一面真っ赤な紅葉絨毯!アラスカ・デナリ国立公園に訪れるはかなくも壮大な秋

一面真っ赤な紅葉絨毯!アラスカ・デナリ国立公園に訪れるはかなくも壮大な秋

更新日:2019/06/06 19:58

Mayumi Kawaiのプロフィール写真 Mayumi Kawai 絶景ハンター、トラベルライター、自称ミステリーハンター
北米で紅葉といえば、やはりカナダのメープル街道でしょうか?いえいえ、メープル街道よりさらに北の大地アラスカには、もしかするとそれを上回る壮大なスケールの紅葉が見られるかもしれません。

北米最高峰デナリを従えたデナリ国立公園では、たった数週間しか見ることのできない真っ赤な紅葉絨毯と冬ごもり前の野生動物が必見なのです!

偉大なる北米最高峰「デナリ」、そしてデナリ国立公園

偉大なる北米最高峰「デナリ」、そしてデナリ国立公園

提供元:Denali National Park and Preserve via flickr CC BY 2.0

https://flic.kr/p/d85ehw

標高6,190mを誇る北米最高峰デナリ(旧名マッキンリー)はアラスカ先住民アサバスカンの言葉で「偉大なるもの」を意味する聖なる山。多くの登山家を魅了し続けるこの山は、伝説の登山家・植村直己氏が死の直前に登った山としても有名です。

この山を従えたデナリ国立公園の総面積は約24,000平方kmと四国がすっぽり埋まってしまうほど。1年の大半が雪に閉ざされるこの地は多くの野生動物が生息する自然保護区域になっています。

短い秋はわずか数週間!真っ赤な絨毯に変わるデナリの紅葉

短い秋はわずか数週間!真っ赤な絨毯に変わるデナリの紅葉

写真:Mayumi Kawai

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アラスカにあるデナリ国立公園の冬は長く、1年のうち半分は雪に閉ざされていますが、5月には春、6月から8月に夏が訪れ、そして8月終盤から9月上旬のわずか2〜3週間だけ短い秋が訪れます。園内を覆うツンドラの高山植物たちが、待ってましたかのように一斉に紅葉し、一面真っ赤な絨毯へと変貌するのです。

短い秋はわずか数週間!真っ赤な絨毯に変わるデナリの紅葉

提供元:Denali National Park and Preserve via flickr CC BY 2.0

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この秋は、野生動物たちが冬ごもりに備え餌を求めて活動が活発化します。そのため、野生動物たちとの遭遇率も高まるのです。

デナリの愉快な野生動物たち

デナリの愉快な野生動物たち

提供元:Denali National Park and Preserve via flickr CC BY 2.0

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哺乳類39種、鳥類169種と多種多様な野生動物が生息するデナリ国立公園。中でも「Big5(ビッグファイブ)」と呼ばれる、グリズリーベア(ハイイログマ)、ムース(ヘラジカ)、カリブー(トナカイ)、オオカミ、ドールシープ(羊)が人気です。

もっとも人気が高いのは生態系の頂点に立つグリズリーベア。運が良いとグリズリーベアの親子に遭遇することができます。

デナリの愉快な野生動物たち

提供元:Denali National Park and Preserve via flickr CC BY 2.0

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次に人気なのがムース(ヘラジカ)。立派な角が特徴で最大2mの大きさを持ち、体長は最大で3m、体重は800kgとかなりの巨体。動きは緩慢で草食性のため、草むらや水草の生える水場を好んで現れます。

デナリの愉快な野生動物たち

写真:Mayumi Kawai

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ビッグファイブにも負けない人気を誇るのはキタキツネや北極リスなどの小動物。特に北極リスはときどき餌をおねだりに人間に近寄ってくることもあり、その愛くるしい姿に癒される人続出です。

夏季限定のシャトルバスツアー

夏季限定のシャトルバスツアー

写真:Mayumi Kawai

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園内には全長約148kmのパークロードが通っていますが、約20qの地点にあるサベージ・リバー以降は専用シャトルバスと関係車両以外の一般車両の通行を禁止しています。そのため、国立公園では夏季限定でシャトルバスツアーを用意しています。ガイド(英語)付きか否か、目的地によって料金、所要時間等が大きく分かれます。詳しくは関連MEMOのリンク先をご参照ください。

なお、バスのドライバーはガイド代わりに要所で説明してくれたり、野生動物をいち早く見つけてはバスを停車して写真撮影の時間を確保してくれるのでガイド無しでも十分楽します。

夏季限定のシャトルバスツアー

写真:Mayumi Kawai

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シャトルバスが国立公園ゲートに差し掛かるとレンジャーが乗り込み注意事項を説明します。野生動物にエサを与えないこと、カメラをバスの窓から出さないこと、野生動物を見つけても騒がないこと、100m以上離れることなど基本事項です。

それでも、実際に観光客が野生動物を目の当たりにすると目の色を変えて身を乗り出し、できるだけ近距離で撮ろうとします。そのせいで、2012年、近づき過ぎた観光客がグリズリーベアに襲われ死亡する事件が発生。決められたルールはしっかり守りましょうね。

夏季限定のシャトルバスツアー

写真:Mayumi Kawai

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園内の最終ポイント・カンティシュナまでにはいくつかのビューポイントが設置されています。中でも約106kmの地点にあるアイルソン・ビジターセンターの景色は格別で、晴れていればデナリをはじめ氷河をいただくアラスカ山脈と果てしなく続く一面紅葉の雄大な大地を望むことができます。

周辺にはちょっとしたハイキングコースが用意されているほか、センター内には野生動物の生態やアラスカ山脈に関するギャラリーも展示されています。

デナリ国立公園へのアクセス

デナリ国立公園へのアクセス

写真:Mayumi Kawai

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デナリ国立公園はアンカレッジから北に約386km、フェアバンクスからは南に約193km離れています。そのため、レンタカーを利用する場合はアンカレッジからは約6時間、フェアバンクスからは約3時間ほど見ておきましょう。

また観光客に根強い人気を誇るアラスカ鉄道は、アンカレッジからは所要約7時間半、フェアバンクスからは約3時間半です。車内は非常に快適で、2階の特等席からの眺めは最高です。

さらに、時間に余裕がない人、あるいは空からデナリを眺めたい人などは飛行機でのアクセスも可能です。

デナリ国立公園へのアクセス

写真:Mayumi Kawai

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デナリ国立公園到着後は「ウィルダネス・アクセス・センター(Wilderness Access Center)」へまず向かいましょう。すべてのバスツアーと園内宿泊施設の受付かつシャトルバスの発着所でもあります。なお、ビジターセンターとは異なりますのでご注意ください。

夏季シャトルバス運行営業は9月15日まで!訪問はお早めに!

ウィルダネス・アクセス・センター及び専用シャトルバスの運行は例年9月15日で営業終了となっています。それが過ぎると冬本番、あっという間に一面雪に覆われます。

短い束の間の秋の紅葉絨毯は一年のうちで格別!興味が湧いた方は是非お早めに訪れてみてください!もしも秋の紅葉に間に合わなかったら、アラスカの本領発揮は冬季、北極圏の壮大なオーロラに犬ぞりや温泉なども楽しめますよ。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/09/13 訪問

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