元踊り子が解説!高知よさこい祭りなら「ほにや」よさこい見ないとそんそんっ!

元踊り子が解説!高知よさこい祭りなら「ほにや」よさこい見ないとそんそんっ!

更新日:2017/07/27 10:36

せと らいたのプロフィール写真 せと らいた 四国アンバサダー、よさこいスペシャリスト、現役パン屋のグルメライター
毎年8月10日・11日に開催される「高知よさこい祭り」は200を超えるチームがしのぎを削る踊りの祭典。そのチームの中でもひときわ美しく輝きを放つ「ほにや」は64年続く高知よさこい祭りの歴史の中で、9回も最高位であるよさこい大賞を受賞している強豪チーム。その強さと美しさについて元踊り子が解き明かします。よさこい祭りを深く楽しむためにも知っておいて損はない、誰かに語りたくなる情報満載です。

妥協ない衣装へのこだわり!観る観客をことごとく虜にする「ほにや」デザインの美しさ

妥協ない衣装へのこだわり!観る観客をことごとく虜にする「ほにや」デザインの美しさ

写真:せと らいた

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高知よさこいを四国だけではなく、日本から世界へと押し上げた立役者「ほにや」。世界中の観客を虜にしていく魅力の秘密は群を抜いた衣装へのこだわりです。呉服屋に生まれ育ち、現在も自らデザインした和雑貨やインテリアを創造し続けているチーム代表の泉真弓さんは、よさこいにおける「ほにや」自体の衣装を手がけるだけでなく、「ほにや」に憧れる全国のよさこいチームの衣装をデザイン・プロデュースをしています。

トレンドを取り入れて独特で奇抜な衣装のチームを見るのも高知よさこい祭りの楽しみの一つではありますが、「ほにや」が原点回帰を図り「和」の美しさを再認識させた功績は高く、これがひいては高知よさこい祭りを世界に通用する日本の祭りに押し上げたとも言えます。

150人という大人数が隊列をなした時の「ほにや」の和の衣装の美しさは華やかで優美。一糸乱れぬ隊列の整然さと振り付けの優美さが合間っての演舞は、酷暑の高知だというのにどこか涼しさを感じてしまうのは不思議なものです。

妥協ない衣装へのこだわり!観る観客をことごとく虜にする「ほにや」デザインの美しさ

提供元:ほにや

http://honiya-yosakoi.com

「ほにや」の衣装が楽しい理由に、サプライズ演出(仕掛け)としての衣装の早替えがあります。高知よさこい祭りの演舞場のほとんどは、商店街や公道を踊り子が踊り抜けるストリートスタイル。舞台裏があるわけもなく、沿道に陣取った観客の目の前で衣装の早替えは行われるのです。先ほどまで演舞していたチームが一瞬にして別のチームに変わったのではないかと見まごう程のインパクトがあります。

毎年新作の衣装を楽しみにしている観客のために、祭り初日の演舞まで衣装のデザインやサプライズ演出は極秘として扱われます。そのため踊り子でさえも祭り直前まで衣装の詳細は知らされないままなんてことも。
早替えの後の観客の拍手や踊り子のドヤ顔も含めて見どころの一つです。

※早替え衣装ではない年もあります。

妥協ない衣装へのこだわり!観る観客をことごとく虜にする「ほにや」デザインの美しさ

提供元:ほにや

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本場高知のよさこいでは鳴子(なるこ)と呼ばれる鳴り物アイテムを持つことが義務付けられております。その鳴子の響きがどれだけ揃って聞こえるかが審査の項目に組み込まれているほど、本場高知のよさこいでは重要視されているのです。

「ほにや」の鳴子へのこだわりも相当で、より美しく鳴子を響かせるために大きさや材質を吟味し続け、その結果通常のものよりはるかに重く大きな鳴子に辿りつきました。その大きくて重量のある「ほにや」特製の鳴子を、150人の踊り子が笑顔で揃って打ち鳴らす様は必見です。

