関西一美しい高原と富士山型展望峰(奈良・曽爾高原周辺)

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関西一美しい高原と富士山型展望峰(奈良・曽爾高原周辺)

関西一美しい高原と富士山型展望峰(奈良・曽爾高原周辺)

更新日:2017/09/05 13:04

春野 公比呂のプロフィール写真 春野 公比呂 学芸員資格

「関西一美しい高原」とは奈良県曾爾(そに)村の曽爾高原のことで、火口湖跡である湿原「お亀池」を抱くように緑のビロードたる草原が広がっています。高原東には南北に室生火山群の山々が連なっていますが、「二本ボソ」という山は富士山型の絶壁のパノラマ。今回、三重県側から登り、滝を擁す渓谷や火山群の主峰・倶留尊山等、千メートル級峰を縦走して曽爾高原へ下る変化に富んだハイキングコースをご紹介します。

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登頂欲をそそる見事な富士山形の山

登頂欲をそそる見事な富士山形の山

写真:春野 公比呂

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まず、近鉄電車名張駅から奥津行きのバスに乗車し、三重県津市の「飯垣内(はがいと)」バス停で降車します。因みに山を縦走することなく、お亀池上の亀山峠を越えて曽爾高原に至る気軽なコースがよく利用されています。そのコースを辿る場合は飯垣内バス停より数キロ南の「中太郎生」バス停、或いはそこより南方の「上太郎生」バス停で降車することになります。

車道を日神(ひかわ)石仏群まで歩くと、そこからは道幅が狭まります。そこを過ぎると日神渓谷となり、沢は所々激流となりますが、そのうち渓谷一の景勝地「大滝」(落差10m)が現れます。瀑布は一旦、中ほどの岩に落下した後、向きを変えて二条となって滝壺に落ちているため、落差はもっとあるように感じられます。尚、現在は渓谷の整備が進み、大滝以外にもいくつもの滝の看板が設置されています。

登頂欲をそそる見事な富士山形の山

写真:春野 公比呂

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亀ヶ谷上流で上骨林道に合流後、西浦谷沿いを遡って行き、支尾根の鞍部・西浦峠に立ちます。ここから奈良・三重県境の山系の稜線を目指しますが、前方には鍋を伏せたような山容の倶留尊山(くろそやま)が望まれます。当コースの山の特徴として、北側と南側から見る山容が全く異なる点が挙げられます。

山系の主峰・倶留尊山(1037.6m)は、遠近の山並みから三重県側の倶留尊高原も望見できます。すぐ南には見事な富士山形をした二本ボソ(996m)が横たわっていますが、この山も南のお亀池周辺から仰ぐと全く違った山容をしています。

倶留尊高原とは、倶留尊山から南方の亀山にかけての稜線を挟んだ奈良県曽爾村側と三重県津市側に広がる高原のことで、曽爾村側を「曽爾高原」と言います。

尚、倶留尊山から二本ボソ方向へ向かうには、入山料500円が必要です。管理人不在時は料金箱に入れることになるので、硬貨を用意しておきましょう。

登頂欲をそそる見事な富士山形の山

写真:春野 公比呂

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二本ボソ山頂には展望台が設置されていることが肉眼でも分かりますが、これだけ登頂欲をそそる山はそうそうあるものではありません。

日本最長の自然歩道が通る高原

日本最長の自然歩道が通る高原

写真:春野 公比呂

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二本ボソ山頂は絶壁でパノラマを誇ります。「伊賀富士」こと尼ヶ岳を始め、大洞山、局ヶ岳、学能堂山等の千メートル級峰の展望から、日本最長の自然歩道「東海自然歩道」が通る倶留尊高原の津市側の高原「池ノ平高原」(写真)も見渡せます。

日本最長の自然歩道が通る高原

写真:春野 公比呂

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二本ボソの手前や山頂から見る倶留尊山の山容は、稜線に出る手前から見た逆さ鍋型山容とは全く異なり、山頂部が歪(いびつ)に見えます。

日本最長の自然歩道が通る高原

写真:春野 公比呂

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二本ボソ山上端の絶壁に立てば、インスタ映えする記念写真が撮れるかも知れません。

まさに関西及び近畿一のジブリ的高原

まさに関西及び近畿一のジブリ的高原

写真:春野 公比呂

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二本ボソ山頂からごく僅かしか見えなかった曽爾高原の「緑のビロード」は、亀山峠(810m)に向けて下るに連れ、その全容を現わします。写真右下に写るのが湿原化したお亀池。左端が東海自然歩道が越える亀山峠で、ビロードの最高所が亀山(843m)。この景色の美しさから「ジブリの世界観を表す高原」と評する者も少なくありません。

まさに関西及び近畿一のジブリ的高原

写真:春野 公比呂

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お亀池の水は地下水となって麓の太良路集落の井戸へ続いていると言われていますが、昔、集落の太郎次という男がお亀という嫁を貰いました。二人は子供も授かりましたが、乳離れした頃からお亀は夜、どこかへ出向き、朝方帰宅する、ということが多くなりました。それを怪しんだ太郎次が後をつけていくと、お亀はお亀池付近で姿が見えなくなりました。そこで太郎次がお亀を大声で呼ぶと、池の中から大蛇が出現した、ということです。因みに太良路は「太郎次」が転化したものです。

まさに関西及び近畿一のジブリ的高原

写真:春野 公比呂

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お亀池の北西には「国立曽爾少年自然の家」がありますが、その背後に立ち上がる山が先程の二本ボソなのです。ここから見る山容では、この山が富士山型とは思えません。緑のビロードの切れ目は防火帯の境です。

メルヘンチックな亀山とお亀池

メルヘンチックな亀山とお亀池

写真:春野 公比呂

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お亀池周辺の俯瞰景色は亀山周辺からも望めますが、目を南に転じるとピラミダルな後古光山から古光山も指呼の距離に見えています。

メルヘンチックな亀山とお亀池

写真:春野 公比呂

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マイカーで曽爾高原を訪れた観光客も、お亀池から亀山を見上げると登りたくなることでしょう。

メルヘンチックな亀山とお亀池

写真:春野 公比呂

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周囲800mの火口湖跡であるお亀池は長年の土砂の堆積で湿原となり、ヨシを中心にサワヒヨドリやウメバチソウ等約50種の植物が自生しています。

「曽爾高原」バス停には奈良交通バスと三重交通バスが乗り入れていますが、どちらも一日二便ほどしかないため、東海自然歩道を西に40分ほど下り、「太良路」バス停から三重交通バスに乗車し、名張駅へ戻るといいでしょう。

関西随一の高原は高原随一のコースで楽しもう

曽爾高原は4〜9月、緑のビロードに覆われ、秋はススキの絨毯となります。この高原はススキの名所でもあるのです。しかしやはりお勧めは緑の時期。その光景はまるで絵本に出てくるような草原で、思わず童心に返って走り回りたくなります。

曽爾高原自体は近畿では有名ですが、二本ボソや倶留尊山からの眺望を体験しないともったいないもの。記事で紹介したコースを逆に辿り、曽爾高原までバスで行くと、そこから亀山峠までは徒歩25分ほど。峠から二本ボソまでと二本ボソから倶留尊山までも同様のコースタイムです。記事のコース(飯垣内バス停から太良路バス停まで)のタイムはトータルで4時間少々です。

渓谷や滝群、好展望峰等を巡って曽爾高原へと下る本コースは、曽爾高原に通じるハイキングコースの中では最も変化があり、景色の優れたコースと言えるでしょう。

掲載内容は執筆時点のものです。 1993/08/28 訪問

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