写真:Sige panda
地図を見る井筒安の創業は江戸時代。もともとは近くにある東本願寺にお参りする旅人や僧侶のためのお宿。満員になってお寺さんをお断りすることのないようにとお宿の宣伝は一切していませんでした。今でこそホームページがありますが、来られるお客様はリピートや口コミのお客様が多いのです。
今の主人で七代目。初代「安次郎」の名前とともに受け継がれてきたお宿です。賑やかな京都駅近くにありながらどこか下界から切り離されたような静けさ。このあたりは東本願寺の門前町として栄えた所で仏具店や法衣屋などが立ち並び、昔ながらの京の風情も楽しめます。
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地図を見るお部屋は全8室。それぞれ趣向の違うお部屋です。2013年の全館リニューアルで当時の雰囲気を残しながらもモダンなお部屋に生まれ変わりました。ダイニングスペースから中庭を眺められるお部屋も。客室にはテレビや電話、時計などがありません。これは、毎日の慌ただしさを忘れてゆったりとくつろいで欲しいという主人の心遣い。お風呂は貸切の家族風呂でのんびりと旅の疲れを癒すことができます。
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地図を見るオープンスペースのロビーでは中庭を眺めながら語らうことができます。建築デザイナーの方がデザインしたという美しい椅子も非日常感を演出。中庭の季節の移ろいを眺めながら、ゆったりとまるで京都で暮らしているような感覚を味わえます。
こちらのお宿では季節のうつろいを大事にしています。1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けた二十四節気。「春分」や「冬至」などニュースで耳にすることもあるのではないでしょうか。昔の人々は暮らしの中に二十四節気を取り入れ、季節を感じながら生活していました。こちらでは京の町衆が日常的に楽しんでいた季節行事をお軸などの館内の美術品やさりげなく飾ってある花、季節のお料理で感じることができます。
料理長でもある主人が腕をふるう料理は、季節の移り変わりを大切にした繊細なお料理。宿泊の予約が取れなかったからとお料理だけを楽しみにいらっしゃるお客様も多いのです。主人が毎日その時の旬の食材を中央市場で仕入れ、メニューに取り入れています。お昼はコースと松花堂弁当、夜はコースのみ。厳選したワインや日本酒とともに楽しむこともできます。
ワイン好きの主人セレクトのワインセラー。基本フランスのブルゴーニュメインで揃えてありその中からその日の料理に合うワインのチョイスを教えてくれます。ワインと日本料理のマリアージュ。珍しい組み合わせのようですが近年の和食ブームで、日本料理によく合うワインも増えているのだそう。この機会に体験してみてはいかがでしょうか。
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地図を見る館内には季節のお軸や屏風などがさりげなく飾ってあります。主人の気分で週に一度くらいの頻度で入れ替えているそうですがその内容がすごい!誰もが一度は名前を聞いたことがあるであろう、日本画家の伊藤若冲や板画家の棟方志功や、円山応挙と並んで「虎描きの名手」と言われた江戸時代の画家 岸駒(がんく)、臨済宗の僧であり多くの書画を残した 稲葉心田など名品の数々。全部で650点ほどあり細々入れ替えているので、いつ行っても違うものが見られるのも魅力です。
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地図を見るこちらは画家達との縁も深く、棟方志功が近くにある東本願寺・渉成園の襖絵に携わっていたときに数ヶ月に渡って滞在。気に入ってその後も京都の常宿にしていたそうです。志功がこの家の家人や花を描いたというデッサンなども現存しています。
稲葉心田は主人の祖父と交流がありました。こちらの部屋で書画を描いていたこともあるそうで、主人はそれをドライヤーで乾かす手伝いをしたという衝撃のエピソードも。老舗ならではのすごいお宝エピソードですね。
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地図を見るこれらの美術品は館内に飾られているほか、お客様向けの内覧会でも披露。宿のお客様は事前に連絡をすれば見せてもらうことも可能だそうなので、興味のある方は事前にご相談を。美しい美術品の数々を主人のゴージャスなエピソードとともにお楽しみ下さい。
広間を利用してイベントなども開催。繁忙期である4月と11月を除き基本毎月行われています。こちらは宿泊者でなくても参加できます。
能や狂言の他、過去のイベントには「英語で遊ぶ百人一首かるた」やお酒を飲みながらほろ酔い気分での座禅「今禅定(いまぜんじょう)」、「フランスワイン講座」なども。お宿の雰囲気も楽しめるちょっと変わったイベント。ぜひ参加してみたいですね。詳細は関連memoの公式ホームページ内にある「催しだより」でご確認ください。
静かな雰囲気が素敵なこのお宿。夜には少しライトを落としてお灯明の明かりを楽しむ趣向も。ゆったりと流れる時間の中で暮らすように京都を感じながら、いつもとは一味違う旅行はいかがでしょうか。「伝統を守りながら、自分の代での新たなプラスアルファを加えて生きている伝統を作って行きたい」という主人の思い。たくさんの美術品に囲まれた昔ながらの京町家。名所巡りもいいですが、京都暮らしという体験を楽しんでみませんか。
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(2024/4/24更新)
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