311歳の狛犬さんがお出迎え!東京・港区・高輪神社

311歳の狛犬さんがお出迎え!東京・港区・高輪神社

更新日:2017/10/03 16:42

井伊 たびをのプロフィール写真 井伊 たびを 社寺ナビゲーター、狛犬愛好家
「高輪神社」は、高輪台一円の総鎮守社である。その創建は室町中期の明応年間で、お稲荷様、八幡様、猿田彦様をお祀りしている。境内社の太子宮は聖徳太子様をお祀りし、菊と桐の御神紋を有する。商売繁盛、家内安全、学業成就、縁結び、病気平癒、諸願成、交通安全、方災解除、開運招福など様々な御利益を授けていただける。風雪に耐えた狛犬、恵比寿さんと大黒天さんのそろい踏み!?太子宮の彫り物など見どころが豊富だ。


歴史ある鳥居をくぐり階段を上る。

歴史ある鳥居をくぐり階段を上る。

写真:井伊 たびを

地図を見る

東京都港区高輪にある「高輪神社(たかなわじんじゃ)」は、高輪台一円の総鎮守社である。創建年月日は定かでないが、室町中期の明応年間(1492年〜1501年)だとされている。“第一京浜”からのびる参道を進めば、歴史を感じる大きな鳥居が目に飛び込んでくる。右側の柱に刻まれた文字から、“寛文7年(1667年)3月22日”に建立されたことが読み取れ、実に350年の風雪に耐えていることになる。

歴史ある鳥居をくぐり階段を上る。

写真:井伊 たびを

地図を見る

階段を上りきると左手に手水舎がある。簡素ではあるが、隅々まで丁寧に清掃されているので、本来の目的である“身も心も清めるみそぎ”を、滞りなく行うことができる。

歴史ある鳥居をくぐり階段を上る。

写真:井伊 たびを

地図を見る

「高輪神社」の御祭神は、宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)、誉田別命(ほんだわけのみこと)、猿田彦命(さるたひこのみこと)の三柱である。商売繁盛、家内安全、学業成就、縁結び、病気平癒、諸願成、交通安全、方災解除、開運招福など様々な御利益を授けていただける。例大祭は、毎年9月10日に執り行われる。

当社は、弘化2年(1845年)1月24日の大火で類焼し石門、石大鳥居等を残し全て焼失している。その後再建され、昭和4年(1929年)社名を「稲荷神社」より、現在の「高輪神社」に改称。現在の社殿は昭和55年(1980年)に造営されたものである。

311歳になりました!

311歳になりました!

写真:井伊 たびを

地図を見る

拝殿で見守る“狛犬さん”もかなりの歴史を感じる。表情が読み取れないぐらい、風雪にじっと耐えている健気さに愛しくもなる。台座に刻まれた文字から“宝永6年(1706年)に、奉納されたことがわかる。御歳311歳ということだ!

聖徳太子をお祀りする高輪太子宮。

聖徳太子をお祀りする高輪太子宮。

写真:井伊 たびを

地図を見る

境内には、聖徳太子をお祀りする「高輪太子宮」がある。かつては、「旭曜山常照寺」にお祀りされていたが、廃寺になったため当社にてお祀りされることになった。「高輪太子宮」は、かつては「太子堂」と呼ばれ、御自作と伝えられる、“聖徳太子16歳の像”を江戸時代中期(宝暦年間)に、当所に安置された。

聖徳太子をお祀りする高輪太子宮。

写真:井伊 たびを

地図を見る

太子宮前を護る“狛犬さん”は、小さいながらも迫力満点!である。凛々しい鬚と睨みをきかす鋭い眼力に石工の技が光る!

必見!壁に彫り込まれた絵!

必見!壁に彫り込まれた絵!

写真:井伊 たびを

地図を見る

太子宮を囲む石塀は、「御府内石工十三組」が奉納したもの。建立は、文政11年(1828年)で、安政4年(1857年)と、大正13年(1924年)に修復されている。現存するこの石塀は関東大震災後のもので、“石匠・酒井八右衛門”が修復したものである。

必見!壁に彫り込まれた絵!

写真:井伊 たびを

地図を見る

太子宮石塀の内側には、見事な絵が刻まれている。お見逃しのないように!

恵比寿さん!大黒天さん!そろい踏み!?

恵比寿さん!大黒天さん!そろい踏み!?

写真:井伊 たびを

地図を見る

太子宮には“恵比寿さん”と“大黒天さん”が、仲良くお揃いでいらっしゃる。

そもそも、こうして恵比寿さんと大黒天さんをならべて祭る習俗は、戦国時代に京都で起こった。それが、各地に広がったとされる。この頃から商工民の間で、恵比寿さんや大黒天さんに、特別な御利益がある“福の神”だとする考えが、一般に普及したとされている。

恵比寿さん!大黒天さん!そろい踏み!?

写真:井伊 たびを

地図を見る

境内にある「高輪神社の力石(ちからいし)」は、港区の文化財になっている。“力石”とは、力試しに用いられた大きな石のこと。腕力や体力を鍛えるために重い石を持ち上げて「力競べ」、あるいは「曲持ち」などを行った際に使用された。ちなみに、「曲持ち」とは曲芸として、手・足・肩・腹などで、石のほか樽、臼、米俵や、人などを持ち上げて自由にあやつる芸のことである。江戸時代から明治時代にかけて、神社の祭礼などで、鍛錬と娯楽と奉納のため盛んに行われていた。

神社8社を巡る「東京福めぐり」のひとつ

「高輪神社」は、東京・日本橋にある“福徳神社”など、神社8社を巡る「東京福めぐり」のひとつになっている。例祭は9月10日であり、行事として1月22日に鎮火祭が行われる。

もしも、お時間に余裕があれば、高輪台あたりをそぞろ歩きながら、妖怪が守る寺「承教寺」や、幕末の歴史にふれる「東禅寺」などを訪ねられてはいかがだろう?

≪高輪神社の基本情報≫
住所:東京都港区高輪2-14-18
電話番号:03-3441-2719
アクセス:都営浅草線の「泉岳寺駅」A2出口より出て、第一京浜沿いに歩いて約3分。

2017年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/09/03 訪問

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -