観光タクシーというのは、旅に精通した認定ドライバーが、楽しくガイドしてくれながら、自分専用の空間でツアーを巡れる贅沢なサービスです。今回ご案内する「日野新選組史跡巡り」は、その名の通り、日野市の新撰組ゆかりの地をタクシーで巡れるツアー。長時間歩いたり、バスを乗り継ぐ手間もないためとっても楽チン。しかも、現在日野での新撰組ツアーを敢行しているのは飛鳥交通だけなので、とてもおすすめのツアーです。
まずはタクシーのお出迎え。このツアーでは、日野駅前が発着場所になっています。日野駅周辺には、「まちかど写真館inひの」と書かれた看板がいくつかあり、昭和初期の日野の姿が展示されています。ツアー出発前に眺めてみて、これから始まる歴史散策に思いを馳せてみるのもいいですね。
それではさっそく最初の観光スポットへ出発しましょう。最初の観光スポットは、日野市立新選組のふるさと歴史館です。
新選組ふるさと歴史館は、平成22年にオープンした比較的新しい施設です。
かつての日野には、新選組副長である土方歳三の出身地・石田村があり、新選組第六番隊隊長の井上源三郎が生まれ育った日野宿がありました。後でもご紹介しますが、日野宿は土方が近藤勇との義兄弟の契りを交わした場所。更に日野宿の名主を務めていたのは、新選組の有力な支援者であった佐藤彦五郎です。土方・井上らは、佐藤彦五郎の開いた天然理心流佐藤道場で、近藤勇や沖田総司らと共に剣術の稽古に励んだと言います。
このように、新選組と強くつながりのあるここ日野では、新選組関係者の書状など多くの資料が残されているのです。ふるさと展示館では、これら多くの歴史資料の展示や、講座・講演会を行っています。
ふるさと歴史館には体験展示もあります。天然理心流の剣術道場をプチ体験できる板の間や、木刀の貸し出しなどです。
中でも人気なのが、新選組の扮装をして行う写真撮影。こちらは着物・袴もしっかりと着付していただき、おなじみの羽織を着て館内で撮影ができるというもの。新選組ファンにはたまらないですよね!
日野宿本陣は、都内に残る唯一の本陣建築で、日野市指定有形文化財に指定されています。日野宿本陣は、嘉永2年の火事で一度焼け落ちてしまったのですが、それを再築したのが前述した佐藤彦五郎俊正です。10年に及ぶ歳月を費やして準備を進め文久3年(1863)4月に上棟し、翌元治元年(1864)12月から住み始めたものです。
日野宿本陣には、佐藤彦五郎が開いた「佐藤道場」がありました。後の新選組局長となる近藤勇や副長の土方歳三、沖田総司、井上源三郎たちが激しい稽古に励んだとあって、歴史の香りが色濃く漂います。
名主の仕事部屋と言われている広間です。およそ100坪に立つ家屋の入り口すぐの部屋には、新選組の羽織が。こちらは自由に羽織って見学できます。この青い羽織を着て本陣をうろつけば、気分はもう新選組。
屋内の襖や扉は開放されていることが多いですが、写真のように襖を占めてみると、4枚合わせて一つの漢詩が書かれています。屋内にはこのように漢詩になる襖が幾つもあり、柳田正斎・小野湖山らいずれも幕末を代表する書家・漢詩人の作品です。本陣内には、これらの漢詩に関する解説もありますのでぜひ手に取ってみてください。
また、本陣ではボランティアガイドスタッフも常駐しています。解説を聞きながらさらに詳しい歴史観察をしてみるのもおすすめです。
続いて日野宿本陣の斜め向かいにある日野宿交流館へ。こちらは観光案内所とお土産処を兼ねた施設。ツアー途中のちょっとした休憩です。日野市内の様々な観光パンフレットが置かれ、お土産が所狭しと並んでいます。また、簡単な机と椅子・飲み物の自動販売機が置かれているので休憩にピッタリ。Wi-Fiも完備なので観光スポットやお食事のリサーチに便利ですよ。
ところでこの建物、通りに面した入り口はとても幅狭なのですが、奥行きがあって意外と広い敷地にあるんです。これは江戸時代、間口の広さに応じて税金がかかったシステムの名残。宿場町らしさをこんな所でも見ることができるんですね。建物裏手の駐車場がとても細長〜く続いているので注目してみてください。
