写真：伊都 をかし
地図を見る鳥海山は、雪をいただいたときの、その美しい姿から「出羽富士」とも呼ばれている東北の霊峰。「鶴間池」は、その鳥海山の南麓にある小さな池です。
山形県のＪＲ酒田駅から車で、だいたい１時間くらい。鳥海高原ラインを鳥海山の湯の台口（滝の小屋）に向かって走っていると、道路脇に「鶴間池」の道標が現れます。小さな道標ですので、見逃さないようにしてくださいね。そこが「のぞき」と呼ばれているポイントです。たいてい沿道に車が何台か止まっていて、カメラや三脚をかかえた人たちがいます。駐車場はないので、よく気をつけて、あなたも路肩に縦列駐車しましょう。
目の前は、緑、緑、緑一色。まるで緑の海原のような森が広がっています。そして真下に、大海原のような森の木々に囲まれて、ひっそりとたたずむ鶴間池が見えますよ。
写真：伊都 をかし
地図を見る鶴間池には、「黒百合姫伝説」という悲しい恋の物語が残されています。
“親の敵を討つために、恋人と別れて、鶴間池の辺で武術の鍛錬をしていた美しい姫が、恋人との子を産む前に、鳥海山大権現に「出産後、望みが叶うなら池の辺の百合の花を墨色に、そうでないならもとの色に」と祈願したところ、墨色の百合の花が咲きました。姫は我が子と共に出陣しましたが、親の敵がなんと別れた恋人だったのです。姫は、別れた恋人に我が子を託して山にこもり、「黒百合尼前」として一生を終えたそうです。”
黒い百合には、確かに、こんな悲しい恋の物語が似合うような雰囲気がありますね。
写真：伊都 をかし
地図を見る「鶴間池」は上から見下ろすだけじゃなくて、池のすぐ近くまで下りていくことができるんですよ。入り口の道標には「４０分」とありますが、標高差約２００メートルのかなり急な坂道をたどる４０分ですから、絶対にサンダルやハイヒールなんかで行かないでください。スニーカー、マストです。途中にロープ場やハシゴなんかもあるので、軍手も用意しておくとさらにバッチリですよ。
写真：伊都 をかし
地図を見る歩き始めはなだらかな山道で、森の中を散歩しているようです。木々の間から鶴間池が垣間見えたりして、ワクワク気分が盛り上がります。
写真：伊都 をかし
地図を見るだんだん坂道が急になってきたころ、「カンスケ坂」の案内板が現れます。これ以降は、「これって坂っていうより崖でしょ！」と言いたくなるような急な斜面が続きます。
写真：伊都 をかし
地図を見る急な坂道にはロープが設置されています。ロープには適度な間隔で結び目が作ってあって、握りやすくなっています。
写真：伊都 をかし
地図を見るハシゴが設置されている場所もあります。ハシゴの方を向いて、しっかりと両手でハシゴをつかんで、足元を確かめながら慎重に降りましょうね。
写真：伊都 をかし
地図を見るハシゴの場所を下から見ると、こんな感じです。ハシゴがなかったら、どこが道だかわかりませんね。
写真：伊都 をかし
地図を見るロープ場やハシゴがなくなって、だんだん斜面がなだらかになってきます。そして、この橋を渡ると、ついに鶴間池です！
写真：伊都 をかし
地図を見る突然、目の前が開けて、鳥海山が目に入ります。鶴間池の水面は、周りの木々や山々を静かに映しています。まさに、水鏡ですね。
池を取り囲んでいる山の稜線をなぞっていくと、「のぞき」からこちらを眺めている人影が見えます。あなたの車も見えるかもしれませんね。あの高さからここまで下りてきたんだと思うと、感慨無量になりますよ。
樹海の中にひっそりとたたずむ「鶴間池」は、ぜひとも「上から」と「間近」からの両方を楽しんでいただきたいです。４０分の急斜面の上り下りで、次の日に筋肉痛になっちゃうかもしれませんが、その価値は絶対ありますから！
これからの紅葉の季節は、特にお勧めです。緑の海原が真っ赤な海原に変身しますよ。見逃さないで！
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(2024/4/18更新)
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