2万本のろうそくが灯る「なら燈花会」は夕暮れからでも美しい!

2万本のろうそくが灯る「なら燈花会」は夕暮れからでも美しい!

更新日:2017/07/24 17:34

奈良市の奈良公園一帯を2万本以上のろうそくで飾る「なら燈花会」は、1999年から毎年8月上旬(10日間)に行われています。「古都奈良の文化財」として、世界遺産に登録されている奈良の1300年の歴史に比べれば、ほんのまばたきくらいの期間の行事ですが、毎回90万人以上の見学者が訪れる真夏の大イベントになっています。
そんな「なら燈花会」の見どころ(歩き方)を紹介します。

なら燈花会

なら燈花会
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「なら燈花会」は、古都奈良の夜を幻想的に彩るろうそくの灯りのイベントです。「燈花」とは、ろうそくの芯がもえたあとにできる花のような形のかたまりのことです。これができると縁起が良いと言われています。「みんなに幸せがおとずれますように…そんな願いを込めながら、ひとつひとつに灯りを灯す」行事です。

奈良公園を中心に、以下の8会場と期間限定の2会場の合計10会場で、午後7時から、合計2万本超のろうそくに火が灯されます。
(1)浮雲園地会場
(2)春日野園地会場
(3)浅茅ケ原会場
(4)浮見堂会場
(5)猿沢池と五十二段会場
(6)甍-Iraka-(奈良春日野国際フォーラム)
(7)興福寺会場
(8)奈良国立博物館前会場
※期間限定会場
(9)東大寺鏡池会場(13日・14日のみ)
(10)春日大社参道会場(14日のみ)

この時期、午後7時はまだ夕暮れ時ですが、晴れた日には夕焼け空に奈良の自然・歴史風景が美しく染まります。この後、時が進むにつれて、徐々に暗闇が広がり、灯されたろうそくの炎がひときわ輝きを増していきます。

近鉄奈良駅から一番近い興福寺会場、猿沢池会場まで1Kmもありません。JR奈良駅からでも1.3Kmほどです。途中三条通りに商店街が続くので、のんびりと歩くと良いでしょう。

なら燈花会
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広い奈良公園一帯にゆらめくろうそくの炎は、幻想的です。

なら燈花会
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奈良公園名物の鹿にも出会えます。

猿沢池と興福寺会場

猿沢池と興福寺会場
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JR奈良駅から東に春日大社参道にのびる三条通りは、平城京三条大路を今に伝える道です。近鉄奈良駅駅の西に小西通り、東に東向通りがあり、どちらも南下すると、三条通りに出ます。三条通り辷坂(すべりざか)南側に「猿沢の池」、北側に「興福寺」があり、どちらも「なら燈花会」の会場になっています。

猿沢の池は、周囲約360メートルの小さな池で、殺生を戒めるために興福寺が魚などを放つ放生会(ほうじょうえ)の池として奈良時代に人工的に造られ、帝の寵愛(ちょうあい)を失った采女(うねめ=女官)が入水する際にヤナギに衣を掛けたとの伝説があります。日本三大名月鑑賞池(他は、石山寺「滋賀県」、大覚寺大沢池「京都府」)としても有名な池です。

興福寺の五重塔を池の南側から見ることができて、夕焼けの時にも、ろうそくが灯された夕闇の中でも印象的な風景を楽しむことができます。

猿沢池と興福寺会場
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上の写真は、19時ろうそくへの点火直後の風景です。

猿沢池と興福寺会場
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上の写真は、20時過ぎのすっかり暗くなった猿沢の池と興福寺五重塔の神秘的な風景です。

浮見堂会場

浮見堂会場
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猿沢の池から、興福寺に向かう五十二段の階段を上って、いったん三条通りに戻り、東に少し進むと、春日神社の一の鳥居に出ます。そこから南東方向に坂を下って行くと、六角形の浮見堂が浮かぶ鷺池(さぎいけ)に着きます。

万葉の時代を感じることのできる場所で、夕暮れ時には水面に映る空、夕闇の中なら、水面に映るろうそくの光をずっと眺めていたい場所です。

浮見堂会場
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上の写真は、すっかり夜の帳の下りた「鷺池」の池面に映えるろうそくの光です。

浅茅ケ原会場

浅茅ケ原会場
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浮御堂会場から坂道を登って、三条通り方向に進む途中に、竹灯りが幻想的な「浅茅ケ原会場」があります。

竹の柔らかさで作られた大きなオブジェの中から、きらめくろうそくの火を眺めると、古代にタイムスリップしたような感じにもなります。

浅茅ケ原会場
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すっかり暗くなった、浅茅ヶ原会場の竹のオブジェとろうそくの光です。さらに、北東方向に進むと、地上に天の川を描いた「浮雲園地会場」、なら燈花会最大の「春日野園地会場」、フードサービスが行われていて、なら燈花会能も行われる「甍-Iraka-(奈良春日野国際フォーラム)会場」にも出ることができます。

これらの会場を巡ると、ろうそくの炎で飾られた「なら燈花会」の厳かで静寂な雰囲気を存分に味わうことができます。

三条通りの商店街も賑やか

三条通りの商店街も賑やか
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10日間で90万人もの見学者が訪れるイベントにあわせて、三条通りの商店街も遅くまでネオンが灯って、人出で賑わっています。

三条通りの商店街も賑やか
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三条通りに面して「江戸時代の高札所」があり、近くの階段にもろうそくが灯されています。

なら燈花会は奈良公園一帯での行事です

なら燈花会は、奈良公園一帯で、毎年8月5日〜14日の10日間(点灯時間19時〜21時45分)開催されています。

今回ご紹介した会場の他、浮見堂会場の真北に位置する奈良国立博物館前会場や、三条通りをまっすぐ東に進んだ春日大社参道会場(8月14日のみ)、奈良公園の北に位置する大仏殿近くの東大寺鏡池会場(13日、14日のみ)でも行われています。

誰でも参加できる「一客一燈」もあり、自分のために願いを込めて、たった一つだけのろうそくに火を灯して、2万本の燈花に参加することもできます。

JR奈良駅あるいは近鉄奈良駅からすぐの奈良公園で行わる「なら燈花会」に出かけて、真夏の一夜を過ごしてみませんか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/08/05−2016/08/14 訪問

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