の土日」と変更され、時代に合わせて変化しつつも、「飴を売る市」の歴史は、400年以上にわたり続いています。

【アメッコ市】
・平成26年2月8日(土) 10:00〜18:00
・平成26年2月9日(日)  9:00〜16:00 (毎年2月第2土曜日とその翌日)

白ひげ大神とあめっこ「おこう」

白ひげ大神とあめっこ「おこう」

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アメッコ市のメインイベントが、白ひげ大神の巡行。ほら貝を吹く「山伏」を先頭とし、白装束をまとい瓢箪の杖を持った白髭大神が、モンペ姿の「飴っこおこう」と手を繋ぎやってきて、それに巫女や獅子舞、笛や太鼓が続きます。

さて、この一行、どこから来たのかと言いますと、大館市の北西に位置する田代岳とのこと。田代岳は、世界自然遺産・白神山地の東端に位置し、古くから秋田県北部や青森県南津軽の人達から水田信仰の場として崇められていました。そして祀られる神様・白髭大直日大神(しらひげおおなおびおおのかみ)がアメッコ市の頃には飴を求めて下山し、足跡を消すために吹雪を起こすと言われています。言い伝えの通り、アメッコ市の時期は天気が荒れることもしばしばあるそうです。

「飴っこおこう」は、この伝説を基に昭和時代に作られた物語で、気立ての優しい働き者の「おこう」が、白髭大神に病気の母親を助けられた事から、自身も病に倒れる人々の為に、特効薬の飴を作り上げるというお話です。そして、そんな「おこう」をテーマとした楽曲が、大館市を中心に活動しているポップスデュオ「ダックスムーン」により作成されていて、アメッコ市で演奏されることもあるそうです。

【白髭大神の巡行】
時間:平成26年2月8日(土) 10:30〜11:00 15:00〜15:30
   平成26年2月9日(日) 10:00〜10:30 15:00〜15:30

大人気のからみアメサービス!

大人気のからみアメサービス!

提供元:ゼロダテ

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登場と同時にすぐに人だかりができるのが、レトロな「からみアメ」のサービス(無料)。
昔の行商人の格好をしたおじいさんが、飴をクルクルと割り箸に絡め、寄ってきた人の口に放り込んでくれます。褐色の飴はやわらかくすぐにこぼれるので、手で受け取らずに、直接口の中に入れてもらうのが作法。

ちなみに戦前大館市には、実際に飴をいれた木箱を背負い、チャルメラを吹いて町にやってくる飴売りがいたそうです。

また、中世のアメッコ市にて売られていた「飴」は、現在私たちが知っているものとは違い、麦もやし(発芽させた麦)をトロトロに煮込んだ、水飴より柔らかいべっ甲色のものだったそうです。口に含むと自然な麦芽の甘さが広がったと言われています。各地の民俗関係の文献で、餅に「飴をさす」という表現が使われていることから、棒状のものでモチにアメを差しこんで食べたのではと想像されます。砂糖が無かった当時の人々にとって「麦芽の飴」は、貧富の差による違いこそあれ、比較的身近な食べ物でした。

そしていつしか、「飴を食べないとウジ(虫)になる(!)」との風説が広まり、現在は「飴を食べると風邪を引かない」と言われています。

【からみ飴サービス】
時間:平成26年2月8日(土) 10:45〜11:15 12:30〜13:00 15:30〜16:00 
   平成26年2月9日(日) 10:30〜11:00 14:00〜14:30

秋田犬とのふれあいコーナーとパレードも!

秋田犬とのふれあいコーナーとパレードも!

提供元:大館市観光協会

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実は大館市は秋田犬の産地であり、あの忠犬ハチ公の故郷でもあります。その為アメッコ市には、可愛い子犬に会える「秋田犬ふれあいコーナー」が設けられ、忠犬ハチ公パレードでは、賢い秋田犬たちが会場を練り歩く姿が見られます。

会場から少し歩いた場所には、国内唯一の単一犬種の博物館「秋田犬会館(秋田犬保存会)」があり、主人に忠実な秋田犬は、動物の狩猟を生業とした「またぎ」達の良きパートナーだったという歴史や、ヘレン・ケラーが飼っていたのは秋田犬だったという事実が学べます。

さらに市内には、狛犬が秋田犬である「大館八幡神社」や、まつり会場から距離はあるものの、全国的にも珍しい、シロという忠犬を祀った神社「老犬神社」があります。他にも秋田犬やハチ公に関連したスポットが数多くあるので、探してみるのも楽しいですよ。

【秋田犬パレード】
時間:平成26年2月8日(土) 11:15〜11:45 13:15〜13:45
   平成26年2月9日(日) 11:00〜11:30

雪の中赤い傘で練り歩く丸髷(まるまげ)行列

雪の中赤い傘で練り歩く丸髷(まるまげ)行列

提供元:大館市観光協会

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そして行事をより一層華やかにしてくれるのが、平成23(2011)年より始まった丸髷(まるまげ)行列です。大館・北秋田には、33歳の年祝いで、既婚の女性が丸髷を結い、黒留袖を着るという風習があるのですが、近年はあまりその姿を見かけなくなりました。そこで、より多くの人にこの伝統を知ってもらおうと、会場を練り歩く催しが行われるようになったそうです。

【丸髷行列】
時間:平成26年2月9日(日) 12:30〜13:15

同時期開催の雪まつりや郷土博物館も合わせてどうぞ

美しい四季を持つ日本の冬を、心ゆくまで味わえるのが、2月の北東北。しかし残念なことに、ピーク時は130店あった「アメッコ市」の出店は、年々減っているそうです。ぜひ、同時期に開催される他の雪祭り(北秋田市鷹巣/たかのすの「もちっこ市」や、青森県弘前市の「弘前城雪灯篭祭り」が距離的には近いです)と一緒に大館を訪ね、伝統・文化の継承に、一役買ってみませんか。

大館について詳しく知りたい方は、市街地からちょっと離れていますが、アメッコ市会場から車で15分のところにある大館郷土博物館もお勧めです。大館の歴史・民俗・美術などを知ることをできる施設で、特に大館の伝統工芸品「曲げわっぱ」の展示が人気です。
「アメッコ市」のシーズンにはちょうど「おひなさま展」を開催中。幕末から平成までのお雛様と、今では珍しくなった手づくりの押絵雛がたくさん展示されます。ぜひ華やかな「アメッコ市」と「おひなさま展」を合わせてお楽しみください。

【アメッコ市】
開催日時:
・平成26年2月8日(土) 10:00〜18:00
・平成26年2月9日(日)  9:00〜16:00 (毎年2月第2土曜日とその翌日)

会場:おおまちハチ公通り(旧大町中央通り)
 ※8日午前8時〜9日午後5時まで会場周辺は交通規制が行われます。
〇JR大館駅と会場間をシャトルバスが運行されます。

問い合わせ:
・大館アメッコ市実行委員会事務局 : 0186-42-4360
・当日実施本部 : 090-6623-7671
・当日大館駅をご利用のかた : 大館駅観光案内所 0186-57-8120

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/02/12 訪問

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