さて、タクシーはこの駐車場で待機しています。次の観光スポットに出掛けましょう。
続いて訪れるのは石田寺という真言宗のお寺です。ここには土方歳三のお墓があり、多くのファンが墓参りに訪れます。
こちらの写真にもある、樹齢400年のカヤの木に守られた墓所に「土方歳三義豊之碑」が建てられています。これは、土方の兄の曾孫にあたる方が、明治100年を記念して建立したものです。少し話は逸れますが、この寺の周りには「土方」という表札を多く見かけます。土方歳三は生涯独身でしたが、兄弟の子孫がこの地で生活されており、土方歳三資料館として開放しているお宅もあるんですよ。
石碑から少し奥に進んだところに、土方歳三の墓所があります。年中献花が絶えることはありません。ここ石田寺は、高幡不動尊で有名な高幡山金剛寺の末寺で、土方の位牌も菩提寺である金剛寺に収められています。
高幡不動尊はここ単体でも非常に人気の高い観光地です。関東三大不動の一つとして親しまれ、不動堂・仁王門については重要文化財に指定されています。土方家の菩提寺でもあるこの高幡不動尊には、土方歳三の像と新選組の石碑があるのです。
境内に入ってすぐの割と目立つところに、土方歳三の大きな像があります。このエリアに新選組関連の碑や、近藤勇の像もあり、ファンならぜひ訪れたいスポットですよね。
寺内には前述した土方歳三の位牌のほかに、手紙や新選組関連の書類などが展示されていますのでチェックしてみてください。
高幡不動尊は非常に広いお寺で、見どころも多いです。新選組関連の場所以外の本殿・礼拝所などは勿論、四季の花めぐり・碑めぐり、山内八十八ケ所巡拝路、屋台の並ぶ参道など、じっくり楽しめますので、日野駅発着の観光コースではありますが、ここで終了という事にして高幡不動を時間をかけて観光するのも良いと思います。すぐ近くに不動前駅があるので交通の不便はありません。このようなフレキシブルな対応も観光タクシーならでは。
観光コースとしては、この後日野駅・または不動前駅に進み、ツアー終了です。
ツアールートには決まった食事場所は定められていませんので、自分で好きなお店を指定して、ルートの途中に組み込むことができます。最初に運転手さんに伝えると良いですよ。
おすすめは、不動尊近くの「開運そば」。高幡不動尊御指定の開運そばという事で、食べると御利益がありそう!全てのそばメニューに「開運」と焼き印の押されたかまぼこ入りです。新選組グッズも売ってます。
ツアー途中で立ち寄る交流館でも沢山のお土産物を販売していますが、最後のスポットである不動尊前がお土産物店のメッカです。新選組をテーマにした土産物も多いですし、中には建物の外壁に大きく土方歳三の肖像が描かれている店もあり、新選組ゆかりの地を巡るツアーのお土産を選ぶには、とても楽しいスポットです。
この土産物店の並びには、新選組慰霊顕彰句碑が建てられており、新選組隊員18名の辞世の句が刻まれています。ちなみに土方歳三の句は、
「たとひ身は 蝦夷の島根に 朽ちるとも 魂は東の 君やまもらん」
とても有名な一句ですね。
ツアーの楽ちんさを備え、臨機応変なわがままを叶えてくれる観光タクシー。特に今回ご紹介した日野の新選組史跡めぐりは、史跡の位置が点在しているので、バスや徒歩などで巡るのは少し大変な分、タクシーでの観光はとても便利で最適だと言えるでしょう。
観光にも詳しいドライバーさんが観光スポットやそれ以外の場所についても色々とうんちくを教えてくれるので、楽しく巡れて疲れ知らず!
あなたも新選組の面影を巡りに、タクシーに乗ってみませんか?
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(2024/4/19更新)
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