見える化された静岡「駿府城」2018年10月までしかできない観光方法とは?

見える化された静岡「駿府城」2018年10月までしかできない観光方法とは?

更新日:2018/09/25 19:41

いなもと かおりのプロフィール写真 いなもと かおり 城マニア・観光ライター
静岡県静岡市にある駿府城は、JR静岡駅から徒歩15分ほどで到着するアクセス良好な観光地。城というよりは公園として馴染み深いこの城跡は、近年大きな変化を遂げました。木造で復元された櫓。そして、現在発掘調査中の天守台は、駿府城の目玉です!さらには、タブレットを利用した技術で、かつての姿が目で見られるようになりました。今だけしかできない駿府城の楽しみ方をご紹介します。

駿府城は徳川家康が築いた居城

駿府城は徳川家康が築いた居城

写真:いなもと かおり

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静岡県静岡市は、三保松原や久能山東照宮など観光名所があるエリアです。静岡駅から徒歩15分ほどの場所にあるのが、ご紹介する「駿府城」!今川氏の館があったこの場所に、17世紀初頭、徳川家康が城を築きました。駿府城の特徴は、3重の水堀に囲まれた厳重な造り。天守は焼失してしまい存在しませんが、石垣や水堀などが残っています。

駿府城は徳川家康が築いた居城

写真:いなもと かおり

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城の南東には、駿府城のシンボルともいえるスポットがあります!

1989年には巽櫓(たつみやぐら)が、そして1996年には東御門が、日本古来の建築技法にのっとった建物として復元されています。高さのある櫓からは、日本を治めた徳川幕府の力強さを感じられますね。また、L字型の平面は、全国的にも珍しいです。

どんな天守が建っていたのかな?

どんな天守が建っていたのかな?

写真:いなもと かおり

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昭和に公園となり、市民の憩いの場となった駿府城。シンボルともいえる天守は、残念ながらありません。天守は、晩年の家康公に相応しい5層7階または6層7階の豪華なものだったといわれています。建築開始から28年経った1635年に火災にあい焼失してしまいましたが、アレが残っているのです。

どんな天守が建っていたのかな?

写真:いなもと かおり

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こちらは天守台。サムライの時代が終わった明治のはじめに、廃城令が敢行され日本各地にあった多くの城が取り壊されました。駿府城の天守台も明治には取り壊され、埋め立てられていますが、昭和55年の試掘では、土の中に埋められた天守台の基底部分が残っていることがわかったのです。

2016年8月からは、天守台の正確な大きさや位置、残存状況を調べることを目的とした学術的調査が開始され、2020年2月まで実施される予定となっています。では、駿府城は調査中で見られなくなるのか残念……と思った方!駿府城はひと味違うのです。そう、丸見えなのですよ!

どんな天守が建っていたのかな?

写真:いなもと かおり

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天守台では「見える化」事業として発掘調査現場を毎日、公開中。天守台西側と北側に設けられた見学ゾーンでは、南北68m、東西60mに及ぶ天守台の西側を目の前で見ることができます。水面から19mの高さがあったといわれる天守台。上部は取り壊されてしまいましたが、土の中にはなんと最長で高さ5.6mの基底部分が眠っていたのです。

見学は予約も不要なため、いつ来ても大丈夫!解説ボランティア員も常駐しているため、詳しく知りたい方は話しかけてみましょう。

それだけじゃない!天守台発掘現場のココがスゴイ

それだけじゃない!天守台発掘現場のココがスゴイ

写真:いなもと かおり

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天守台の見学ゾーンには、「発掘情報館きゃっしる」が建てられ、毎日見学可能に!展示スペースには、発掘調査で出土した瓦や、発掘で得た最新情報がゲットできます。日本最大の天守が建っていたとされる江戸城よりも、1.5倍も大きい天守台の駿府城って?館内で放映される映像を見ると、その理由がわかるかも!

