写真:瀧澤 信秋
地図を見る寝台特急北斗星は食堂車やロビーカー、個室寝台車などを連結し豪華な寝台特急として当時人気を博しました。チケットも取りにくい人気列車で、最盛期は3往復運行、しかし、次第に本数は減少し2015年8月に運行終了となりました。
そんな北斗星をコンセプトにした「トレインホステル北斗星」が誕生。立地はJR馬喰町駅直結でアクセスは最高です。現在、宿泊施設としてブームになっているホステルと、今はなき往年の寝台特急の融合はなんだか不思議な気分にもなります。
写真:瀧澤 信秋
地図を見るトレインホステル北斗星のある建物は7階建て。ホテルは1階〜6階部分です。1階が受付、6階にはシャワールームとランドリーがあり、2階にはゲストルームのほかラウンジスペースもあります。3階、4階のゲストルームは男女混合エリア、5階は女性専用エリアとなります。
ラウンジは北斗星の食堂車「グランシャリオ」がテーマ。実際に利用されていたテーブルやイス、ランプなどが配されており、当時を知る者にとっては懐かしさもひとしおです。
また、共用キッチンも併設していますし、コンビニエンスストアが隣接しているので食事には困らないでしょう。寝台特急をイメージする宿泊施設だけに、あらかじめ駅弁を準備していけば楽しい時間になるかもしれません。
写真:瀧澤 信秋
地図を見る館内は、北斗星をはじめ関連する様々なパーツ・グッズが効果的に用いられており、雰囲気の演出に一役かっています。1階でのチェックイン手続の際でも、宿泊カードは補充券(車内で発行される切符)を模しており、暗証番号が記されたカードはまるで切符入れ。セキュリティエリアは暗証番号で解錠されるキーレス方式を採用しています。
ゲストルームは、二段ハネといわれた開放型B寝台の形状で再現されています。懐かしの読書灯もありもちろん点灯します。充電などに便利なコンセントも設置されています(当時コンセントはありませんでした)。
写真:瀧澤 信秋
地図を見るB寝台のほかに「A個室」のプレートが貼られた半個室スペースも用意。最高級客室として人気を博したA個室ロイヤルをイメージしています。もちろん当時のパーツが用いられているのは言うまでもありません。
写真:瀧澤 信秋
地図を見る寝台特急北斗星のディテールを上手に再現しているトレインホステル北斗星ですが、当時の寝台車を利用したことのある者にとって、寝台列車の気分がリアルに満喫できるのかといえば、そこはやはり建物の中。違和感を覚える方はいるかもしれません。
列車の楽しみは、駅やホーム、走行音、揺れやレールのつなぎ目を通過する音、何より動くのが列車の醍醐味だとすれば、物足りなさを感じることもあるでしょう。トレインホステル北斗星はあくまで宿泊施設であり、寝台列車ではありません。
“移動するホテル”などと表されていた寝台列車を思い起こせば、そこは宿泊施設というよりも移動する空間だったのでしょう。寝台列車のイメージで作られた建物ですが、寝るための施設として以上に、寝台列車の気分を感じようとするのであればバーチャルの世界へ入り込もうとする気分の盛り上がりが大切なのかもしれません。
写真:瀧澤 信秋
地図を見る寝台列車気分のバーチャルな世界といえば、やはり走行音はほしいところ。スタッフによると、揺れは難しいにしても列車の走行音をゲストルームに流すといったアイディアも当初あったそうです。当然、音を求めないゲストもいるので実現には至らなかったとのことです。
走行音で多少でも雰囲気が演出できるのであれば、各人で用意することはハードルが低そうです。動画投稿サイトでも車窓や走行音、それこそ当時の寝台列車で録音、録画されたものも多数投稿されています。
スマートフォンやタブレットとヘッドフォンで、そんな投稿をBGMに目を閉じれば、自然と眠りに落ちるかもしれません。往時の時刻表を携行、読書灯のあかりで捲るのも味わい深いかもしれません。そういう意味でも、トレインホステル北斗星の楽しみ方は多彩ともいえます。
ホステルの魅力はゲスト同士の交流というゲストもいますが、トレインホステル北斗星で寝台列車気分を味わおうとすれば、バーチャルな世界へ入り込めるのかがポイントかもしれません。寝台列車を知らない方はもちろん、鉄道ファンであればちょっとした準備や工夫で、トレインホステル北斗星が楽しい空間になることでしょう。
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(2024/4/26更新)
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