夏の奈良の夜を彩る「ライトアッププロムナード・なら2023」

夏の奈良の夜を彩る「ライトアッププロムナード・なら2023」

更新日:2023/06/30 14:30

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
1988年の「なら・シルクロード博覧会」をきっかけに始まった「ライトアッププロムナード・なら」は、奈良公園一帯を中心とした世界遺産や歴史的建造物をライトアップする夏のイベントです。昼間とは違って、観光客の姿もグッと減って落ち着いた雰囲気の漂う奈良公園で、1300年の歴史を感じる魅惑の夜を過ごしてみませんか?

古都・奈良のシンボル「興福寺五重塔」と「猿沢池」

古都・奈良のシンボル「興福寺五重塔」と「猿沢池」

写真:モノホシ ダン

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「ライトアッププロムナード・なら」の会場は、奈良公園一帯と平城宮跡(朱雀門・第一次大極殿)、西ノ京にある「薬師寺(東塔・西塔)」です。

奈良公園では、春日大社(一之鳥居)、興福寺(五重塔)、東大寺(南大門・中門回廊・大仏殿)、浮見堂、奈良国立博物館、仏教美術資料研究センターが揃ってライトアップされます。

写真は東大寺の中門回廊のライトアップ。中門から左右に延びる回廊が浮かび上がる様子は、鳥が翼を広げたような美しさがあります。

古都・奈良のシンボル「興福寺五重塔」と「猿沢池」

写真:モノホシ ダン

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奈良公園のライトアップでは、最初に駅から最も近い興福寺に行ってみましょう。興福寺の五重塔は、奈良公園のシンボルです。

夜空に向かってそびえ立つ姿は、高名な日本美術研究家、フェノロサが言ったとされる「凍れる音楽」そのもので、いつまでも立ち去りがたい思いがするでしょう。

古都・奈良のシンボル「興福寺五重塔」と「猿沢池」

写真:モノホシ ダン

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興福寺五重塔のライトアップを堪能したら、猿沢池に降りてみて今度は水面に影を落とす五重塔の夜景を楽しみましょう。また池に映る月は南都八景のひとつとしても有名です。

なお、興福寺五重塔は、120年ぶりの大規模修理のため、2023年7月から塔を覆う素屋根工事が始まり、2031年3月に修理工事が完了する予定です。この機会に荘厳な全容を目に焼き付けておきましょう。ちなみに五重塔のライトアップは、2023年8月20日(日)までとなっております。

鷺池に浮かぶ「浮見堂」の神秘的な景観

鷺池に浮かぶ「浮見堂」の神秘的な景観

写真:モノホシ ダン

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つづいては鷺池に浮かぶ「浮見堂」のライトアップをご紹介します。浮見堂は檜皮葺きの六角形の建物で、1916年(大正5年)に建てられ、1994年(平成6年)に再建されました。春は桜、秋は紅葉の名所でもあります。

ライトアップでは、水面に映り込む姿がとても神秘的で、思わず見惚れてしまうかも知れません。

鷺池に浮かぶ「浮見堂」の神秘的な景観

写真:モノホシ ダン

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ほかに浮見堂は、毎年終戦記念日の8月15日に行われる戦没者の慰霊と世界平和を願った祭典「奈良大文字送り火」を見るベストスポットとしても有名です。

近代建築物のライトアップも

近代建築物のライトアップも

写真:モノホシ ダン

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近代建築物のライトアップでは「仏教美術資料研究センター」があります。1902年(明治35年)に、日本の建築史学者「関野貞(せきのただし)」氏によって建てられた和洋折衷の建物で重要文化財です。宇治の平等院鳳凰堂を念頭に建てられたとも言われ、シンメトリーの外観が美しいです。

近代建築物のライトアップも

写真:モノホシ ダン

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近代建築物のもうひとつのライトアップでは「奈良国立博物館なら仏像館(本館)」が。フレンチルネサンス風の建物は、1894年(明治27年)に宮廷建築家の「片山東熊(かたやまとうくま)」氏によって建てられました。仏教美術資料研究センターと同じく重要文化財に指定されています。

奈良国立博物館は、毎年秋に開催される「正倉院展」の会場としてご存知の方も多いと思います。闇夜に浮かび上がる建物は優雅さと威厳に溢れています。

ライトアップされた東大寺・南大門の威容

ライトアップされた東大寺・南大門の威容

写真:モノホシ ダン

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「ライトアッププロムナード・なら」の最大のみどころは、東大寺の南大門・中門・大仏殿のライトアップです。現在の門は鎌倉時代のもので、東大寺を復興した重源上人(ちょうげんしょうにん)が再建しました。

高さは約25mで、国内最大の山門です。ライトアップされた南大門を仰ぎ見るとその威容に圧倒される思いがするでしょう。

ライトアップされた東大寺・南大門の威容

写真:モノホシ ダン

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南大門の左右2体の金剛力士像もライトアップされます。昼間は囲われている金網によって霞んだようにしか見えませんが、夜間ライトアップ時にはくっきりと浮かび上がって見えて迫力満点です。

すさまじいばかりのオーラ!「東大寺大仏殿」のライトアップ

すさまじいばかりのオーラ!「東大寺大仏殿」のライトアップ

写真:モノホシ ダン

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東大寺のライトアップで見逃せないのが「鏡池」に映る大仏殿の夜景です。名前のごとく鏡のように水面に映る大仏殿と、中門および回廊の姿は思わず息を呑む圧倒的な美しさです。

すさまじいばかりのオーラ!「東大寺大仏殿」のライトアップ

写真:モノホシ ダン

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東大寺中門からは大仏殿(金堂)のライトアップが必見です。大仏殿は、東大寺の伽藍の中央に位置する高さ約49mの建物。現在のものは、1709年(宝永8年)に落慶したもので、世界最大級の木造建築物です。

ライトアップされたその姿は、すさまじいばかりのオーラに溢れていて、しばし立ち尽くさずにはいられないでしょう。

すさまじいばかりのオーラ!「東大寺大仏殿」のライトアップ

写真:モノホシ ダン

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さらに大仏殿は、晴れていれば美しい星空が見られることでも知られています。鏡池越しに長時間露光すると、大仏殿に星が降るような美しい写真が撮れます。時間があればぜひチャレンジしてみてください。

時間をかけて回りたい「ライトアッププロムナード・なら」

いかがでしたか。夜の奈良公園の荘重さを感じられるのが「ライトアッププロムナード・なら」です。昼間の喧騒を避けてゆっくりと1300年の古都の風情を楽しみたいという方には絶好の機会です。

観光客でにぎわう日中とはまったく別の表情を見せる、世界遺産・歴史的建造物のライトアップで古都の夜の風情を満喫してください。

2023年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/08/12−2017/08/15 訪問

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