それだけじゃない!天守台発掘現場のココがスゴイ

写真:いなもと かおり

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さらには、期間限定で発掘調査が体験できちゃう!ヘルメットを被って現場に行き、調査員指導のもとで行われるのでかなり本格的です。実際に江戸時代の瓦が出土される例も多く、他の城では体験できないとっても貴重な経験ができるのも今の駿府城だけ(要予約・有料)。

2018年度の開催期間は8月〜10月の毎月第2・4土曜日と日曜日、午前と午後の2回開催しています。2017年から始まったこの体験イベントも、本年度まで! もうすぐ終わりを向かえようとしています。

完全予約制のため、参加希望の方は関連MEMOにリンクしたサイトをご覧下さい。

それだけじゃない!天守台発掘現場のココがスゴイ

写真:いなもと かおり

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発掘体験では、さらにもう一つ貴重な体験が!実際に出土した瓦に刻まれた「刻印」の拓本体験ができます。しかも、写しは記念に持ち帰ることが可能。参加者でないとゲットできない、形に残るお土産も嬉しいですね。

なお雨天時は、発掘体験の代わりに出土した瓦の洗浄体験ができますよ!

近未来的!?最先端技術で駿府城を巡ろう

近未来的!?最先端技術で駿府城を巡ろう

写真:いなもと かおり

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城跡を散策すると「城がない」「わかりにくい」という声を耳にします。取り壊された城は、姿・形が見えないから、どんな姿だったのかな?とイメージすることは、史跡散策の楽しみ方の一つです。

駿府城のかつての姿を想像するには、目で見て確認できる「タイムトラベルツアー」がおすすめ!

近未来的!?最先端技術で駿府城を巡ろう

写真:いなもと かおり

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ガイドと共に駿府城内を巡るツアーでは、公園となり今では見えなくなってしまったかつての駿府城をCGで再現!目の前に見る場所がどんな姿だったのか、タブレットを持って散策してみましょう。

<タイムトラベルツアー>
・2018年9月〜11月の予定……
第2・4土曜日と日曜日 10:30〜/13:00〜 各1時間ほど

完成したばかりの坤櫓が見えすぎてスゴイ!

完成したばかりの坤櫓が見えすぎてスゴイ!

写真:いなもと かおり

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城の南西に位置する坤櫓(ひつじさるやぐら)は、2014年4月に完成したばかりの復元櫓。3階建てとなる建物内も「見える化」されているのです。1階の床部分は、一部ガラス張り、そして2階、3階部分も床がなく吹抜け構造となっています。これは、伝統技術で再現された土台・柱・梁をじっくり観察できるようにするため。こんなユニークな発想も駿府城ならではですね。

完成したばかりの坤櫓が見えすぎてスゴイ!

写真:いなもと かおり

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櫓内部は5つの間に分けられ、駿府城を学べる展示も目白押し。映像上映している「手解きの間」や、発掘調査で出土した瓦を展示した「記憶の間」などもおすすめです。また別途料金を支払えば、「時空の間」で最新のMR(Mixed Reality)技術を使った体験もできます!

完成したばかりの坤櫓が見えすぎてスゴイ!

写真:いなもと かおり

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人気のある城といえば、天守の残る城ばかり注目されていますが、駿府城のようにどんな人でも楽しんでもらおうと企画している史跡もあります!

ARやVRが馴染みとなってきた今だからこそ、技術の手を借りて、見えない歴史を体感できる。観光に新たな見方が増えつつあります。さらに、発掘調査期間中だけしか経験できない楽しみ方も加わり、歴史が見えるようになった静岡県「駿府城」は、今がアツイのです!

駿府城公園の基本情報

住所:静岡市葵区駿府城公園1-1
電話番号:
・駿府城の歴史について・発掘体験の問い合わせについて
054-221-1085(静岡市観光交流文化局歴史文化課)
・発掘体験の申し込みについて
054-200-4894(静岡市コールセンター)
・駿府城公園利用について
054-221-1433(静岡市都市局公園整備課)
・その他の問い合わせ
054-251-0016(駿府城公園二ノ丸施設管理事務所)
開館時間:
<発掘情報館きゃっしる>
9:00〜16:30(最終入館は16:00まで)※年末年始(12/29〜1/3)は休館
<東御門・巽櫓・坤櫓・紅葉山公園>
9:00〜16:30(最終入館16:00)※月曜日(祝日営業)・年末年始(12/29〜1/3)は休館
アクセス:JR静岡駅から徒歩約15分、静岡鉄道新静岡駅から徒歩約12分

2018年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/09/23 訪問

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