世界遺産の合掌造り集落・岐阜県「白川郷」ベストスポット5選

世界遺産の合掌造り集落・岐阜県「白川郷」ベストスポット5選

更新日:2017/08/09 09:33

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
1995年(平成7年)ユネスコの世界文化遺産に登録された岐阜県白川郷・荻町の合掌造り集落。「日本の原風景」とも言えるのどかな風景が展開する村内は穏やかな時が流れ、まるで昔話の世界にタイムスリップしたかのような気分に浸れます。白川郷・荻町合掌集落でいちばんの見どころである天守閣展望台をはじめ、絶対に見落とせないカメラマンも絶賛するビューポイントを訪れてみませんか?

お食事処「忠兵衛」の三棟並んだ合掌造り

お食事処「忠兵衛」の三棟並んだ合掌造り

写真:モノホシ ダン

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まず初めに、白川郷を紹介するガイドブックやパンフレットの口絵によく登場する「荻町合掌集落」の南端入り口にある「お食事処忠兵衛」・「お土産処木古里」をご紹介します。この三棟並んだ合掌造りはカメラマン絶賛のビューポイントです。夏は手前にある水田の稲の青々とした景色が美しく、秋は背景の山々の紅葉の彩が見事なところです。

お食事処「忠兵衛」の三棟並んだ合掌造り

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お食事処忠兵衛は、荻町合掌集落から少し離れたところにあり、初めて白川郷を訪れた方は見落とさないように注意しましょう。合掌造りのお食事処では、名物の「朴葉(ほうば)味噌」を使った「飛騨牛焼き味御膳」などがいただけます。

お食事処「忠兵衛」の三棟並んだ合掌造り

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お食事処忠兵衛は団体客の利用も多い人気の昼食場所です。団体客に重なるとかなり待たされるので、できれば前もって予約するか、そうでなければ早めに到着するか、あるいは昼食時間帯を過ぎた遅めに着くほうがおすすめです。

重要文化財・和田家住宅

重要文化財・和田家住宅

写真:モノホシ ダン

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つづいて荻町合掌集落内にある唯一の国指定重要文化財である「和田家住宅」をご紹介します。和田家は15代将軍足利義昭が織田信長に追放されて室町幕府が正式に滅亡した1573年(天正元年)から続く家柄で、当主は代々「弥右衛門」を名乗りました。江戸時代には名主や番所役人を務めた名家です。

建物は約300年以上前のもので、江戸時代中期から後期の建築といわれ、白川郷の合掌造りの中でもっとも規模が大きく格式の高い造りです。現在も当主の方が住居として使われていて1階と2階部分が公開されています。

重要文化財・和田家住宅

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和田家の2階には白川郷で盛んだった養蚕用具などを展示しています。黒光りする床が歴史を感じさせます。和田家では養蚕のほかに火薬の原料である焔硝作りの取引でも繁栄しました。豪雪地帯にあり稲作の土地を確保できない白川郷では養蚕と焔硝作りで生計を立てていました。

また白川郷では土地が狭く分家もできなかったため、1件に数十人が暮らしており、和田家でも多いときには約20人が生活していました。

重要文化財・和田家住宅

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和田家は3階建ての合掌造りです。よく知られているように柱は釘などをいっさい使わず、マンサクの木を柔らかくした「ネソ」や藁縄など自然の素材を使って固定しています。写真は3階の天井部分です。

白川郷合掌集落を一望する「天守閣展望台」

白川郷合掌集落を一望する「天守閣展望台」

写真:モノホシ ダン

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白川郷で絶対はずせないビューポイントが「天守閣展望台」です。合掌造りの名称の由来は人が手を合わせたような形からきているといわれています。ここから見る合掌造りの家屋は切妻面を村内を流れる庄川と平行の南北に向けて建てられています。これは屋根の日当たりの確保と屋内の風通しをよくするためです。

白川郷合掌集落を一望する「天守閣展望台」

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天守閣展望台から俯瞰する荻町のメインストリートはいまにも大名行列がやってきそうなノスタルジックな雰囲気を漂わせています。

