知られざる台湾のハートスポット!七美「ダブルハート石滬」

知られざる台湾のハートスポット!七美「ダブルハート石滬」

更新日:2017/08/01 12:50

宮坂 大智のプロフィール写真 宮坂 大智 村おこしNPO法人ECOFF代表理事、日本島嶼学会会員、国際島嶼学会会員、東京農業大学探検部OB
美しい砂浜と透き通る青い海、そのそばにそびえる世界遺産級の柱状玄武岩。そんな手付かずの大自然だけでなく、台湾でもっとも長い歴史を持ち、ユニークな文化を育んできた「澎湖(ポンフー)」は、台北から飛行機でわずか1時間の場所にあります。

今回は、澎湖(ポンフー)でもっとも有名な観光スポットであり、大切な人とぜひ訪れたいハートスポット「ダブルハート石滬(雙心石滬)」をご紹介します。

澎湖本島から七美までは船でわずか1時間

澎湖本島から七美までは船でわずか1時間

写真:宮坂 大智

地図を見る

ウワサのダブルハート石滬があるのは、澎湖本島からフェリーでおよそ1時間南に下った「七美」という離島です。七美へは、馬公市内のフェリーターミナル「南海遊客中心」から出航するフェリーで行くことができます。フェリーは大きく分けて2種類あり、1つは政府が運営する交通船「南海之星」で、その他に各旅行会社が運航する船があります。

交通船だと七美の滞在時間が限られてしまうため、旅行客は旅行会社が運航する船に乗るのが一般的です。旅行会社の船だと、七美だけでなく澎湖本島と七美の間にある離島「望安(ワンアン)」という島にも上陸することができるうえ、各島でのレンタルバイクまたは観光バスもセットになっているのでコチラがオススメです。

さて、港を出航して1時間ほどすると七美に到着します。七美の滞在時間は2〜3時間ですので、到着したらすぐに観光バスかレンタルバイクに乗って出発しましょう。七美にはダブルハート石滬以外にもさまざまな絶景スポットがありますが、ダブルハート石滬は港の反対にあたる北側にあるので真っ先にダブルハート石滬に行くとその後スムーズに観光ができます。

ちなみに、七美には125ccの普通のバイクの他に、電動バイクもあります。電動バイクは免許がなくても運転することができますし、スピードも最大で時速35kmまでしか出ない安心設計ですので、勇気がある方はぜひチャレンジしてください。海を眺めながら風を切る体験は離島の澎湖ならではです。もちろん、観光バスもございますので自信のない方もご安心ください。

ぴったりハートが2つ重なった風景と歴史に感動!

ぴったりハートが2つ重なった風景と歴史に感動!

写真:宮坂 大智

地図を見る

七美の港を出発しておよそ10分でダブルハート石滬に到着します。少し高くなった場所から崖の下を見下ろしてみると、そこには2つのハートがぴったりと寄り添ったダブルハートが! 2つともほぼ完全なハート型をしているだけでなく、透き通った青い海のなかに浮かぶ風景は絶景そのもの。台湾から澎湖へ、澎湖から七美へと旅をしてきたこともあり感動はひとしおです。

実はこのダブルハートの正体は「石滬(スーフー)」という魚を捕まえるためのトラップ。石滬の歴史はたいへん古く、新石器時代からある人類最古のトラップだと考えられているほどです。潮が満ちている時に石滬に入り込み、潮が引いた時になかに取り残された魚を捕まえるという、潮の満ち引きを利用した仕掛けで、澎湖全体にはなんと600カ所近く現存しています。その中でも約100カ所が未だに現役で使用されています。

このダブルハート石滬は1937年前後からすでに存在していることが分かっており、主に玄武岩で作られています。真夏の澎湖は「台湾のハワイ」と呼ばれることもある楽園のような島ですが、冬には台風なみの強風が毎日吹き荒れることでも知られています。そんな時期にはとても船を出して漁をすることができないため、人々は冬でも魚を捕まえられるように石滬を澎湖の各地に作り続けたのです。

今では観光名所になっていますが、元々は観光のためではなく人々が生活をするために知恵をしぼって作られたものだと考えると、より感慨深いと思いませんか。台湾や澎湖を紹介するパンフレットでは必ずと言っていいほど七美のダブルハート石滬が紹介されるのですが、日本のすぐ隣にある国でこんなにロマンチックな光景を見られるのなら、行かない理由はありません。

澎湖の海にはハートがたくさん散らばっている!

澎湖の海にはハートがたくさん散らばっている!

写真:宮坂 大智

地図を見る

ところで澎湖には石滬が600カ所近くあるとご説明しましたが、七美の石滬はダブルハート石滬1つだけです。ですが、ハート型の石滬はごく一般的なものなので、実は七美以外にも澎湖のさまざまな場所にハート型の石滬が存在しています。それではなぜ、七美のダブルハート石滬だけが脚光を浴びるのでしょうか? その理由の1つは、ハートがふたつ寄り添った石滬は七美のダブルハート石滬だけだということで、2つ目の理由は、崖の上から見下ろすことができるため、誰でも気軽にその美しい姿を見られるからです。

逆に言うと、上空からみると澎湖の海にはハートがたくさん散らばっているということです。しかしながら、飛行機からはっきり見えるほどの大きさはありません。そこでオススメしたいのが、ドローンを使ったハート型石滬の撮影です。とはいえ、ドローンを持っている方は少数派だと思いますので、ドローンがない方には、グーグルマップの衛星写真を見ることをオススメします。

石滬は潮が引いている時に海面から姿を現すので、海にそれらしいものが見えたらぜひグーグルマップの衛星写真を見てください。そこにはたくさんのハートが散らばっているかもしれません。

これらの石滬は、その文化的な価値が認められ、台湾政府によって暫定世界遺産に指定されています。澎湖本島から船で15分の場所にある「吉貝(ジーベイ)」という島では、石滬のことを学べる資料館もございますので、興味のある方はぜひ吉貝まで足を伸ばしてみてください。

潮が満ちている時は見えないこともあるので注意!

七美のダブルハート石滬は潮の干満差を利用した仕掛けのため、潮が満ちている時は海のなかに沈んでしまいます。海から姿を現したダブルハート石滬を見たい場合は、潮が引いている時間帯に見に行きましょう。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/06/08 訪問

- PR -

旅行プランをさがそう!

このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -