富士山周辺には湧水が湧き出る観光地がいくつもありますが、忍野八海は山中湖に近い山梨県忍野村にあり、中央自動車道や東名高速からの交通の便も良いため、もともと人気のある観光地でした。1934年に国の天然記念物、1985年には全国名水百選、そして2013年に世界文化遺産に登録されてからはますます人気が高まり、外国人観光客も多く訪れるようになりました。
忍野八海は出口池、お釜池、銚子池、底抜池、濁池、湧池、鏡池、菖蒲池の八つの池から成りたっています。
忍野八海の真ん中にあり、観光客が多く集まる中池は人工的に作られたものであり、個人所有で、忍野八海の中には含まれていません。ですが、忍野八海といって真っ先に思い浮かべるのも、人が一番多く集まっているのもこの中池です。
中池をのぞきこむと、青く澄んだ水を透かして、池の底まではっきり見えます。水が青く見えるのはある程度の深さがあるということですが、中池は8mもの深さがあります。底まで見通せるので、さほど深くは見えないのですが、住宅の高さにすると2階建てくらいはあるでしょうか。近くにある湧池と地下で水脈がつながっており、魚も行き来しています。
お天気のいい日に池を上から見下ろしてみて下さい。エメラルドブルーともエメラルドグリーンとも見える池を魚が泳ぐ様子は、ここを訪れる人、10人中10人が称賛するほどの美しさです。
この「中池」、実はきれいな写真をとるのはなかなか難しいのです。8mの深さがある池は底まで太陽の光を通し、目で見ている分には非常に美しいのですが、いざ写真を撮ろうとすると、鏡面のように透明な水面に、空に浮かぶ雲が映り込んでしまいます。
インスタ映えする写真を撮ろうと思ったら、雲がない、よく晴れた日にぜひトライしてみて下さい。会心の一枚が撮れること、請け合いです!もし、条件が合わずに奇跡の一枚を撮れなかった場合でも、自分の目に「奇跡の青」を焼き付けてお帰り下さい。決して、損はさせませんよ!
せっかく忍野八海に来たのなら、人が集まっているメインの池だけでなく、ちょっと離れたところにもある池にも足を伸ばしてみて下さい。忍野八海の中でも、特に水の青さが美しく映えるのは「お釜池」と「湧池」です。
お釜池は中心部から川沿いに5分ほど歩いたところにあります。清流に生えるバイカモがあり、見た目は小さな池ですが、深さは7mほど。きれいな青い池です。底抜池(そこなしいけ)で洗い物を落とすと、お釜池に浮かび上がるという言い伝えがあり、底抜池とお釜池は地下水脈でつながっていると言われています。
湧池は中池の近くにある深さが4mある湧水量が多い池です。目に見えている面積よりもずっと規模が大きく、木造の橋の下から水中洞窟につながっています。現在わかっているところまでで160mという奥行きの深さがあります。私たちが立っている地面の下には未知の水中洞窟が迷路のように広がっているのです。
忍野八海では目で見るだけでなく、舌で名水を楽しめます。中池に行くにはお土産物屋さんを通ることになりますが、その一画で、富士山の天然水を汲むことができます。ボトルが有料で販売されていますが、自分のペットボトルも持ち込めます。
ここで汲むことのできる水は、80年以上前に富士山に降った雪が湧出してできた雪解け水です。80年という長い時間をかけて、ろ過され、この地に出てきた天然のミネラルウォーターを、普段飲んでいる水と飲み比べてみてはいかがでしょうか。
忍野八海は春夏秋冬、どのシーズンでも違った美しさを見せてくれる観光地です。水の青さが美しいだけでなく、雪が降った日の写真などもまるで絵画のようで、インスタ映えする一枚になることでしょう。
湧き水が豊かな富士山周辺には、水がきれいな観光地はたくさんあります。関連MEMOに富士山周辺のスポットをいくつか入れてありますので、よろしかったらご覧下さい。
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