復活した老舗旅館 和歌山・湯の峰温泉「伊せや」

復活した老舗旅館 和歌山・湯の峰温泉「伊せや」

更新日:2017/09/25 13:15

温泉ソムリエぐっちのプロフィール写真 温泉ソムリエぐっち 源泉かけ流し温泉伝道師、温泉ライター
湯の峰温泉は開湯1800年、日本最古の温泉のひとつと言われています。温泉街の中心に位置する「伊せや」は江戸時代に創業した約250年の歴史ある老舗温泉旅館。紀伊半島大水害があった2011年に一度廃業しましたが、新たに現オーナーが2015年12月末に営業を再開されました。
再開後はさらに温泉に拘り、そして気軽に泊まれるリーズナブルなお宿になりました。また、立ち寄り湯の利用も可能です。

温泉街の中心に佇む「伊せや」

温泉街の中心に佇む「伊せや」

写真:温泉ソムリエぐっち

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「伊せや」は湯の峰温泉の中心地である東光寺や公衆浴場の目の前に位置しています。湯の峰温泉の中では代表的な木造建築の建物になります。

温泉街の中心に佇む「伊せや」

写真:温泉ソムリエぐっち

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随所をリニューアルされ、特にエントランスやロビーは広く、快適な空間になりました。また、ロビーでは、喫茶としての利用も可能です。

情緒感じる男性用浴室

情緒感じる男性用浴室

写真:温泉ソムリエぐっち

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「伊せや」では「温水湯」と言われる源泉を引き、この源泉は「伊せや」だけで利用されています。もちろん源泉かけ流しで、80℃以上ある源泉に水を加えることなく、空気に触れさせることなく、熱交換器を通して適温にし、提供されています。

「含硫黄−ナトリウム−炭酸水素塩・塩化物泉」の湯はやわらかく、驚く程のツルツル感を感じられます。重曹成分(炭酸水素ナトリウム)により角質を程よく取り除き、さらにメラニン色素を分解する働きがある硫黄成分を含んでいるため、とても美肌効果が期待できます。湯の色は日によって透明だったり白濁したりするので、一期一会の湯の色を楽しめます。

男性用浴室は内湯のみとなり露天風呂はありませんが、女性用浴室より広く、ゆったりと湯浴みを楽しめます。また、浴槽の縁や洗い場の床は温泉成分により変色し、温泉の特徴が表れています。

女性用浴室も情緒たっぷり

女性用浴室も情緒たっぷり

写真:温泉ソムリエぐっち

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「伊せや」の女性用浴室には内湯と露天風呂があります。内湯は男性用に比べるとやや小ぶりですが、8人程度はゆっくり入れる広さがあります。また、男性用浴室と同様に浴槽の縁や洗い場の床は温泉成分が付着し変色しています。

女性用浴室も情緒たっぷり

写真:温泉ソムリエぐっち

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女性用浴室の特筆すべきは湯の花の大きさです。内湯の底を眺めると白い布状のものがいくつも見られます。手ですくってみるとご覧のような大きな湯の花です。ここまで大きな湯の花は全国の数ある温泉でもお目にかかれません。

また、湯の花と知らなければゴミだと勘違いしてしまいそうです。温泉(源泉)自体、男性用浴室と同じなのですが、男性用浴室ではこのような湯の花はお目にかかれません。配湯の距離や方法により、女性用浴室ではこのような大きな湯の花と出会えるとのこと。

女性用浴室も情緒たっぷり

写真:温泉ソムリエぐっち

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女性用の浴室の露天風呂は、屋根が掛かり、目隠しの壁の高さもあるため、開放感はあまりありませんが、それでも外気の中での湯浴みを楽しめるのは嬉しいですね。

「伊せや」では、泊まらずに立ち寄り湯で温泉だけの利用も可能です。立ち寄り湯は宿の営業時間中となっていますが、宿泊者の混雑時は立ち寄り湯は受け付けていない場合もあるため、宿泊して楽しむのがおすすめ。立ち寄りで利用する際は、事前に電話で問い合わせされるのが賢明です。

客室は3タイプ

客室は3タイプ

写真:温泉ソムリエぐっち

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「伊せや」には3タイプのお部屋があります。写真は新館特別室で、二間続きのお部屋になります。その他に旧館Aタイプ、旧館Bタイプがあります。

また宿泊料金は非常にわかりやすく、365日同一料金。素泊まりの宿泊代に入湯税となります。そして、夕食と朝食は別途追加料金にて選べるので、旅のスタイルに合わせられます。

また、7日間以上宿泊の湯治利用の場合、宿泊代がお値引きになります。

世界遺産の「つぼ湯」や「熊野本宮大社」もお忘れずに

湯の峰温泉には、世界遺産になっている「つぼ湯」という30分貸切制の小さな浴場があります。浴槽の底から直に温泉が湧き出す全国でも珍しい温泉です。事前予約はできません。また週末は混み合う可能性が高いため、どうしても入りたい方は時間に余裕を持ってお出かけ下さい。

また、湯の峰温泉から車で10分程のところに「熊野本宮大社」があります。サッカー日本代表のユニホームの胸のエンブレムに採用されているヤタガラスを祀っている神社としても有名です。ぜひ、昔の方が熊野本宮へお参りされていた時と同じように、湯の峰温泉で体を清めてから「熊野本宮大社」へ参りましょう。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/09/02 訪問

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