続石への入り口は、遠野から花巻へ向かう396号線沿いにあります。遠野の中心地からはやや離れた場所にあるため、車を利用するのが一般的。遠野駅からは、車ならおよそ15分ほどの道のりです。入り口には駐車場もあります。
もし天気が晴れていて、時間と体力に自信がある方であれば、市内からレンタサイクルで行くのもおすすめです。都会ではまず味わえない、ゆったりとした時間感覚の田園風景を楽しむことができます。
続石は小高い山の上にあり、入り口の鳥居を抜けた後は、10分ほど山道を歩くことになります。よって、この場所を訪れる際は歩きやすい靴を履くことをおすすめします。
山道をしばらく進んでまず見えてくるのは、「弁慶の昼寝場所」と呼ばれるくぼ地と、「泣き石」と呼ばれる、大木に挟まった巨大な岩です。
柳田國男の『遠野物語拾遺』第11話によると、その昔この地方を訪れた武蔵坊弁慶が、巨大な岩を持ち上げて、この泣き石の上に乗せようとしたとされています。すると、この泣き石が「自分は位の高い石なのに、他の石の下にされるのは耐えられない」と言って、一晩中泣き明かした。だから弁慶は憐れに思い、岩を今の続石の上に置き直したということです。
こちらの場所が、「弁慶の昼寝場所」と呼ばれるくぼ地。遠野地方には、妖怪だけでなく武蔵坊弁慶の伝承も伝わっているということは、実に興味深い事実です。
泣き石からさらに上を目指すと、やがて続石が見えてきます。
続石は、2つ並んだ台岩の上にもう1つの大きな巨石(笠石)が乗っている、非常に珍しい様相です。全体がまるで鳥居のような形をしていて、下を通り抜けることもできます。
上に乗っている笠石の幅は約7m、 奥行きは5m、厚さは2m。近くで見ると、見上げんばかりの大きさと重量感に圧倒されます。
実は続石の2つの台石は微妙に高さが違っているので、上に乗っている笠石は片方だけ若干浮いている状態です。それがまた、何とも言えず不思議な光景です。
この続石も、『遠野物語』に描かれています。
それによると、この続石には先述のように、武蔵坊弁慶が作ったという伝承のほか、世界各地に見られる「ドルメン」という巨石記念物の一種ではないかという説もあるとのことです。
ヨーロッパをはじめ世界各地にみられるドルメンは、一般的には古代人が埋葬、祈りのために作ったとされています。
では遠野の続石は、いつ、誰が、どのようにして作ったのか? 謎は深まるばかりです。
いかがだったでしょうか?
遠野地方の数あるスポットの中でも、ひときわ異彩を放つこの続石。一味違った旅の思い出になること間違いなしのこの場所に、是非一度足を運んでみてください。
- PR -
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索