台湾「野柳地質公園」で女王頭に謁見?この奇岩は神業

台湾「野柳地質公園」で女王頭に謁見?この奇岩は神業

更新日:2017/08/15 11:01

天草野 黒猫のプロフィール写真 天草野 黒猫 元バックパッカー
台湾の北海岸「野柳地質公園」。ここは地球の長い長い歴史を閉じ込めた岬です。1、000万年に及ぶ地殻運動、海水、風の浸食で出来た奇岩が立ち並び、まるで異世界!きのこのような形や魚のシッポのような岩。特に有名な女王頭(クイーンズヘッド)はなんと約4,000才!しかし、残念な事に女王頭を見る事ができるのは風化の関係であと数年と言われます。世界中でも珍しいこの風景!女王様に会える間に謁見にいきませんか?

これは神が作った芸術!?

これは神が作った芸術!?

写真:天草野 黒猫

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ここが台湾?地球?と言いたくなるような風景。ここは台湾の新北市にある「野柳地質公園」です。少し前まで活動していた大屯山系の文脈が海中に1,7キロメートルにわたり延びた細長い岬。地殻運動や海水による浸食、岩石の風化などから珍しい奇岩が立ち並んでいます。蜂の巣やきのこ、今にも動き出しそうな魚のシッポのような奇妙な岩達。それは神が作ったような不思議な景観です。

これは神が作った芸術!?

提供元:野柳地質公園(Yehliu Geopark)

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まるでエジプトのネフェルティティ、もしくはイギリスのエリザベス女王のようなシルエット。「野柳地質公園」の中でも一番有名な女王頭(クイーンズヘッド)です。とても岩と思えない芸術的風情の岩。台湾北部付近の平均隆起速度から計算し、約4,000才といわれています。風化によって、どんどん首のあたりが細見になっていっている女王頭。あと数年で風化によって崩れてしまう可能性があるとか。会える間に謁見しにいきましょう!なかなかみられない風景です。

これは神が作った芸術!?

写真:天草野 黒猫

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海の中に亀が潜っているような姿から「野柳亀」ともいわれるこの岬。昔、野柳は中国から基隆港に向かう貿易船が通行する航路で海難事故が多発していた場所。民間伝説で、ここには災いを起こす亀の妖怪がいて、神様から妖怪退治を命じられた天女に宝剣で懲らしめられたとか。天気が悪い日に野柳岬から白い煙が噴き出していると、「野柳亀」がもだえ苦しんでいると言われていたそうです。この風景をみると、伝説もなんだか信じたくなりますね。

きのこにキャンドルと形も様々

きのこにキャンドルと形も様々

写真:天草野 黒猫

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「野柳地質公園」には、きのこのような岩石がたくさんあり、「きのこ岩」と呼ばれています。実は女王頭もこの「きのこ岩」の一種。岬ができた頃の岩層の裂け目、特に海面と垂直になった部分が海水で浸食され、岩の柱となります。この柱、岩層から上の層がカルシウムを含む砂岩層。下の岩層より固いため、波や風、日射しによる浸食ににより比較的上部分が残りこの形になるそうです。大自然が作り出した彫刻!圧倒されます。

きのこにキャンドルと形も様々

提供元:野柳地質公園(Yehliu Geopark)

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次は最も珍しい形といわれる「燭台岩(キャンドル岩)」。円錐のような形の上部がおぼんのようになっていて、中央に丸いボールのような塊があります。まず周囲の砂岩より固いボールのような結核が海水の浸食によりできます。その結核が波が打ちつけられるとぐるりと周り、周囲の砂岩を浸食し丸い溝をほりだしていったものです。自然と時間の仕業が結集された岩なのです。

化石に地層!閉じ込められた時間達

化石に地層!閉じ込められた時間達

写真:天草野 黒猫

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「野柳地質公園」を歩いていると、ふと足元に目がいくときがあります。まるで花模様を描いたようなこの石のアート。これはなんと「ウニの化石」なのです!まるで人の手によって作られたような美しい模様。実体化石で、カニ類が移動した時の管状の化石もあります。こんなに自然に化石を踏む経験はなかなかない!

