高層ビルの入り口を通ると、そこには青森ヒバの木扉があります。木扉を開いて中に入ると框があり、靴を脱ぎます。入り口で靴を脱ぐことによって自然体となり、ホッと安心できるでしょう。サービススタッフも温かく迎え入れてくれます。
畳はしなやかで弾力があり、イグサの香りもふわりと広がって非常に心地よいです。日本の畳の素晴らしさを体験したもらいたいということで、あえてスリッパなどの履物は用意していませんが、外国人ゲストも素足で寛いでいるように見えます。
玄関に上がり真っ直ぐに進むと、突き当りには歳時記を表現した室礼があります。例えば夏には写真のように、花の吹き寄せ、スイカ、トマトなどが美しく飾られています。ホテルでは季節を感じにくいだけに、四季を大切にする旅館らしい粋な演出であると言えるでしょう。
2階へ上がると、まず目の前にフロントがあります。チェックイン時間に合わせて17時から19時の間には、「SAKEラウンジ」(無料)がオープンし、数種の日本酒を飲み比べたり、「星のや東京」と「センベイブラザーズ(Senbei Brothers)」がコラボレーションした煎餅を味わったりできます。奥の「畳の間」では17時15分と17時45分に傘回しなどの曲芸が行われています。「SAKEラウンジ」から鑑賞できるので、見逃さないようにしましょう。
写真は最も広い客室である角部屋の「菊」。手前に見えるのがダイニングテーブルで、奥に見えるのが大人の男性でも余裕を持って寝転がれるほど広いソファです。奥の扉の向こうには広い風呂と2つの洗面所、トイレが設けられています。空間のゆとりを体感できる上質な部屋であると言えるでしょう。
部屋には畳が敷かれており、裸足で過ごすので、小さい子供を連れていても安心。子供が転んでも危険はありませんし、床に寝転がっても清潔です。靴を履いたままで、ベッドに上がってしまうこともありません。
寝台と布団です。写真ではシングルサイズの布団が2つ並べられていますが、「菊」では3枚まで並べることが可能。寝台は高過ぎず、床からの高さがあまりないので、普段は畳の上に布団を敷いている方も落ち着いて眠れることでしょう。また、長期滞在でも十分な数の洋服をしまっておける、広いウォークインクローゼットも設けられています。
2014年7月に地下1500メートルから新たに掘削された「大手町温泉」は最上階17階にあります。内湯に加えて、露天風呂まであります。強塩温泉で、体の保温効果が高く、きりきず、末梢循環障害、冷え性などに効果があると言われています。
露天風呂の周りには高い壁が張り巡らされているので、周囲のビルから覗かれるという心配は全くありません。大都市の真ん中で、天然温泉の露天風呂を楽しめる旅館など、他にはないのではないでしょうか。
同じ階にある「SPAラウンジ」では、22時から22時30分にかけて、ゆったりとしたストレッチ運動を行うアクティビティ「お休み前の深呼吸」(無料)が行われています。体と心を落ち着けることができ、よい睡眠へと誘ってくれるので、参加してみましょう。
2階のフロント左手にある講堂で、様々なイベントが行われています。朝7時から7時30分にかけて、「めざめの朝稽古」(無料、要予約)として、体をほぐすストレッチ運動や、江戸三大流派のひとつである「北辰一刀流」の剣術所作に深呼吸を組み合わせたエクササイズが行われています。少しだけ早起きして試してみましょう。よいウォーミングアップとなり、体も軽くなるはずです。
「畳の間」で10時から10時30分にかけて行われる「日本おもてなし体験 茶の湯」(有料、要予約)です。目の前で点ててもらった抹茶をおいしい和菓子と一緒にいただけます。その後は抹茶の点て方を教えてもらえるので、とても貴重な体験となるでしょう。お土産にお茶碗とミニ茶筅が用意されています。
2階の講堂で行われている「ガラスの豆皿づくり」(有料、要予約)です。不定期に開催されているイベントで、ガラス作家サブロウ氏が監修し、自分で好きな絵柄をデザインできます。
