2019年2月28日閉館決定!フォーエバー現代美術館 祇園・京都

2019年2月28日閉館決定!フォーエバー現代美術館 祇園・京都

更新日:2018/12/14 10:06

一番ヶ瀬 絵梨子のプロフィール写真 一番ヶ瀬 絵梨子 コムラード・オブ・チーズ
草間彌生さんの作品を集めた「フォーエバー現代美術館 祇園・京都」。京都・祇園甲部歌舞練場内、八坂倶楽部の畳敷きの部屋に作品を展示している、特徴ある美術館です。
2017年6月のオープン以来、大好評を博してきましたが、賃貸借契約満了に伴い2019年2月28日に閉館することが決定してしまいました。行きそびれている方は、一日も早く京都へ!
※大晦日と元旦、1月7日(月)〜9日(水)は休館

大規模な草間彌生コレクションが、秋田から京都へ

大規模な草間彌生コレクションが、秋田から京都へ

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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「フォーエバー現代美術館 祇園・京都」があるのは、祇園甲部歌舞練場内にある八坂倶楽部の建物。歌舞練場の隣にある野外作品「南瓜」(2007年)を見つけて、美術館の存在に気づく人も多いようです。

フォーエバー現代美術館の代表者は、穂積恒氏。秋田県で病院や介護施設を経営している医師であり、草間彌生作品の世界的なコレクターでもあります。コレクションは約400点に及び、版画作品に至っては全作品の95%にあたる352点を収蔵しているというから驚きです。

穂積氏は、2006年には秋田にフォーエバー現代美術館(2009年閉館)を、2011年には同じく秋田にギャラリー併設の介護施設を建設し、秋田に現代美術のアート空間を提供してきました。そしてそのコレクションが京都へやってきたのが2017年6月です。

大規模な草間彌生コレクションが、秋田から京都へ

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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館内は廊下の赤に花街で使われていた色を再現した青い壁と、鮮やかなコントラスト。ひとつひとつの作品だけでなく、この美術館自体もひとつのアート作品のようです。

そして、こちらの美術館の最大の特徴は畳敷きであること。混雑していなければ畳に座っての鑑賞もできるため、作品が少し低い位置に展示されています。靴を脱いで入館しますので、素足で訪問する方は靴下を持参されると良いでしょう。

大規模な草間彌生コレクションが、秋田から京都へ

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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1階の第3展示室からミュージアムショップへ向かう通路の壁には、お土産物のキーホルダーがカラフルな水玉の演出で飾られています。

お土産の種類もよくわかりますし、家で眠っているキーホルダーを活用するきっかけにもなるアイデア。ここは、スタッフの方々の工夫が凝らされた美術館でもあるのです。

一部は撮影OK!常設展で草間彌生の軌跡を知る

一部は撮影OK!常設展で草間彌生の軌跡を知る

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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開館当初から一貫して、第1展示室で来場者を迎えるのは「黄樹」(1992年)。奥行のある和室の奥に、横幅390pの大作という展示スタイルは圧巻です。
プレオープン時は他の作品と一緒に展示されていましたが、2018年5月のグランドオープン以後は草間彌生さんの写真と「黄樹」のみ。よりインパクトのある展示スタイルとなりました。

※この展示室は、撮影可能です。

一部は撮影OK!常設展で草間彌生の軌跡を知る

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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第2展示室と第3展示室は、ニューヨーク時代から現代までの作品群(写真は第3展示室)。有名な南瓜や水玉以外の草間ワールドにもじっくり触れることができます。

緑の大作「雑草」(1996年)が第1展示室からこちらへ移ったり、こちらにあった「A PUMPKIN」(2007年)が第5展示室に移ったりと、以前から展示されている作品の配置も一部変わっていますので、リピーターの方も新鮮な気持ちで鑑賞できることでしょう。

一部は撮影OK!常設展で草間彌生の軌跡を知る

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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2階の第4展示室は、2018年3〜4月に開催された「都をどり特別展 祇園・花の宴 草間彌生・花の間展」に引き続き、「花の間」として、花をモチーフにした作品が展示されています。

「花の間」は企画展の位置付けですが、写真奥、舞台に展示されている「私の魂を乗せてゆくボート」(1989年)は常設。既成の手漕ぎボートに水玉模様の布製の突起物を貼り付けた作品です。

※「私の魂を乗せていくボート」は撮影可能ですが、その他の作品は撮影不可です。

「草間彌生 永遠の南瓜展」は、2019年2月28日まで!

「草間彌生 永遠の南瓜展」は、2019年2月28日まで!

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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2017年6月のプレオープンから約1年、2018年5月3日に「フォーエバー現代美術館 祇園・京都」はついにグランドオープンしました。2019年2月28日まで行われる企画展はその名も「草間彌生 永遠の南瓜展」。南瓜をモチーフにした作品は35点、常設展も含めた草間作品の展示数は123点にのぼります。

第5展示室には「かぼちゃのひるね」(1993年)や「ダンスかぼちゃ」(1993年・写真右端)など、ユーモラスで生き生きとした形状の南瓜もあります。

「草間彌生 永遠の南瓜展」は、2019年2月28日まで!

