「田川市石炭・歴史博物館」の鉄道最寄り駅は、福岡市博多駅、北九州市小倉駅から1時間強のJR日田彦山線「田川伊田駅」です。レトロな駅舎が出迎えます。「田川伊田駅」からは西鉄バスで「石炭記念公園口」下車。徒歩5分の位置にあります。「田川伊田駅」からは車で5〜6分の距離です。
「田川市石炭・歴史博物館」は、筑豊最大規模の三井田川鉱業所伊田竪坑の跡地が「石炭記念公園」として整備され、その一画に建てられました。広くてゆったりとした敷地に緑の樹々がたくさん植えられている「石炭記念公園」には、「炭鉱夫像」や「炭坑節」の石碑などが建てられています。
田川市は、「月が出た出た〜」の歌詞で始まる「炭坑節」発祥の地です。「石炭記念公園」内には歌詞を記した石碑が建てられています。また、広場内には「炭坑節」の哀愁のある歌声が流れています。
また、毎年11月に開催される「コールマインフェスティバル〜炭坑節まつり〜」では、石炭記念公園で総踊りが行われ、多くの人で賑わいます。
「石炭記念公園」内には、かつて炭鉱で賑わった田川市のシンボルともなっている「二本煙突」(伊田竪坑第一・第二煙突)が当時の姿のまま建っています。「炭坑節」で、「あんまり煙突が高いので、さぞやお月さん煙たかろ」と歌われた、あの煙突です。高くそびえる赤い日本の煙突は今でも高さに圧倒されます。あまり高い建物がない当時ではもっとインパクトがあったと想像できますね。
「二本煙突」とともに田川のシンボルとなっているのが、国登録有形文化財に登録されている「伊田竪坑櫓(たてこうやぐら)」です。「石炭記念公園」は三井田川鉱業所伊田竪坑の跡地に整備された公園ですが、この「竪坑櫓」は築造当時から位置を変えずに歴史遺産として残されています。
「田川市石炭・歴史博物館」は、1983年に石炭を主テーマとするユニークな「田川市石炭資料館」として開館し、資料の収集・展示・保管、教育普及、調査研究などを行ってきました。その後、2005年に「田川市石炭・歴史博物館」となりました。約1万5千点の石炭関連資料を所蔵し、日本で初めてユネスコ世界記憶遺産に登録された「山本作兵衛コレクション」697点のうち、627点を所蔵しています。
館内は第一展示室から第三展示室まであります。第一展示室では、炭坑で実際に使用していた機械や道具類などが展示されています。
2階の第二展示室では、「山本作兵衛」が炭坑労働者としての自らの経験をもとに、筑豊のヤマ(炭坑)の仕事と生活を描いた記録画を常時展示しています。
第三展示室は、田川市の歴史にちなんで、日本最古級の馬形埴輪や甲冑形埴輪、セスドノ古墳から出土した多種多様な古墳時代の武器・武具・馬具など、全国的に著名な考古・歴史資料を収蔵・展示しています。
屋外には実際に炭坑で使用された大型機械類がたくさん展示されています。隣接する「産業ふれあい館」では昔の炭鉱住宅を再現して当時の生活を展示していますが、現在は工事のため見学できなくなっています。再開の時期は未定のため、見学希望の場合は事前に確認してください。他にも、懐かしい本物の蒸気機関車も展示されています。
1階の第一展示室では、当時の「手掘り採炭道具」「採炭機械」などが展示され、石炭の成り立ちや石炭採掘の様子、石炭産業の歴史がわかります。実際に採れた驚くほど大きな石炭も展示されています。
筑豊地方の炭鉱事業は明治時代から本格的に行われましたが、初期には女性も坑内に入り、暑さのため上半身裸で作業をしていました。その様子が人形で再現されて展示されています。衝撃的な光景ですね。
他にも、坑内の作業員がトロッコに乗って移動する様子などや、道具を使って作業する様子などが人形で再現されています。
「田川市石炭・歴史博物館」は、少し高台になっているため眺望も良く、2階の広いテラスから田川市が一望に見れます。五木寛之氏の小説「青春の門」の冒頭に出てくる「香春岳」が正面に望めます。
当館入口の近くにお土産・グッズショップがあります。昔からの田川名物「黒ダイヤ」も販売しています。真っ黒くて石炭の形をモチーフにした羊羹です。人気のお土産です。
「田川市石炭・歴史博物館」は石炭をテーマにしたユニークな博物館です。一帯は公園になっており、開放的な気持ちで楽しめます。ちょっとした遊具を置いているスペースもありますので、小さな子ども連れでも楽しめます。「山本作兵衛」が日本で初めてユネスコの世界記憶遺産に登録されて以降、当館の注目度が高くなり各地から見学者が訪れています。ぜひ一度、当時の筑豊炭坑の歴史に触れてみませんか。
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