歴史×美食旅ノススメ。鎌倉「古我邸」邸宅フレンチ&ガーデンカフェ

歴史×美食旅ノススメ。鎌倉「古我邸」邸宅フレンチ&ガーデンカフェ

更新日:2017/10/15 10:16

鎌倉三大洋館の一つ「古我邸」は、非公開から2015年にフレンチレストランとしてオープン。2017年1月より若き実力派シェフが就任して以来、その皿の上の世界観と、鎌倉食材と敷地内で収穫される“古我野菜”のメニューに魅せられ、多くの美食家が足を運びます。ドレスコードは無くても、自然に潜在的美力が目覚める歴史の邸宅フレンチとガーデンカフェへご案内します。

鎌倉の歴史薫る邸宅、三大洋館「古我邸」

鎌倉の歴史薫る邸宅、三大洋館「古我邸」
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鎌倉駅西口(市役所方面)から徒歩5分、鎌倉の歴史香る山の手の住宅街奥に風格ある古我邸のエントランスが出迎えてくれます。裏山の緑を湛えたこの邸宅は、鎌倉文学館、旧華頂宮邸と共に鎌倉三大洋館に数えられ、鎌倉の別荘文化を象徴する西洋建築の洋館。

江戸時代末期に、横浜居留地から外国人が避暑リゾートに訪れていた鎌倉。明治22年のJR横須賀線開通を機に、皇族や華族を始め各界のセレブリティー達による西洋建築の別荘建築ブームが巻き起こりました。
この栄華を極めた時代、かつては華族が優雅に車を乗り付けた、邸宅まで延びる緩やかな舗装路のアプローチ。広々とした前庭を横目に、桜の木が木陰を作る玄関までゆっくりと上がって行きましょう。

鎌倉の歴史薫る邸宅、三大洋館「古我邸」
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古我邸の歴史は、非常にドラマティックです。設計は、日本人初の英国公認建築士で、東京の旧三菱銀行本店や丸ノ内ビルディングの設計を行った桜井小太郎。完成は大正5年、その歳月はなんと15年。
後の三菱財閥の重役、荘清次郎の別荘として建てられた後も、この建物を借り受け別荘にした歴々の記録には、内閣総理大臣を歴任した濱口雄幸や近衛文麿の名も残ります。

戦後G.H.Qに接収され、将校クラブとして使われた時期を越えて、この「古我邸」の名になったのは、昭和12年に日本土地建物株式会社の経営者、古我貞周がこの建物を取得してからのこと。
そして更にその名を広く知られるようになったのは、貞周氏の息子である日本初のレーサー、古我信生の存在があります。昭和34年に日本アルペンラリーで優勝し、海外のラリーやレースでも優勝活躍、ホンダのF1開発プロジェクトに携わる日本のモータースポーツ界のパイオニアとも言える人物。

信夫氏と夫人が住んでいたこの大邸宅が、築100年を迎えると共に、改修工事を経て、この邸宅レストランに生まれ変わった訳です。日本の歴史と共に、鎌倉の別荘地が歩んだ歴史に想いを馳せながら食事ができる、なんとも感慨深く贅沢な時間が用意されています。

重厚感ある静寂に磨かれる“空間美ダイニング”

重厚感ある静寂に磨かれる“空間美ダイニング”
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前庭に延びる眺望テラスに面した1階のダイニングは、優雅なアプローチに植栽された、緑とシンボルツリーの桜の木が窓に季節の表情を描きます。
その間近の窓際、特等席から是非ご予約を。多少の日差しを浴びますが、シェードを下ろしても薄いヴェール越しの景色がまた美しいものです。

席やお好みのコースを確保するためには飛び込みではなく、公式サイトからの予約をお勧めします。ランチ、ディナー共、用途や人数により個室や大人数テーブルの用意も有ります。
但し、個室は小さなお子さんも可能ですが、ダイニングは中学生以上の指定がありますので予約時に確認が必要です。

重厚感ある静寂に磨かれる“空間美ダイニング”
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邸宅へのお呼ばれを感じるようなレセプションから、リザーブしたダイニングに通されます。重厚な外観の雰囲気と同様、内装も落ち着いた色調にまとめられた静寂感の中、上ずらないどっしりと落ち着いたスタッフの応対。
邸宅の歴史、優雅な間取りや調度、スタッフの身熟しに至るまですべてが空間美と言えます。

ここでは特別なドレスコードを提示されなくても、自然とこちらも凛として応えたい心地良いテンションを感じる空間です。接待にはもちろん、おひとり様の贅沢にも、女性同士、カップルの誘い合わせにも、しなやかに磨かれる時間を味わうには絶好のシチュエーション。

