愛媛・道後温泉が仕掛ける『ホテル ホリゾンタル』。1日1組限定の“アートな部屋”に泊まってみよう!

愛媛・道後温泉が仕掛ける『ホテル ホリゾンタル』。1日1組限定の“アートな部屋”に泊まってみよう!

更新日:2020/01/27 11:39

道後温泉本館改築120周年を記念して、本館周辺の宿泊施設の一室を期間限定でアートな部屋に仕上げた企画「HOTEL HORIZONTAL」。五つの異なる異空間はホテルの一室であることを忘れそうです。その風景はまさに美術館!石本藤雄、谷川俊太郎、草間彌生、皆川 明、荒木経惟の5人のアーティストが手がけた渾身の一室は、きっと旅人にとって「癒しの空間」になることでしょう。今回はその異空間をご紹介!

石本藤雄 x ホテル茶玻瑠(ちゃはる) = Suuri Taiga / 大草原

石本藤雄 x ホテル茶玻瑠(ちゃはる) = Suuri Taiga / 大草原
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地元愛媛・砥部町出身の石本藤雄は少年時代に過ごした故郷の風景を部屋に再現。「Suuri Taiga / 大草原」と名付けた優しい仕上がりの一室となっています。
彼が部屋に配置したファブリックはフィンランドを代表するブランド「マリメッコ(marimekko)」。彼自身がデザイナー時代に手掛けた生地を座布団や布団カバーに採用。また陶器は砥部焼でオリジナル食器をプロデュースしたもの。
「宿泊者が大草原でぐっすり眠れるように」という石本の思いが込められた一室は落ち着きがあり、且つ解放感溢れるお部屋になっています。部屋から眺める外の風景も文句なしです。
期間中はメインエントランスのファブリックと部屋のレリーフを季節ごとに掛け替える予定で、それぞれの季節に合った情景を楽しむことができます。

石本藤雄
1941年生まれ。
砥部町出身、フィンランド・ヘルシンキ在住。
1974年から同国を代表するファブリックブランド「マリメッコ」で32年間デザイナーを勤め、現在は同国を代表する製陶所「アラビア」のアート部門の一員として活躍中。

谷川俊太郎 x ホテル道後舘(どうごかん) = はなのいえ

谷川俊太郎 x ホテル道後舘(どうごかん) = はなのいえ
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日本を代表する詩人・谷川俊太郎が仕掛けた部屋のコンセプトは「仕事をする部屋」。谷川愛用の顕微鏡やパソコン、愛蔵書など実際に使用している備品を展示しています。備品は触れることもできます。
部屋は道後舘自慢の貴賓室(庭付き)を用意。
詩人ならではのアイデアいっぱいの谷川ワールドを堪能できます。
言葉を視覚で訴える演出は部屋のあちらこちらで見る事ができ、圧巻は縁側にあります。庭に配した「詩」が宿泊者に語り掛けてきます。普段は本の中にある詩が部屋中に解き放たれ、見事に溶け込んでいる様子は宿泊者に「憩いのひととき」を運んでくれます。
撮影当日は雨が降っていたのですが、雨と詩のコラボレーションは晴れた日では経験できないすばらしい風景でした。

谷川俊太郎
1931年、東京生まれ。 詩人。
1952年、詩集『二十億光年の孤独』でデビュー。日本レコード大賞作詞賞、萩原朔太郎賞ほか多数受賞、著書も多数あり。
詩の他に作詞、絵本、翻訳、映画脚本など幅広いジャンルで活動。また中国など様々な国で作品が翻訳され世界的な評価も高く得ている。

草間彌生 x 宝荘(たからそう)ホテル = わが魂の記憶。そしてさまざまな幸福を求めて

草間彌生 x 宝荘(たからそう)ホテル = わが魂の記憶。そしてさまざまな幸福を求めて
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ドアを開けると前衛芸術家、草間彌生が繰り広げる真っ赤な水玉空間が洋間中を覆い尽くしています。天井や壁面には1966年ごろの彼女の代表作の写真やフォトコラージュなどが配され、枕面には今回のために新作された「LOVE FOREVER」のソフトスカルプチャーが見る人を圧倒します。
洋間に圧倒されながら、次の和室へと進んでみましょう。
そこで出会うのは黄色と黒の水玉たちの空間です!中央のガラス座卓を始め和室は細部に至るまで草間ワールドを堪能することができます。
仕掛けはまだまだ続きます。広縁には光る水玉空間を演出するなど、見る人を飽きさせない工夫が部屋全体に広がっています。この渾身の一室は彼女の魂の記憶を辿り、宿泊者に特別な時間を与えてくれることでしょう。

