最後はみんなで大蛇に巻かれる!伝統芸能「広島神楽」を広島県民文化センターで堪能

最後はみんなで大蛇に巻かれる!伝統芸能「広島神楽」を広島県民文化センターで堪能

更新日:2017/08/22 14:37

藤谷 愛のプロフィール写真 藤谷 愛 地方移住ブロガー
日本各地に存在する伝統芸能「神楽」。広島県内には5つの流れを汲む神楽が存在しており、多くの神楽団が活動をしています。中でも近年人気なのが、島根県の岩見神楽の流れを汲む「広島神楽」。

歴史ある伝統芸能ながら、分かりやすい言葉とストーリー展開、そしてスピード感あふれる演出で、神楽初心者も大満足。広島現地でしか見られない「広島神楽」の迫力を体感する旅に出かけましょう!

毎週水曜日にホールで上演

毎週水曜日にホールで上演

写真:藤谷 愛

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路面電車の紙屋町停留所から徒歩30秒の距離にある広島県民文化センターでは、毎週水曜日に530席あるホールで「広島神楽」を上演しています。2017年で4年目を迎えた広島神楽定期公演は、言葉や言い回しの難しい他の伝統芸能とは違い、初めての人でもとても分かりやすい台詞回し。約1時間半の公演の入場料が1000円ということもあり、子供から大人、はたまた外国人観光客まで訪れる庶民的な舞台なのです。

毎週水曜日にホールで上演

写真:藤谷 愛

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元々、神楽とは秋の収穫祭として神々に感謝をした儀式。全国各地の民俗芸能として伝承されていますが、特にお隣の島根県とこの広島県では神楽が盛んだと言われています。特に広島県の神楽が他県と違うのは「競演大会」の多さ。優劣をつける神楽の大会はここ広島県の特徴といえ、優劣をつけないものも含めると、その数は年間30以上に上ります。
広島ではその芸を競うことで、舞台芸術のような華やかさも発展してきたのです。

毎週水曜日にホールで上演

写真:藤谷 愛

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広島神楽の内容は大きく二つに分かれます。「旧舞」(戦前から伝承されている神楽)と「新舞」(戦後に創作された神楽)。これに神楽団が独自で捜索した新作も合わせると70以上の演目があるというのですから驚きです。

蜘蛛の糸、面や衣装の早替え、手縫いのきらびやかな衣装まで見どころてんこ盛り!

蜘蛛の糸、面や衣装の早替え、手縫いのきらびやかな衣装まで見どころてんこ盛り!

写真:藤谷 愛

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舞台演劇のように楽しむことができる広島神楽の見どころは多々ありますが、演出として使用される「蜘蛛の糸」は必見です。

写真は人気の演目の『紅葉狩り』。鬼女退治の命を受けた中納言・平惟茂の一行が、鬼女が化ける美女たちに蜘蛛の糸でがんじがらめにされるシーンです。
色鮮やかな衣装をまとった演者たちが占める舞台で、真っ白な蜘蛛の糸が飛び交う様子はまさに日本の美!

蜘蛛の糸、面や衣装の早替え、手縫いのきらびやかな衣装まで見どころてんこ盛り!

写真:藤谷 愛

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また、神楽の演目では、美しい姫が鬼や妖怪に変化していくシーンが多く見られます。鬼や妖怪になったときに違いを表現するのは「面」や「衣装」になりますが、驚愕の早替えに観客も声を上げることがしばしば。お見逃し無いように。

蜘蛛の糸、面や衣装の早替え、手縫いのきらびやかな衣装まで見どころてんこ盛り!

写真:藤谷 愛

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ところで、登場人物たちのきらびやかな衣装の数々は全て手縫い!この衣装の絢爛豪華な様子は、手作業だからこそ出せるものなのです。また、舞台上では大太鼓、小太鼓、手打鉦、笛の奏者が音楽を奏でます。実はこの音楽には楽譜がありません。耳で聞いて体で覚えているのです。こういった耳からの要素もこの舞台の見どころの一つとなります。

大蛇が魅せるトグロの巻き型が見どころ『八岐大蛇』

大蛇が魅せるトグロの巻き型が見どころ『八岐大蛇』

写真:藤谷 愛

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演者が蛇胴をダイナミックに操る演目「八岐大蛇(やまたのおろち)」。出雲の国に棲みつく人食い大蛇を須佐之男命(すさのおのみこと)が成敗する物語ですが、ストーリーの展開よりもじっくりと時間を割くのが、蛇胴が見せる「型」にあります。

大蛇が魅せるトグロの巻き型が見どころ『八岐大蛇』

写真:藤谷 愛

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蛇胴の長さは驚きの18メートル!トグロの巻き型やそれぞれの蛇が絡み合う様子は、外からの見た目が分からないない中で演じているとは思えないほどの美しさ。そのスピードも驚きです。

大蛇が魅せるトグロの巻き型が見どころ『八岐大蛇』

写真:藤谷 愛

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大蛇は舞台ぎりぎりのところまで近づき、前列の観客はその大きさに圧倒されます。大蛇のトグロの巻き型には個々のものやお互いが絡み合うものまで多数あります。それぞれの型が決まったときには大きな拍手もお忘れなく!

大蛇の首も飛ぶ!観客の目が釘付けの成敗シーン

大蛇の首も飛ぶ!観客の目が釘付けの成敗シーン

写真:藤谷 愛

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毒酒を飲んで寝入った大蛇たちを須佐之男命が成敗するシーンは静かなれども迫力満点。その間合いを詰めるシーンは、観客も息をのんで見つめます。

大蛇の首も飛ぶ!観客の目が釘付けの成敗シーン

写真:藤谷 愛

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大蛇を殺すには頭部を全部切り落とすこと。切り落とすときの大蛇の舞手と須佐之男命のピッタリと合った演技も見逃せません。

観客も貴重な衣装を羽織って記念撮影!

観客も貴重な衣装を羽織って記念撮影!

写真:藤谷 愛

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広島神楽定期公演の最後には、ホール上演されるお芝居等ではあまり見られない記念撮影があります!観客は靴を脱いで舞台に上がり、舞台で使用する煌びやかな衣装をまとったり、大蛇に巻かれたり(!)しながらキャストたちと一緒に記念撮影ができます。

観客も貴重な衣装を羽織って記念撮影!

写真:藤谷 愛

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広島神楽定期公演のチケット(全席自由)は、公演日である水曜日の午後5時から販売。開演は午後7時、記念撮影も含めて終了は午後9時頃になります。午後5時にチケットを購入して、夕食を食べに外出し、開園までに戻ってくるのがベストです。

入場料金は庶民的だけど立派な舞台芸術

民俗芸能が舞台芸術にまで発展を遂げた広島神楽、いかがでしたか?広島神楽定期公演を観て「もっと見てみたい!」と感じた方は、本場でもある安芸太田町を訪れてみるのもお勧め。昭和22年から始まった、広島県最古の神楽競演大会「西中国選抜神楽競演大会」(9月)を観ることができます。ぜひ広島観光の目的の一つに加えてみてくださいね。

*記事下関連メモには広島観光でお勧めのホテルをご紹介しています。併せてご利用ください

掲載内容は執筆時点のものです。

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