写真:car min
地図を見る「ヒンバ族」はアフリカの中では、ブッシュマンに次ぐ伝統的な暮らしをする種族であり、本来彼らは、ナミビアの北西部、アンゴラとの国境地帯に住んでいます。しかし、それより南部で、都市に近い北西部の町、Kamanjap(カマンヤップ)とOutjo(オウチョ)の間に、「ヒンバ族」の孤児を保護するためにできた村「Otjikandero Himba Orphan Village」はあります。
この村は、一人の白人農場主Jaco Burgerが、アンゴラから来た王族の血統の一人である、ヒンバ族の女王と会ったことから始まります。その王女は、病気のため、自分の子供を持つことが出来ませんでしたが、子供達をとても愛していたので、将来子供を持つ希望を捨てていませんでした。しかし、ヒンバ族の伝統として、結婚をしなければ子供を持つことを許されなかったので、Jacoと結婚し、孤児の子供達を救うことを始めました。
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地図を見るその後、「Otjikandero Himba Orphan Village」に孤児の村を作り、子供達は、北のKaokoland(カオコランド)より移り住むことになりました。そして、孤児とともに、孤児を世話する叔母さんや親戚も同時に移り住んだので、現在ではこの村には90名程の人々が共同生活をしています。
村を訪れると、ガイドが村の成り立ち、暮らす人々の習慣等を説明しながら案内してくれます。都市でも、観光地で見ることがある「ヒンバ族」の人々ですが、実際の生活の場を見ることができるのは貴重な体験です。
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地図を見る「ヒンバ族」の女性は、動物の角、木の実や木の蔓で作ったアクセサリーを身に着けています。ネックレス、ブレスレットを重ねてつけるのがおしゃれの秘訣。腰にはカラフルな布や、山羊皮に装飾品を付けた物を、スカートのように巻いています。豪華な装飾をまとえるのは既婚女性だけで、未婚女性は、いたってシンプルな装飾しかつけることができません。
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地図を見る既婚の「ヒンバ族」の女性は、足首からふくらはぎ半ばまで、鉄で作った装飾品を身に着けています。この装飾品にはつなぎ目が無く、もしサイズが合わなくなったら、切ってアジャスターを取り付けます。縦に入っているラインで、子供を産んだかどうかという見分けにも使われています。1本ラインなら1人の子供を。2本ラインなら、2人以上の子供を産んだという目印になっています。とても若く見える女性でも、実は子だくさん!ということもあるんです。
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地図を見るどの国でも、女性は美しくありたいと髪形を工夫するように、「ヒンバ族」の女性も例外ではありません。肌の色と同じ色をした、艶のある赤土色の髪は、3日間かけて作られます。元々の地毛が短いので、そこにエクステンションで髪を編み込みます。髪形が出来上がったら、赤い石と粘土質の土と牛糞を混ぜたもので髪を固めます。
先に付いている、ふさふさの毛の束は、以前は牛の尾の毛を使っていましたが、現在はお店で売っている人口毛に変わっています。そして仕上げは、頭のてっぺんに鞣した羊の皮を付けて完成です。この髪形作りは3か月に1回のペースで行われ、そして、この髪形は、既婚女性しかできないというのも特徴です。
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地図を見る「ヒンバ族」は男女とも15歳から結婚が可能です。結婚前の少女の髪形は、既婚女性に比べてとてもシンプルで、2組に編んだ髪をひとまとめにしているだけです。まとめた髪が顔の前方へ垂れてくると、結婚の準備ができているサインにもなります。
結婚をするには、男性が、少なくとも5頭以上の牛を持っていることが条件になります。また、牛を10頭以上持っているお金持ちの男性は、妻を2人以上持つことも可能です。
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地図を見る「ヒンバ族」の男性は、Tシャツとジーンズなど、通りを歩いている人を見ても、他の部族との見分けがつかない程、現代的な格好をしています。しかし、「ヒンバ族」女性の最大の特徴は、その赤土色の肌を誇るように、身には、少しの布や皮細工をまとっているだけです。
この赤土色の肌は、赤い石と粘土質の土、そして動物の脂を混ぜたものが伝統的でしたが、最近は、脂の代わりにワセリンが使用されています。
肌の露出が多いので、この赤い土を身体に塗り、日焼け、乾燥の予防、虫除けにしています。そして、「ヒンバ族」の女性は、生涯お風呂や水で身体を洗うことはないので、香りの良い草木、炭を火にかけ、その煙をデリケートゾーンにあて、匂いや虫除け対策にも用いています。
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地図を見るほとんどの「ヒンバ族」の男性は、牛や羊の放牧で通常は村に居ず、村を切り盛りするのは女性の役目です。この「Otjikandero Himba Orphan Village」では、ガイドが「ヒンバ族」の暮らし方や女性の習慣などを説明しながら、村内を案内してくれます。その案内が一通り終わったところで、市場のように、女性達のお土産販売が始まります。
彼女たちが作った装飾品などのお土産は、彼らが外界で買物をするために必要です。ただ、他の土産物店と比べると、高い値段がついている物もあるので、彼女たちの販売攻勢に負けず、じっくり見て選ぶことをお勧めします。
「ヒンバ族」の多く住むナミビア北部のカオコランドは、距離も遠く訪問するのが少し大変ですが、「Otjikandero Himba Orphan Village」はKamanjapから20分、Outjoから1時間程の距離にあり、サファリを目指してエトシャ国立公園に行く人にも訪れやすい場所にあります。
見学料は、200から250ナミビアドル(2000円〜2500円)かかりますが、この料金は、子供を医者に診せる費用や教育にもあてられ、「ヒンバ族」の生活を助けることになっています。写真も遠慮なく撮っていいと言ってくれるので、「世界一美しい裸の民族」といわれる「ヒンバ族」の写真を撮ったり、彼らの文化に触れられる訪問を、是非、計画してみてくださいね。
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(2024/4/25更新)
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