豪華絢爛!ナポリ版ベルサイユ、カゼルタ宮殿でロココに溺れる

豪華絢爛!ナポリ版ベルサイユ、カゼルタ宮殿でロココに溺れる

更新日:2017/08/24 18:01

イタリア、ナポリの郊外20キロの場所に、1700年代に建造された宮殿としてヨーロッパ最大の規模を誇るカゼルタ宮殿があります。

ユネスコの世界遺産に指定されているこの王宮は、フランスのベルサイユ宮殿を真似て作られ、総部屋数はなんと1200部屋という規模!豪華な室内の装飾は後期バロック・ロココ様式で、18世紀のナポリ、シチリアを統治していたブルボン家の栄華を今に伝えています。

桁違い!合計1200部屋、総面積47000平方メートルの巨大な王宮の成り立ち

桁違い!合計1200部屋、総面積47000平方メートルの巨大な王宮の成り立ち
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1734年スペインのブルボン家がナポリを占領し、カルロ7世(のちのスペイン王カルロス3世)がナポリ王、シチリア王に即位して両シチリア王国を統治します。彼は、海からの攻撃を避けるため、そしてナポリの街の中での市民戦争の勃発を避けることを目的とし、1752年にナポリから20kmの内陸部に宮殿を建造するという勅令を出します。

これがカゼルタ宮殿の始まり。フランスのベルサイユ宮殿を先例とし、規模も豪華さも、1700年代に建てられた宮殿の中では最大。

桁違い!合計1200部屋、総面積47000平方メートルの巨大な王宮の成り立ち
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宮殿の建造は次代フェルディナンド4世に引き継がれ、1780年に一部が完成し王宮として機能し始めます。建造が終了したのは1845年。

その規模は、建造面積48000平方メートル、合計1200部屋、国政を行なう庁舎が24、更に図書館や王立劇場もありました。そのうち現在一般に公開されているのは、たったの36部屋です。

桁違い!合計1200部屋、総面積47000平方メートルの巨大な王宮の成り立ち
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広大な庭園もあります。120ヘクタールの面積は余りに広すぎて、一体何処までなのかも見えません。公園内は有料バスや馬車で周ることも可能です。

敷地内には、イタリア式庭園とイギリス式庭園の両方があり、6つの噴水があります。

映画『スターウォーズ』の撮影が行なわれた周り階段

映画『スターウォーズ』の撮影が行なわれた周り階段
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あ、この階段、どこかで見た事があるかも?と思いませんか?

映画『スターウォーズ〜エピソード1/ファントム・メナス』、『スターウォーズ〜エピソード2/クローンの攻撃』で、ナブー王国宮殿のシーンの撮影がこの宮殿で行われました。この2階に上がるエントランスの回り階段は、『エピソード1/ファントム・メナス』で、女王パドメ・アミダラが拘束されるシーンで使われています。

映画の中ではスタジオのセットでは再現出来ない本物感がにじみ出ていた通り、実際にこの階段に立つと、その迫力に圧倒されます。

映画『スターウォーズ』の撮影が行なわれた周り階段
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こちらは、宮殿内にあるパラティーナ礼拝堂です。これほど立派な礼拝堂があるとは!当時、どれ程多くの人がこの宮廷に住んでいたかを想像させてくれます。

映画『スターウォーズ』の撮影が行なわれた周り階段
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王の間。殆どの装飾は、大理石の浮き彫りに金粉をのせるという贅沢さです。

天蓋付きのベッドやバスタブまで

天蓋付きのベッドやバスタブまで
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宮殿の更に奥に進むと、少しずつ、装飾のスタイルも落ち着き、生活空間が垣間みられます。繊細なロココ調のインテリアは、品があり、色調、壁紙のモチーフ等を細部にわたり計算されています。

天蓋付きのベッドやバスタブまで
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1768年に完成した図書館。蔵書は14000冊で、ナポリ周辺の野鳥に関する書簡も多く残されています。

天蓋付きのベッドやバスタブまで
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かなり広い部屋には、バスタブと化粧台があります。バスタブには、ちゃんとお湯と水の蛇口が2つ付いています。宮殿で使用される水は、宮殿の建築と同時に作られたヴァンヴィテッリの水道橋(別名「王の水道橋」)と呼ばれる水道システムにより供給されていました。

ナポリらしい人間味溢れる伝統人形プレセピオ

ナポリらしい人間味溢れる伝統人形プレセピオ
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イタリアではクリスマスにキリストの誕生のシーンを人形で再現するプレセピオという飾り付けを行なう習慣があります。ナポリでは、伝統工芸として、プレセピオ用の人形を作る工房が現在でも多くあります。

カゼルタの王宮では、職人達だけでなく,王族自らがプレセピオ作りに参加していたそうで、「王のプレセピオ」と呼ばれる大掛かりな作品が残されています。

ナポリらしい人間味溢れる伝統人形プレセピオ
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小物や人形の頭部と手足はテラコッタ製、体の部分は針金と藁で作られています。

ナポリの庶民の生活の場面が余りに活き活きと人間味を帯びて表現されているため、キリストの誕生のシーンはそれらの混沌に埋もれてしまっています。人間臭い表情の人形達の完成度はかなり高く、まるで劇場の舞台を見ているよう。

このプレセピオもカゼルタ宮殿の見所の1つです。

カゼルタに行ったらピッツァを食べるべし

カゼルタに行ったらピッツァを食べるべし
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宮殿の中には食事が出来る場所はないのですが、周辺にピザ屋が沢山あります。カゼルタはイタリアでも有数のモッツァレラの名産地。高速道路の入り口付近には、モッツアレラの直売店が並んでいます。

お昼は勿論、美味しいモッツアレラを使ったピッツァ!水牛のモッツアレラ( mozzarella di bufala) が特に名物です。カゼルタ宮殿の周辺にも何軒かピザ屋があるので、是非モチモチの本場のナポリピザを食べてみて下さい。

豪華さだけじゃない!カゼルタ宮殿は見所満載の世界遺産

後期バロック、ロココ時代の装飾は日本では余りメジャーではないかも知れません。でも、カゼルタ宮殿は、1700年代の美意識や遊び心をたっぷりと感じさせてくれます。

かなり見所が多いので、庭園も見学したら全部で3時間は必要でしょう。効率良くまわりたい人は、庭園の見学には観光バスや馬車に乗ると良いでしょう。

◆カゼルタ宮殿への行き方
ナポリ中央駅からローカル線で約45分
カゼルタ駅から宮殿までは徒歩5分

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/08/05 訪問

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