白川郷合掌集落を一望する「天守閣展望台」

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天守閣展望台へのアクセスは、和田家のすぐ近くにあるシャトルバスのりばからバスを利用するのが便利です。9時から16時までの20分毎の運行で、運賃は片道200円です。天守閣展望台および一段低いところにある荻町城跡展望台へ通じる登山道はマイカーでも行くことができますが、道幅は約1.5車線と狭く、団体客を乗せた観光バスの往来が頻繁にありますので離合困難なところもあります。

また展望台の駐車場は、天守閣展望台がほとんど観光バス専用なので、マイカーは天守閣展望台を通り過ぎたところにある一段低くなった荻町城跡展望台の駐車場に停めることになります。こちらも少ない駐車スペースしかありませんので、できればシャトルバスを利用しましょう。

最大級の合掌造り「長瀬家」

最大級の合掌造り「長瀬家」

写真:モノホシ ダン

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荻町合掌集落で最大級の合掌造りが「長瀬家」です。5階建てで1890年(明治23年)に3年の歳月をかけて建造されました。長瀬家は約250年以上つづく旧家で、初代から3代目までが医師で加賀百万石前田家の御典医を勤めていたことから前田家から拝領した品も多く伝わっています。

屋内ではほかに2001年(平成13年)に行なわれた屋根の葺き替え作業の様子がビデオで放映されています。住民たちの相互扶助組織「結(ゆい)」と多くのボランティアによって行われたもので単独での現状維持は出来ないことが分かります。

最大級の合掌造り「長瀬家」

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合掌造りの屋根は約40〜50年で葺き替えが必要となります。また火災に弱いので放水銃が設置されています。放水銃は写真手前の可愛らしい合掌造りのケースの中に収納されています。

最大級の合掌造り「長瀬家」

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長瀬家の向かい側には無料休憩所の「旧藤坂家住宅」があります。カラフルな案山子たちがお出迎えしてくれています。休憩しながら景色をのんびりと眺めて見ましょう。

全国的にも珍しい合掌造りの寺「明善寺郷土館」

全国的にも珍しい合掌造りの寺「明善寺郷土館」

写真:モノホシ ダン

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白川郷には全国的にも珍しい茅葺き屋根を持つ合掌造りの寺があります。浄土真宗大谷派の寺院「明善寺」で、本堂・鐘楼門・庫裡のすべてが茅葺き屋根になっています。居住スペースである庫裡は長瀬家と同じ5階建てで江戸時代末期に建てられました。

全国的にも珍しい合掌造りの寺「明善寺郷土館」

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明善寺の建物は有名な「飛騨の匠」と呼ばれる高山の名工たちによって建てられ写真の明善寺鐘楼門と奥に見える明善寺本堂も彼らの手によるものです。鐘楼門に寄り添うように立っている「イチイの木」は本堂の建設の際に記念樹として植樹されたものです。鐘楼門の梵鐘は第二次大戦中に供出されたため、戦後に富山県高岡市の鋳金工芸作家の中村義一氏によって新たに作られたものです。

全国的にも珍しい合掌造りの寺「明善寺郷土館」

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白川郷・荻町合掌集落の観光には「せせらぎ公園駐車場」の利用が便利です。集落へは庄川に架かる「であい橋」を渡って行きます。時間があれば駐車場の入口にある「野外博物館合掌造り民家園」にも足を延ばしてみましょう。使われなくなった合掌造り26棟を保存公開しています。そば打ち体験やわら細工など昔の暮らしを体験することもできます。

飛騨の小京都「高山」と合わせて楽しみたい

いかがでしたか。今回は白川郷の観光スポット5選をご紹介いたしました。かつては秘境といわれた白川郷も東海北陸道の全通により車を利用すると高山から片道約50分で気軽に訪れることが出来るようになりました。飛騨の「小京都」と呼ばれる高山と「日本の原風景」白川郷の組み合わせは最高のゴールデンコースです。ぜひどちらかに1泊して二つの観光地を同時に満喫する旅をしてみませんか!

掲載内容は執筆時点のものです。 2010/07/09−2017/07/30 訪問

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