神子田の地に朝市が立つようになったのは昭和52年のことです。昭和43年、盛岡市中央卸売市場の開設に伴い、それまであった生産農家の直売所が立ち退きを迫られてしまいました。そこで有志による「盛岡地区生産者立売組合」が結成され、組合によって新天地での朝市が始まったのですが、あまりの人気に広い駐車場や売り場の確保が必要となったため、検討の結果、神子田へのさらなる引っ越しが決まったのです。
朝市には、新鮮な野菜や果物、山菜、鮮魚、海産物、漬物、郷土菓子、花や雑貨などが並びます。地方発送ができるお店もありますので、旅の途中には助かりますね。野菜のおいしい調理法を教わったり、旬のおすすめを教わったりと、店主さんたちとのやり取りも楽しみましょう。
写真:織笠 なゆき
地図を見る「神子田朝市」を語るうえで欠かせないのが、おいしい“朝市メシ”の存在です。こちらは、岩手の郷土料理「ひっつみ」。市場内の「木偶の坊」というお店でいただけます。店名よりも「噂のひっつみ」という看板のほうが大きいので、そちらを目印に。旅先で不足しがちな野菜がたっぷりと入っているのがうれしい、だしの香りが食欲をそそる一椀です。
写真:織笠 なゆき
地図を見る普通のひっつみは、小麦粉を練って薄くのばしたものをちぎって(ひっつまんで)鍋に投げ入れ、他の具材と一緒に煮込むものですが、ひっつまむ時間を惜しむのが朝市流。「木偶の坊」では、四角く成形してきたひっつみを、温めながらざるで手早くカットしていきます。簡単にざくざく切っているように見えますが、できあがったひっつみはやわらかくてもっちもち!ぜひその技と食感をご体験ください。
写真:織笠 なゆき
地図を見る「朝からラーメン?」と心配になる方もいらっしゃるかもしれませんが、「神子田朝市食堂」のラーメンならきっと大丈夫!12種類もの野菜を煮込んで作った透明なスープが、胃にやさしくしみわたります。
このラーメンは、90歳を過ぎてからもお店に立ち心を込めた料理を提供していた先代「ミヨさん」の味を引き継いでいて、「みよちゃんラーメン」とも呼ばれ、愛され続けています。
写真:織笠 なゆき
地図を見るメニューにはそばやうどん、ご飯ものも。「天ぷらそば一つ」と注文を受けると、ご店主は「ちょっと待ってね、まだあるかな…。」とお店の外へ。なんとその場で朝市の総菜やさんから天ぷらを仕入れてきます。朝市の温かなつながりを感じる一コマです。
朝市を支えてきた朝ラーメン(略して“朝ラー”)、他のお店の店主さんが食べに来たり出前を届けたりする“朝市メシ”ならではの雰囲気を味わいながら、いただいてみませんか。
写真:織笠 なゆき
地図を見る朝市の買い物に疲れたら、こだわりのコーヒー専門店「マドカコーヒー」でひと休み。「神子田朝市」にはこれまでご紹介したほかにも、八百屋さんでいただく手打ちそば、お餅屋さんの大福やあずき餅、お総菜やさんのシュークリームや厚焼き玉子…、美味しいものが目白押しです!
持ち帰れる商品はおやつや昼食用に持ち帰って、その場でしか食べられない商品を優先して食べてきたほうがいいかもしれませんね。朝市を一周して、おなかとじっくりご相談ください。
「神子田朝市」は、新鮮な食材やおいしい食事が手に入るだけではなく、“作り手の顔が見える”という点からも貴重な場所。店主の皆さんのお人柄、そして商品に対する実直な姿勢が、長年愛され続ける理由の一つです。
挨拶を交わして直接受け取った食べ物は、いつもよりおいしく感じられるのではないでしょうか。盛岡旅行に出かけたら、早起きして「神子田朝市」を訪ねてみませんか。
<基本情報>
住所:岩手県盛岡市神子田町20-3
電話番号:019-652-1721
アクセス:JR盛岡駅から車で約15分
営業時間:午前5:00〜8:30
定休日:毎週月曜日(5月〜12月の祝日の月曜日は営業)
※平成29年9月現在の情報となります。変更となる場合がありますので、公式サイトなどで最新情報を必ずご確認ください。
この記事の関連MEMO
- PR -
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/3/29更新)
- 広告 -