写真:浅井 みら野
地図を見る趣きある建物と並木道に囲まれたエリアに「ヴァグナー」があります。建物を通り抜けた先にレストランがあるので、最初は知らない間に通り過ぎてしまうことも。その時は、並木道にご注目ください。晴れて木漏れ日が気持ち良い日は、並木道のオープンテラス席で楽しそうにビールやアプフェルワイン(リンゴ酒)を飲んでいる方々が目印です。
写真:浅井 みら野
地図を見る一歩店内に入れば、木製の家具で囲まれた落ち着きある空間が印象的。バーカウンターでは顔見知りのお客さんがお酒をちょびちょび飲みつつ、従業員さんと世間話を楽しむ様子も。テーブル席もあり、観光客のグループがガイドブックを開きながら注文したり、地元のカップル達がゆっくり食事をしたりなど、それぞれの時間を過ごしています。
もう少し奥に進むと、落ち着いた大人の空間から一転、太陽の光が注がれる中庭のようなお部屋に辿り着きます。長椅子が置かれ、大人数での食事はこちらがおすすめです。
写真:浅井 みら野
地図を見るアドルフ・ヴァグナー(Adolf Wagner)氏がお店をオープンした頃、このエリアはリンゴ農家が多かったと聞きます。そのためリンゴを発酵させたお酒、アプフェルワイン(Apfelwein)がそのまま名産に。ヴァグナーでも頂けますが、その前に美味しいアプフェルワインには欠かせない3つのアイテム“マジカル トライアングル(Das Magisches Dreieck)”と呼ばれるものをご存知でしょうか。
1つめは、“バンベル(Bambel)”と呼ばれるアプフェルワインの入れものです。水ガメのような形で、青色で模様が描かれているのが特徴的。大きさもさまざまで、お土産として購入される方も。ヴァグナーから徒歩15分の場所に、バンベル専門店もあります(末尾の関連MEMO参照)。
写真:浅井 みら野
地図を見る2つめは、アプフェルワインを注ぐグラス“ゲリプトェ(Gerippte)”です。普通のグラスに見えますが、ひし形模様がカットされています。フランクフルトでアプフェルワインを飲む時は、このグラスが定番。酔いが回っても落としにくくするためという由来もあり、お酒好きには心強いグラスです(諸説あり)。
写真:浅井 みら野
地図を見る最後の3つめは、“デッケルヒェン(Deckelchen)”といい、蓋(ふた)のことをいいます。オープンテラスが多いドイツでは、屋外で飲食をする際に飲み物にホコリや虫が入ってしまうことも。それを防ぐために生まれたのがデッケルヒェンです。もともとは木製ですが、今ではコースターをゲリプトェの上に置いて使う場合もあります。
写真:浅井 みら野
地図を見るバンベルで注がれたアプフェルワインをゲリプトェで飲む。ゆっくりとほろ酔い気分を楽しむためデッケルヒェンでフタをするのが、フランクフルト流アプフェルワインの伝統。ヴァグナーでは今でも、その方法でひとつひとつアプフェルワインが出されています。
写真:浅井 みら野
地図を見るフランクフルトのアプフェルワインは砂糖を加えず、りんご本来の甘さのままで発酵させるので、口当たりは優しく、後味もスッキリ。1杯2ユーロ(約260円/2017年9月時点)という安さも魅力です。
アルコールが苦手な方には、アルコールフリーのアプフェルワインもあります。その他にもスパークリングワインでアプフェルワインを割ったものや、リンゴのシュナプス(蒸留酒)、それにリンゴジュースなどもあります。
写真:浅井 みら野
地図を見るフランクフルトの伝統料理も忘れてはいけません。なかでも有名なのが“フランクフルター グリューナー ゾーセ(Frankfurter Gruner Sosse)”。フランクフルトの緑ソースという意味で、名前通り7種類のハーブでつくられたソースがメインの一品。ゆで卵やジャガイモと一緒に頂く、さっぱりした味わいです。
もう少しガッツリ食べたい方には、シュニッツェル(Schnitzel)がおすすめ。ドイツ版とんかつで、薄く叩いたお肉にサクサクの衣がたまりません。タマネギのつけ合わせや、ハムとチーズを挟んで揚げたもの、マッシュルームソースをかけたものなど、メニューも豊富です。
ヴァグナーさん一家が大切にしてきたフランクフルトの郷土料理は今も健在で、多くの地元の人たちや観光客で賑わっています。吹き抜ける風が気持ち良い並木道沿い、シックな雰囲気が感じられるバー、大勢でわいわいできる中庭エリア・・・皆さんはどこで食事を楽しみたいですか。
アプフェルワインの歴史は古く、色々な呼び方があります。特に“エッベルヴォイ(Ebbelwoi)”はドイツ人だけが知っている名前。ぜひヴァグナーに訪れた際は、その名前で注文して従業員さんを驚かせてみてくださいね。
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(2024/4/19更新)
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