また、足元には「ここから先は危険」を示す赤い線がひかれています。赤い線の先は立ち入り禁止です。足元も充分注意してお見逃しなく。

化石に地層!閉じ込められた時間達

写真:天草野 黒猫

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岩層の裂け目「節理」と岬ののびていく方向が交わると、裂け目はより浸食されてひろがり、「海触溝」になります。「海触溝」は橋がかかっていて渡れるるようになっているのですが、ご覧ください!この地層!この岬の長い歴史を物語っています。

化石に地層!閉じ込められた時間達

写真:天草野 黒猫

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この足元の水が流れた跡のような物。歩いていると、所々に発見します。これが地殻変動の際に生じた裂け目「節理」です。この溝ががどんどん浸食されていき、奇岩になっていったわけ。この奇岩達ができるまでは途方もない時間です。何気なく歩き回っている、足元にまでこんなに化石や地殻運動の形跡を身近に感じる「野柳地質公園」。ここは時間を閉じ込めた天然博物館です。歴史や地質学が好きな方にもおすすめ!

展望台から全体を!

展望台から全体を!

写真:天草野 黒猫

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「野柳地質公園」の展望台ものぼってみましょう。間近でみる風景とまたひと味違った風景を見ることができます。

ご覧いただくとわかるのですが、岬は日陰がありません。暑さ対策が必要です。雨の多い場所でもあるので、雨晴れ兼用の傘、帽子は必須。水分補給も重要です。日焼け止めもしっかり塗っていきましょう。潮風をあまく見ず、お日様対策、また突然の雨にそなえて充分な準備を!靴も岩場をかなり歩きますので、滑らない歩きやすい靴がおすすめです。

もりもり頭のゆるキャラ達

もりもり頭のゆるキャラ達

写真:天草野 黒猫

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「野柳地質公園」の入り口には、ゆるキャラが出迎えてくれます。それぞれ頭の形が岩の形をモチーフにして作られたもの。入る時には、なんだろ?と思ってしまうこのキャラクター達。奇岩をみた後だと愛着がわくんですよ!お気に入りの岩のキャラクターと一緒に写真をとっていきませんか?

もりもり頭のゆるキャラ達

写真:天草野 黒猫

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入場口の近くの「トラベルインフォメーションセンター」。個人旅行で行く方は、ここに立ち寄っていく事をおすすめします。無料の日本語の地図もあり休憩できる場所(2階)もあります。意外と歩くので、トイレも済ませておきましょう。どんな奇岩がどこにあるか見るには、無料の地図だとちょっと物足りないかも。しっかり見たい方には有料の地図も販売されています。さほど高くなく解りやすいです。また、ガイドの予約も公式HPから予約可能。

世界中でも珍しい風景の場所!

世界中でも珍しい風景に出会える「野柳地質公園」!
台北から「野柳地質公園」への行き方は、バスがわかりやすいです。国光客運バスで台北駅東三門ターミナルから金山方面往きに乗車。野柳で下車。約1時間〜1時間30分程度。「野柳地質公園」の入場料は大人80元、(2017年6月現在の料金)

混雑する時間帯には入場制限が実施されていますので、各旅行会社のオプションツアー、もしくは海外オプショナルツアー専用サイトでタクシーのチャーターもおすすめです。グループの場合はお得で、どこかに集合するのではなく、ホテルにお迎えに来てくれたり、貴重品以外の荷物を車においていけるのも楽。子供や年配の方と一緒の時にもおすすめです。

地球の長い長い歴史を、足で目で肌で感じられる場所。女王頭に謁見できる間にぜひ訪れてみてくださいね!

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/06/24−2017/06/26 訪問

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