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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水玉のように張りめぐらせた鏡の中にアルミ製の銀色のかぼちゃが置かれているのは、立体インスタレーション作品「宇宙にとどけ、水玉かぼちゃ」(2010年)。こちらも第5展示室の一角にあります。

撮影は可能ですが、鏡なので自分が写り込んでしまうのが難しいところ。できるだけ写らない角度を探すのもいいですが、写ることを前提に衣装を考えて行くのも楽しいかもしれません。

「草間彌生 永遠の南瓜展」は、2019年2月28日まで!

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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グランドオープンにあたって拡張された第6展示室は、「富士の間」。「七色の富士」のシリーズ7点と「富士は心の故郷」「わが心の富士は語る」の計9点が展示されています。すべて2015年という比較的新しい作品です。

線の太い木版画は、実は浮世絵師とのコラボレーション作品。草間彌生さんが描いた原画を、アダチ版画研究所の彫師と摺師が浮世絵木版画として制作したものです。

着物で訪れたくなる!?四季折々の純日本庭園

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写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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第6展示室「富士の間」を抜けると縁側があり、2階から庭を見下ろせる休憩スペースになっています。美術館賞を堪能した最後に、ゆっくりとお庭を眺める。ここまでの体験を含めて「フォーエバー現代美術館 祇園・京都」です。
座布団は建仁寺でも使われている座禅用なので、座禅を体験することもできますよ。

春は桜、夏は眩い緑、秋は紅葉と、表情を変えた美しさを見せてくれる庭。季節ごと訪れたくなる美術館です。

着物で訪れたくなる!?四季折々の純日本庭園

提供元:FMOCA フォーエバー現代美術館 祇園・京都

http://www.fmoca.jp/地図を見る

1階の縁側にはスリッパが用意されていますので、八坂倶楽部を眺めながら庭を散策することもできます。この伝統建築の中に草間彌生作品が並んでいるとは、夢のような贅沢!

着物で訪れたくなる!?四季折々の純日本庭園

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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庭は自由に撮影できますので、着物で訪れて記念撮影するのもいいですね。暑い季節には、番傘も用意されます。

アイデアに脱帽!フォトジェニックな草間彌生スイーツ

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写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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畳敷きの和室から一転、併設のカフェ「KYOTO GION MUSEUM CAFE(キョウト ギオン ミュージアムカフェ)」は、ハワイアンな雰囲気。大阪のカフェ「NORTHSHORE(ノースショア)」がプロデュースしているお店です。
大阪では行列のできる人気店ですが、こちらは入館者しか入れないカフェですので鑑賞前後の時間をゆったりと過ごすことができます。

また、今回の展示に合わせて数量限定で「LOVE FOREVER + CASTE」という愛らしいカステラもお土産品として販売されています。ひとつひとつ丁寧に焼き印が押されたオリジナル!

アイデアに脱帽!フォトジェニックな草間彌生スイーツ

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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日替わりの「草間彌生ランチセット」は、生野菜たっぷりのメインに玄米ごはん、スープ、デザート、ドリンク。トッピングにあしらわれているマイクロトマトが、水玉を思わせます。

10〜11時にはサンドイッチとロールケーキの付くボリューミーなモーニングもありますので、鑑賞前のひとときをカフェで過ごすという楽しみ方もできます。

アイデアに脱帽!フォトジェニックな草間彌生スイーツ

写真:一番ヶ瀬 絵梨子

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白玉とレッドカラント(ベリーの一種)で水玉を表現したあんみつは、食べるのがもったいなくなるキュートさ。下には角切りのフルーツとあんこが隠れています。レッドカラントを手に入れて、おうちで再現してみるのも楽しそうですね。

さて、秋田で誕生し、彗星のごとく京都に現れたフォーエバー現代美術館ですが、2019年2月29日に閉館することが決定しました。
気になりつつまだ行けてない方やもう一度行ってみたいと思っている方は、急いで計画を立ててください。
さすらいのフォーエバー美術館、次はどこへ行くのか続報も気になるところです。

フォーエバー現代美術館 祇園・京都の基本情報

住所:京都市東山区祇園町南側570-2
電話番号:075-532-0270
アクセス:京阪本線・祇園四条駅より徒歩約8分、阪急京都線・河原町駅より徒歩約10分
駐車場:なし
料金:一般:1500円 中高生:1000円
営業時間:午前10:00〜午後6:00(入館は午後17:30まで)
休館日:2018年12月31日(月)、2019年1月1日(火)、1月7日(月)〜1月9日(水)

2018年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/07/12−2018/05/30 訪問

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