焼き上がった豆皿は自宅まで郵送してもらえるので、かけがえのない旅の思い出として、そして世界でたったひとつの豆皿としてずっと残るので、特にお勧めしたいアクティビティです。
地下1階にあるダイニングは、以前までは宿泊客しか利用することができませんでした。しかし、2017年3月1日から、新しいジャンルの幕開けとも言える「Nipponキュイジーヌ」(有料、要予約)コースの提供が始まり、それに伴って宿泊客以外もダイニングを体験できるようになったのです。
料理長を務める浜田統之氏は2005年「ボキューズ・ドール日本大会」で史上最年少で優勝し、2013年「ボキューズ・ドール国際料理コンクール」では日本人初の3位(魚料理では世界1位)を獲得した世界的な料理人。
その浜田氏のシグネチャーディッシュが写真の「五つの意思」。意思と石を掛け合わせた料理で、五味(酸・旨・苦・辛・甘)それぞれをテーマとした一口サイズの料理が各々に最適な温度に保たれた白の天然石に載せられています。
「Nipponキュイジーヌ」では肉料理は提供されていません。そのため、浜田氏は魚でメインディッシュになりうるものは何かと考え、味わいが濃厚で食味が豊かな、この鮫鰈(サメガレイ)を使うことにしました。こうも美しくありながらも、肉料理に匹敵する力強さを持つ魚料理はそうそう出会えるものではありません。
デザートの「落花生とメロン」。この後には、淹れたてのお茶と「おたのし実」と題された茶菓子が提供されます。この「おたのし実」もプレゼンテーションが素晴らしいので、実際に訪れてみて素晴らしい驚きを体験しましょう。
各階にはセミプライベートスペース「お茶の間ラウンジ」(無料)があります。24時間いつでも利用できるのが嬉しいです。ケン玉やコマ、ガイドブックなどが置かれており、日本の文化に触れることができます。
フードやドリンクも用意されており、時間帯によって変わります。チェックインの時間帯には甘味とお茶、日暮れの時間帯には月替りのお酒やノンアルコールドリンクと蔵元お勧めのおつまみ、朝はおむすびと味噌汁を自由に楽しめるのです。
「お茶の間ラウンジ」で特に食べていただきたいのは、朝8時から10時の「おむすびの事」(無料)で提供される、おむすび、味噌汁。朝からできたてのおむすびを食べれば、その1日を元気に過ごせることでしょう。
しっかりとした朝食をとりたい場合には「和朝食」「洋朝食」(共に有料、前日までに要予約)が用意されています。部屋の中まで運んで来てもらえる上に、ダイニングテーブルにセッティングしてもらえます。
写真は「和朝食」です。ご飯は、1人毎にそれぞれ釜で炊いてくれるので贅沢と言えるでしょう。他には、焼魚、小鉢4種、サラダ、味噌汁、甘味、お茶とバラエティに富んでおり、充実しています。
「星のや東京」は「塔の日本旅館」と謳っているように、世界有数のビジネス街・大手町に折り合った圧倒感やデザイン性を携えながらも、ホッと心を休めて寛げる日本旅館の素晴らしさを体験できる、稀有な宿泊施設です。
子連れであっても、裸足で過ごすので安全面でも衛生面でも非常に安心できますし、日本文化に触れられるアクティビティは是非とも子供に体験させたいものです。大切な人と訪れるのであれば、居心地のよい空間の中で共に過ごすことによって、より親密になれることは間違いないでしょう。
他にも、世界的な料理人である浜田氏の料理を楽しめるダイニング、時間を忘れるくらい居心地の良い「お茶の間ラウンジ」、高層階の露天風呂を備える「大手町温泉」と、魅力は尽きません。
世界から注目される「星野リゾート」が都心にオープンした「星のや東京」には、他の宿泊施設ではできない体験がたくさんあります。憧れだけで終えるのではなく、機会を見付けて是非とも訪れてみてください。
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(2024/4/19更新)
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