踊り子が手を滑らせて落とした鳴子を拾った場合は、持ち帰らず踊り子の後ろから回収スタッフが練り歩いていますのでお返ししてください。

「傘」「提灯」「扇子」衣装を引き立てる美しい小道具たち!「ほにや」の飛び道具3選

「傘」「提灯」「扇子」衣装を引き立てる美しい小道具たち!「ほにや」の飛び道具3選

提供元:ほにや

http://honiya-yosakoi.com

近年かなりの頻度で登場する「ほにや」の飛び道具の一つが扇子です。「ほにや」が得意とするこだわりの和のアイテムの扇子は演舞の要所要所で効果的に使用されます。
曲の重要箇所で衣装に忍ばせてた扇子が登場する年もあれば、曲のイントロから艶やかな扇子さばきで始まる年もあります。
表と裏で全く印象の違う扇子の使い分け、隊列を引き映像でみた時にいかに美しく楽しく演出できるかを計算しつくしているのです。

「傘」「提灯」「扇子」衣装を引き立てる美しい小道具たち!「ほにや」の飛び道具3選

写真:せと らいた

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和傘も幻想的な「ほにや」ワールドへ誘う重要なアイテムです。ストリートでの流し演舞で使用されることは少なく、前夜祭や後夜祭そして本祭時の中央公園競技場などのステージ演舞の演出として登場します。
和傘隊は主に中学生や高校生といった若い女性の踊り子が担当し、先輩踊り子の後列で開いたり閉じたり、くるくると愛らしく和傘を回す様は「ほにや」の演舞の見所の一つです。
踊り子とは違う傘部隊オリジナルのこの振り付けは若い彼女たち自身に任されており、その年の楽曲のイメージに沿うように試行錯誤してできた振り付けだというのも興味深いものです。

「傘」「提灯」「扇子」衣装を引き立てる美しい小道具たち!「ほにや」の飛び道具3選

写真:せと らいた

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選ばれし先頭集団が持つ提灯はもちろん「ほにや」オリジナルです。年ごとに衣装や楽曲のテーマに沿ってデザインされたほにやロゴ入り提灯を持った先頭集団は、150人という大人数の踊り子を引き連れて切り込んでいく迫力と女性ならではの柔らかな優美さを併せ持っています。
そんな提灯も一つ一つ手作りしているのですが和紙製のため雨天に弱く、防水スプレーなどを施して対策していたりします。

雅やかなDNA「ほにや」の遺伝子を受け継ぐ纏(まとい)の舞

雅やかなDNA「ほにや」の遺伝子を受け継ぐ纏(まとい)の舞

写真:せと らいた

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纏(まとい)いわゆる旗持ちを要するチームは高知よさこいの中でもたくさんあります。纏はチームを先導する役目であり、チームを盛り上げるムードメーカーであり、何と言ってもチームの顔であります。「ほにや」の纏のメンバーのうちの2人は泉代表の実の息子さんたち。
曲に合わせて纏を振り続けるのはかなりの腕力が必要だというにもかかわらず、雅やかで涼やかに舞う「ほにや」の纏は多くの観客そして踊り子の憧れの的でもあります。

2010年に「ほにや」をモデルに制作されたよさこい映画「君が踊る、夏」では、この纏役を俳優の溝端淳平が演じたことも記憶に新しい話です。

知っておくと楽しい高知よさこい「ほにや」の秘密まとめ

いかがでしたか?実際の高知よさこい祭りは想像以上にパワフルで賑やかです。暑さ対策を万全にした上でこの活気ある本家高知よさこい祭りにお出かけください。

演舞会場の一つ帯屋町の商店街の中には「ほにや」のショップがあります。実際に「ほにや」よさこいを鑑賞した後に「ほにや」の素敵なデザインの洋服や雑貨、そしてよさこい関連グッズなどをお土産として購入することができます。よさこい期間中は、歴代の衣装や憧れの纏や踊り子になりきれる顔ハメ看板も展示されているのでぜひ立ち寄られることをオススメします。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2004/08/11−2016/08/11 訪問

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