見ずに死ねるか!地球数億年の悠久に架かる奇跡の橋〜米アーチーズ国立公園

見ずに死ねるか!地球数億年の悠久に架かる奇跡の橋〜米アーチーズ国立公園

更新日:2018/08/07 12:02

ジュマペル ヤマモトのプロフィール写真 ジュマペル ヤマモト
アメリカ ユタ州のアーチーズ国立公園には、足かけ数億年の地殻変動や侵食作用によってできた、アーチ状の岩が2000以上もあります。日本にはあり得ない大陸級の地形の中には、人々を惹きつけてやまない芸術的な造形を誇るアーチも。しかし、侵食は今も続いており、いつまでその姿を保てるのかは誰にもわかりません。
やがて崩れ落ちゆく運命にある地球の奇跡をその目に焼き付けに。アーチーズ国立公園へご案内します。

アーチーズ国立公園へ

アーチーズ国立公園へ

写真:ジュマペル ヤマモト

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アーチーズ国立公園は、アメリカ西部のユタ州にあります。アクセスは決して便利ではなく、最寄りの町モアブまでは、周辺主要都市であるソルトレイクシティ・デンバー・ラスベガスなどから車で4〜6時間かかります。各空港でレンタカーを借りていくのが一般的です。園内には、一部4WD車限定のオフロードもあるので、ワイルドにわけ入りたい方は、4WDを借りましょう。

公園の入口は、国道191号線沿いにあります。園内の道路は、基本的に舗装された1本道で、赤茶けた大地の中をゆるやかにカーブしながら25kmほど続く快適なドライブルートです。

アーチーズ国立公園へ

写真:ジュマペル ヤマモト

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パークアベニューとバランスロック

パークアベニューとバランスロック

写真:ジュマペル ヤマモト

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最初に私たちを迎えてくれるのは、「パークアベニュー」。ついたてのように真四角で平らな数々の巨大な岩がビルのように立ち並んでいて、まるでニューヨークの目抜き通りのようです。まだ「アーチ」に出会う前ですが、これだけでもさすがアメリカ!というダイナミックな風景です。

パークアベニューとバランスロック

写真:ジュマペル ヤマモト

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パークアベニューから10kmほど進むと、右側に「バランスロック」が見えてきます。写真で見る以上に巨大な岩は、なんと乗用車2500台分!の重さ。是非ぐるっと一周短いトレイルを歩いてみてください。その名の通り信じられない絶妙なバランスを保って台座の上に乗っかっているので、どっちの方向から見ていても「おいおい、こっちに落っこちてくるんじゃないか…?」とヒヤヒヤです。

ダブルアーチ

バランスロックの三叉路を右に逸れて約4km、「ダブルアーチ」の駐車場に到着します。数百メートル先にV字型にかかる2本のアーチが、太く、力強いその姿を現わします。
私が大好きなアーチです。

ダブルアーチ

写真:ジュマペル ヤマモト

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真下まで進むと、ますますその巨大さを実感することになります。まるで岩が覆いかぶさってくるような恐怖感と、しかし相反して、その骨太なアーチゆえ奇妙な安心感にも包まれることでしょう。

ダブルアーチ

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ランドスケープアーチ

ランドスケープアーチ

写真:ジュマペル ヤマモト

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本線に戻り、道なりに行き止まりまで進むとデビルスガーデンという一帯に到着します。ここの見所は、世界最長のアーチ「ランドスケープアーチ」です。長さは約90mに及ぶ一方で、巾は最も狭い箇所で1.8mしかないという、ダブルアーチとは真逆の繊細なアーチです。実際にこの目で見ると、今そこに存在していることが信じられないはかなさです。事実、少しづつ崩落が進んでいて、いつその奇跡の姿がこの地球から消滅してもおかしくありません。

デリケートアーチ

アーチーズ国立公園の名を世界にとどろかせている真打ちは、「デリケートアーチ」で間違いないでしょう。しかし、これまでご紹介したアーチが、それぞれの駐車場からあまり歩かずに見ることができたのに対して、デリケートアーチに出会うのは簡単ではありません。
駐車場から約1時間の少しタフなトレイルを克服しなければなりません。前半は、馬の背のように緩やかな岩肌を登って行きます。ラストスパートでは、断崖も通りますので十分に注意しましょう。

やっとの思いで登り切ると、まるで円形劇場のようなすり鉢状の地形のその奥に、デリケートアーチだけが姿勢よく立っています。日本から飛行機を乗り継ぎ、1時間のトレイルを歩いてきた苦労が報われる瞬間です。公園当局が、ここまで車道を通していないことに感謝すらしてしまうほどです。

デリケートアーチ

写真:ジュマペル ヤマモト

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やっと出会えたデリケートアーチは、この目で見ても、自然にできたとは信じられない完成度で、しばらく見惚れてしまうことでしょう。高さは14m、アーチの下でブリッジをしている人と比較してもその大きさがわかります。

デリケートアーチ

写真:ジュマペル ヤマモト

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ユタ州は、他にも数々の素晴らしい観光資源に恵まれていますが、車のナンバープレートにデザインされていることからも、やはりデリケートアーチがエースであることに間違いありません。

デリケートアーチ

写真:ジュマペル ヤマモト

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まとめ

デリケートアーチは夕日に染まる姿が有名です。昼間の容赦ない太陽の光もなりをひそめ、トレッキング後の心地よい疲労感を感じながらが、刻々と色を変えていく空とアーチをただ眺めてみてください。この奇岩が作り出されるまでの気が遠くなるほどの時間と地球の変動、そのスケールを感じることができると思います。
ただし日没後は真っ暗になり危険です。インフォメーションセンターで情報を入手し、日没時刻や所要時間を考慮してお楽しみください。
なお園内は、日陰のない乾燥地帯で、特に夏は軽く40℃を越えます。公園当局は、一人4Lの水を持参するよう指導しています。また、食事ができる店はありませんので持参してください。

掲載内容は執筆時点のものです。

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