写真:M Maririn
地図を見る神奈川県立大磯城山公園には、国道1号線を挟んで旧三井別邸地区と旧吉田茂邸地区とがあります。旧三井別邸地区は緩やかな丘陵地に広がる7ha(約21,000坪)もの敷地で、かつて三井財閥の総領家が華麗な別荘生活を送っていました。その別荘跡地を整備し、1987年(昭和62年)に神奈川県立大磯城山公園として開園が始まりました。
池や滝、橋などが配された園内にはシイやカシなどの木々が枝を伸ばし、ユリやアジサイ・シャガ・シャクヤクなど季節の花々が咲く道でゆったりと散策を楽しめます。園内にはいくつもの散策路が広がっているので、まずは公園管理事務所で地図をもらうとよいですよ。
写真:M Maririn
地図を見る第一駐車場から南門をくぐったら、展望台へと向かってみましょう。緩やかな坂道を登りきったところに立つ展望台には、かつて三井惣領家第10代当主・三井高棟(たかみね)が自ら陣頭指揮をとり建設した三井家の別邸「城山荘」が立っていました。全国の社寺の古材を使用した荘厳な建物だったそうですが、残念ながら今は残ってはいません。園内にはかつてそこにあった建物の写真を使った説明板が建てられていますので、今の姿と比べて別荘時代の様子を思い浮かべてみてはいかがでしょうか。
天気の良い日には展望台から富士山や箱根連山、相模湾、真鶴半島や伊豆半島を一望することができます。その眺めは三井家がこの場所を選んだのもなるほどと思える素晴らしいもの。ここからの富士山の眺めは、関東の冨士見百景にも選ばれていて、条件がそろえば春と秋の2回ダイアモンド富士を見ることができますよ!
写真:M Maririn
地図を見る大磯城山公園には三井家の別荘時代に織田信長の弟・織田有楽斎が建てた国宝の茶室・如庵が置かれていました(現在は犬山市に移築)。公園内のふれあいの広場に茶室如庵跡地が残されています。
その如庵を模して建てられた茶室が「城山庵」です。城山庵の前には手入れの行き届いた緑豊かな日本庭園があり、隣接する休憩所ではお抹茶や季節の和菓子、ご当地サイダーなどをいただくことができます。
写真:M Maririn
地図を見る写真:M Maririn
地図を見る公園のふれあい広場のそばのかわいらしい建物が「大磯町郷土資料館」です。大磯の自然や文化・歴史、古くから続くお祭りなどを展示・紹介しています。
公園内には、大磯丘陵に特徴的な古墳時代の横穴墓群が残されています。横穴墓とは崖面に横穴を掘って墓室を形づくる、古墳時代後期の埋葬施設のことで、この横穴墓が復元模型で再現されています。また、大磯の海岸へ集団飛来することで知られているアオバトなどの動植物や宿場町・別荘地としての大磯の歴史など、興味深い展示を見ることができます。
写真:M Maririn
地図を見る資料館のエントランスホールには城山荘の古材を使って建物の一部を再現展示しています。これは城山荘本館の広間の吹抜上部に設置されていたもの。その大きさと細工の精巧さに三井家の財力を実感させられます。
写真:M Maririn
地図を見る大磯町郷土資料館から展望台へ向かう道の途中にある北蔵は、旧三井財閥別邸の一部として昭和16年に建てられたもので唯一別荘時代から残っている建物です。蔵といってもモダンな雰囲気が感じられますね。北蔵は展示ギャラリーとして使われることもあります。
写真:M Maririn
地図を見る大磯城山公園で毎年大変人気を集めているのが、紅葉の広場から不動池一帯の紅葉のライトアップです。不動池の周りの燃えるような紅葉が鏡のような水面に映る眺めは幻想的で時を忘れてしまうほど!毎年その様子を見るため、そしてカメラに収めるために大勢の人がやってきます。
写真:M Maririn
地図を見るそして紅葉とともにライトアップされている青竹の美しさも見逃すことはできません!不動池よりもやや上手にある竹の群生がライトの光を受けて光っているのを見ると、「かぐや姫がいた竹林ってこんな感じなのかしら」なんて思ってしまうほど、どこか神々しい眺めです。竹の緑と紅葉の赤のコラボレーションもとても美しいですよ。
写真:M Maririn
地図を見る紅葉のライトアップは毎年11月下旬に行われます。ライトアップに合わせて演奏会などのイベントも開催されますので、スケジュール等は関連メモの大磯城山公園のホームページでご確認ください。
写真:M Maririn
地図を見る旧三井別邸地区と国道1号を挟んで旧吉田茂邸地区があります。こちらはサンフランシスコ講和条約を締結するなど戦後日本の復興に力を尽くし、5回も総理大臣を務めた吉田茂が暮らしていた邸宅部分です。建物は2009年(平成21年)3月に不幸にも火事で焼けてしまいましたが、地元の大磯町などによって再建され2017年(平成29年)4月から大磯町郷土資料館別館として一般公開が始まりました。
再建された建物は、応接間として使われ1979年(昭和54年)に日米首脳会談が行われた「楓の間」がある応接間棟と、吉田五十八が設計した近代数寄屋建築にモダンの要素を取り入れた新館からなり、吉田茂が暮らした空間を再現しています(建物入場時に観覧料が必要)。
写真:M Maririn
地図を見る池泉回遊式の日本庭園は、花好きな吉田のために梅や藤など、季節ごとの草花が植えられています。また「兜門」と称されることが多くサンフランシスコ講和条約締結を記念して建てられたため「講和条約門」とも呼ばれる内門や、吉田茂や伊藤博文などを祀った七賢堂は火事で焼けることなく残った貴重な建物です。
現在の駐車場部分にはかつて、バラの花をこよなく愛した吉田茂自慢のバラ園がありました。1979年(昭和54年)の日米首脳会談に吉田茂邸が使われた折に駐車場化されて縮小されましたが、吉田茂の好んだ大輪の品種のバラや、アメリカから当時の美智子皇太子妃に捧げられ、このバラ園で栽培されて全国に広まった「プリンセスミチコ」などが栽培されています。
写真:M Maririn
地図を見る相模湾や箱根の見える眺めの良い海側の小高い丘の上にはサンフランシスコ講和条約締結の地であるサンフランシスコと首都ワシントンに顔を向けている吉田茂の銅像が立っています。吉田茂の愛した大磯に立っているせいでしょうか、どこか温和でやさし気な面持ちです。
大磯城山公園では、邸園コンサートや茶道教室など、様々なイベントが開催されます。イベントスケジュールや休園日、交通アクセス等は関連メモにある公園ホームページでご確認ください。
皆さんの旅が思い出深いものになりますように!
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(2024/4/26更新)
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