草間彌生
前衛芸術家、小説家。
1929年、長野松本市生まれ。
幼少の頃より水玉と網模様をモチーフに幻想的な絵画を制作。小説や詩集も多数発表。09年に文化功労者に選定。最近ではルイ・ヴィトンとのコラボレーションなど、ファッション分野からも注目を浴びている。

皆川 明 x ホテル花ゆづき = 「ロ(ろ)」

皆川 明 x ホテル花ゆづき = 「ロ(ろ)」
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部屋のドアを開けた瞬間に「スッ!」と鼻に入ってくるのは、畳の香りです。その畳の香りを感じながら部屋につながるアプローチを見回すと天井や壁、床のすべてが「琉球畳」で飾られていることに気づきます。
皆川 明が仕掛ける部屋のテーマは「ロ(ろ)」。
奥へと進んでもそのすべてが畳で覆われた非日常の空間となっています。
日差しを浴びたベランダに繋がる2枚の障子戸は皆川本人の自信作。部屋の畳と見事な調和が取れています。また障子にある2本の木に描かれた葉っぱと小鳥は皆川本人の直筆画であり、作者の遊び心を感じることができます。
障子を通して外から入り込む柔らかな日差しと畳の演出を楽しみましょう。

皆川 明
minä perhonen デザイナー
1967年生まれ。
1995年に自身のブランド「ミナ ペルホネン」を設立。オリジナルデザインの生地による服や家具を製作。東京スカイツリーのユニフォームデザインも手掛けている。

荒木経惟 x ホテル古涌園 (こわくえん)= 楽園

荒木経惟 x ホテル古涌園 (こわくえん)= 楽園
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部屋の広さは16畳(6畳+10畳)。
最初の6畳には作者デザインの柔らかいタッチの自画像(額)を、次の10畳の床の間には、作者が亡き妻と暮らした“楽園”をはかない花で表現した「恐竜と花」を見る事ができます。
この床の間を見ているだけで圧倒されそうですが、実はさらなる仕掛けが隠されているのです!!
部屋を仕切る「ふすま」を出した途端に荒木ワールドが展開されます。1枚ごとに出てくる女性はそれぞれが着物姿の艶めかしい表情をしています。一瞬、目のやり場に困りそうですが、徐々にそれが美しい作品として自分の中に入り込んできます。
夕食はお部屋で食べる事もOK。この絵を前にあなたならどんな世界を感じますか?

荒木経惟
1940年、東京生まれ。
写真集の発行点数がきわめて多い写真家で、400冊以上の写真集を発表。ヌード写真や少女を含めた人物写真を得意とするが、花などの静物写真、東京を対象とした都市写真の作品も多い。人情味溢れるスナップ写真でも有名である。

アートで彩られた道後温泉を楽しんでください!

いかがでしたか?

道後温泉本館改築120周年を記念して道後界隈では道後をアートで楽しむイベント「道後オンセナート2014」を展開中です。イベントは昼も夜も開催され、まちを巡りながら道後の魅力を最大限に味わうことができます。「HOTEL HORIZONTAL(ホテル ホリゾンタル)」もそのイベントの一部であり、ホリゾンタルとは、参加ホテルが水平的(horizontal)に連携し、架空のホテルとして旅行者を楽しませ、もてなすという意味があります。

4月10日のグランドオープンにはさらに5つのホテルが加わり、合計10部屋が宿泊者のみならず、旅行者の目を楽しませてくれるはずです。

なお、これらの部屋は見学だけでも可能で(有料)、見学者にはプレゼントが貰える仕掛けも用意されています。詳細は下記の[MEMO]にある「HOTEL HORIZONTAL」のホームページをご覧ください。

この記念すべき年にぜひ『アートな道後温泉』を楽しみましょう!

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/12/26 訪問

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