まさに眼福!若き実力派シェフ渾身“季節美メニュー”

まさに眼福!若き実力派シェフ渾身“季節美メニュー”
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古我邸のオープンにも携わり、この2017年1月よりシェフに就任したのは、葉山の老舗リゾートホテル音羽ノ森のシェフやフランスの星付きレストランで修業するなど足跡輝かしい若き実力派、古川慶顕シェフ。
ダイニングの内装プランも古川氏が、これまでより更に落ち着いた空間で食事を楽しんで欲しいとプロデュースしています。

鎌倉の地物野菜や食材はもとより、古川シェフが“古我野菜”と呼ぶ、古我邸の敷地上部の畑で作る自家野菜など古我邸ブランド食材を愉しめるという贅沢な料理。

皿の上に表現された“今この季節”の世界観は、なんとも繊細で独特!その一方で、どこか馴染み深い自然の様子が表現されていることが、ほっとする安心感を与えてくれます(写真は、初秋ランチコースのアミューズより)。
その味わいは、コースの始終、一品の中にも抑揚があり、口の中も楽しいもの。この魅力に、多くの美食家が四季のメニューを待ち望んでリピーターになるのも納得です。

まさに眼福!若き実力派シェフ渾身“季節美メニュー”
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コースは、ランチで3,800円から。古我邸スペシャルランチは、7,000円、 古我邸スペシャルディナー 12,000円と様々なシーンでカジュアルにもフォーマルにも対応できる嬉しい価格帯(詳細は、公式サイトでご確認ください)。

終始思わずカメラを向けたくなる、まさに眼福な一皿。一通り満足な一枚を写せたらあとは五感を鋭くして、ただただ味わいたいものです。美しい邸宅のダイニングで、アートな料理を味わう…眠っている美力が目覚める、絶好の刺激になるはずです。

ボタニカルな昼下がり“自然美ガーデンカフェ”

ボタニカルな昼下がり“自然美ガーデンカフェ”
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カフェのみの利用(ペット同伴可)も可能である、邸宅の裏手にあるガーデンカフェ。ティータイムはもちろんですが、ここは是非、ランチ前後や夕食前のアペリティフ、ディジェスティフに利用したい場所。

裏山の深い樹々に小さな水辺といった自然そのものを目の前に、足元には自生する季節の草花に調和したさりげない植栽が、絶妙なカフェエリアを作っています。
邸宅内では静かにゆったりと食事を楽しみ、カフェでは開放感の中でお喋りを弾ませる…そんな緩急がついた時間の過ごし方が魅力的です。

ボタニカルな昼下がり“自然美ガーデンカフェ”
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ガーデンカフェでは、コーヒーや紅茶などのカフェドリンクに加え、デザートの盛り合わせ、アルコールのおつまみやアペタイザーにもいいフードメニューが用意されており、外カフェだからといって手抜きの無い丁寧なサーブがさすが、というところ。

古我邸がそのシーズンでお勧めするスパークリングワインや赤白のワイン、ノンアルコールも良いのですが、心地良いボタニカルな昼下がりには、鎌倉生まれ鎌倉育ちのクラフトビール「鎌倉ビール」もお勧め。
アルト、ペールエール、ブラウンエールの3種類、上面発酵酵母のフルーティーでまろやかな味は、苦みが苦手な方でもふわりと飲めます。味わいは個性的ながら、お腹にたまるような炭酸感ではなく、軽やかで食事の前後でも邪魔になりません。

小鳥のさえずりを聴きながら、水辺を抜ける涼やかな風と、草木が香るガーデンカフェでのひと時…時間が過ぎるのも忘れてしまいそう。

鎌倉の邸宅フレンチ&カフェ「古我邸」で眠れる美力に刺激を!

日常の忙しさでついつい鈍くなってしまう五感。次の鎌倉旅は歴史と美食が溢れる「古我邸」で、潜在的美力を呼び覚ます時間を過ごしませんか?


<古我邸の基本情報>
住所:神奈川県鎌倉市扇ガ谷1-7-23
電話番号:0467-22-2011(代表)、050-2018-0289(レストラン予約)
営業時間:ランチ11:00〜15:00 (LO 14:00)、ディナー17:00〜21:00 (LO 20:00)、カフェ11:00〜日没
定休日:火曜日
アクセス:JR鎌倉駅 西口より徒歩5分
駐車場:無し

2017年10月現在の情報となります。変更となる場合がありますので、公式サイトなどで最新情報を必ずご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2017/09/21 訪問

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