国民宿舎とは、国立公園・国定公園・都道府県立自然公園・国民保養温泉地などの、自然環境に優れた休養地に建つ公共の宿のことです。余暇を楽しみながら、健康の増進をはかるため、気軽に利用できる宿舎としてつくられました。
大雪の懐に抱かれたこの秘境の宿トムラウシ温泉は、新得町の最北部、北海道道718号忠別清水線新得町内の未成区間南端の大雪山系最奥部に位置し1965年(昭和40年)に町民保養温泉施設として作られました。
平成に入り、施設の老朽化のため、大型改装に至り現在の施設となります。
日本百名山に選ばれているトムラウシ山(標高2,141m)への登山口に位置しており、トムラウシ温泉宿までの道路は大部分が舗装されてはいますが、未舗装部分もあり、辺りでは時々ヒグマも出没するという秘境の地です。近くにお店はなく、新得町屈足にある一番近いコンビニは、52kmも離れています。新得本町からは、車で約1時間余りかかります。
トムラウシ温泉の泉質はナトリウム・塩化物、炭酸水素塩泉で約93℃の泉源を持ち、神経痛、リュウマチ、胃腸病、糖尿病などに効果があります。
地球のぬくもりがじっくりとしみこんでくるというキャッチコピーのとおり、体の芯からやさしく温めてくれるお湯です。
宿では、毎日エゾクロテンが遊びにやって来ます。とても人懐っこいクロテンもおり、手から直接餌を与えることも出来ます。
エゾクロテンは、生息数が激減した時期があり、捕獲禁止動物として現在でも保護されています。秘境地温泉ならではの野生動物訪問です。
大浴場へ入るとその広々とした内風呂に驚かされます。壁一面のガラスを通して、外の大自然の景色がそのまま内風呂から見えます。ユウトムラウシ川上流の谷間にある一軒宿は、北海道の自然をそのまま生かしたデザインとなっています。
内風呂には、大浴場の他、打たせ湯とミストサウナがあります。
外には、温度の違う露天風呂が2つあります。
温度の違う2つの露天風呂では、川のせせらぎを聴きながら入浴することができます。新緑の季節・紅葉の季節・雪の季節とそれぞれの季節を感じ、大雪の大自然の中の入浴は安らぎと癒しを与えてくれます。
お湯につかりながら、ゆっくり辺りを見渡すと鳥たちのさえずりが谷間にこだましているのがわかります。
人工的な音がない秘境ならではの露天風呂です。
レストランカムイでは、北海道ならではの料理を堪能できます。
鹿ロースステーキ・鹿ハンバーグ・鹿ジンギスカンなどのエゾ鹿料理。
北海道にのみ生息する渓流の宝石・オショロコマ料理。
行者ニンニク(アイヌねぎ)を使った卵とじ。
どれも、この宿ならではの料理です。
客室は和室・洋室・和洋室とあります。
派手さはありませんが、素朴な佇まいは、心落ち着く空間を提供してくれます。
窓の外からは、川のせせらぎが聴こえ、マイナスイオンたっぷりの空気は、癒しを与えてくれます。
新得町屈足から快適な道路はトムラウシ原野の尽きる二股で消え、トムラウシ温泉までの約8kmは、東大雪の山岳地を縫うように上り勾配と、カーブの山道です。白雲台と名づけられた展望台を過ぎて約3.5km、右方はるか深い渓谷の辺りに、湯煙の立昇る光景がやっと見えてきます。
原生林を切り開いたわずかなユートムラウシ川沿いの台地にあり、遠隔の不便さも重なっているため、東大雪の自然を慕って訪れる人々にとって、今も秘境の温泉として素晴らしい自然の中の憩いの湯となっています。
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(2024/4/23更新)
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