絶景へ小便するタヌキにカカシが暮らす村!?徳島の秘境祖谷の思わず人に言いたくなる珍スポット5選

絶景へ小便するタヌキにカカシが暮らす村!?徳島の秘境祖谷の思わず人に言いたくなる珍スポット5選

更新日:2018/07/06 11:07

藤井 麻未のプロフィール写真 藤井 麻未 元秘境系海外旅行添乗員
徳島県きっての秘境と言われる祖谷の地。県中西部に位置し、鬱蒼とした樹木の茂る深い山々と切り立った渓谷が近代化を阻んできた。したがってここは今なお独特の景観と文化を残している。今回は、謎めいた祖谷の地に点在する思わず人に言いたくなる珍・奇スポット5選をご覧頂こう。

1.カカシの暮らす限界集落

1.カカシの暮らす限界集落

写真:藤井 麻未

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東祖谷の名頃という集落を偶然にも通りかかった者は、村の奇妙な様子に一瞬違和感を感じるかもしれない。そう、家々には明かりが灯っておらず、人の生気が感じられない。静まり返った集落の様子はまるでゴーストタウンだ。しかし、ふと気付くとあちらにもこちらにも服を着た人影が・・・!?よく見ると実は全て動かぬカカシなのである。

1.カカシの暮らす限界集落

写真:藤井 麻未

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名頃は人口わずか40人足らずの限界集落である。それに比してカカシの数は倍を超える約100体。カカシたちは全て名頃で暮らす一人の女性によって手作りされている。元々は畑に鳥や動物を寄せつけないためだったが、10年以上の年月をかけてこれまで350体以上を作り上げたという。

1.カカシの暮らす限界集落

写真:藤井 麻未

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カカシといってもただのカカシではない。それぞれが個性的で豊かな表情。お年寄りの顔の皺まで見事に表現されている。年齢や性別もさまざまだ。そして注目すべきはその衣装。全て実際に使っていた服を着せているため、遠くから見ると本物の村人がそこにいるかのようなリアルさなのだ。過疎化の進む東祖谷の山村。生きた人がおらず、まるでカカシだけが暮らしているような集落の様子は興味深くもあるが、一種不気味な哀しさをも漂わせている。

2.高度100mから渓谷に小便!?祖谷名物小便タヌキ

2.高度100mから渓谷に小便!?祖谷名物小便タヌキ

写真:藤井 麻未

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祖谷といえば、高低差100m近くもある深いV字渓谷の姿が「日本三大秘境」の一つと言われる所以だ。周囲には緑の山々が迫り、切り立った崖の下には激しく水しぶきをあげて清流が流れる。大昔から近代化を拒んできた鬱蒼とした自然の姿に、訪れた者は感動さえおぼえるだろう。

2.高度100mから渓谷に小便!?祖谷名物小便タヌキ

写真:藤井 麻未

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そんな祖谷の渓谷美にミスマッチなほど滑稽なものがある。それは西祖谷のかずら橋近く、温泉宿「祖谷美人」の食事処兼展望テラスへ行ってみると分かる。眼下に広がる美しい渓谷に向かって高らかに小便をしているのは・・・そう、タヌキである。小便小僧ならぬ小便タヌキは祖谷美人のマスコットでもあり、その様子があまりに爽快なためこの小便タヌキを見に訪れる客も多い。

3. 壮大な渓谷とのコントラストが滑稽な小便小僧

3. 壮大な渓谷とのコントラストが滑稽な小便小僧

写真:藤井 麻未

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実はタヌキよりもこちらが元祖。小便小僧だ。壮大なスケールの祖谷渓谷に向かってこのように小便をしてみたらさぞかし良い気分だろう。

3. 壮大な渓谷とのコントラストが滑稽な小便小僧

写真:藤井 麻未

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昔子供たちがここに立ち度胸試しをしていたという逸話をもとに作られた小便小僧。美しい祖谷渓谷をうまく利用した展望スポットとして訪れてみると面白い。祖谷渓谷の壮大さを写真に収めるにも絶好のスポットだ。小便小僧をフレームに入れることによって祖谷渓谷の美しさと小僧の滑稽さのコントラストが面白い一枚を撮ることができる。

4. 平家落人が隠れ住んだ屋敷

4. 平家落人が隠れ住んだ屋敷

写真:藤井 麻未

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人を寄せ付けない厳しい自然環境の祖谷の地には、かつて平家滅亡の折に一族の落人たちが逃れ隠れ住んだという伝説が残っている。実際に、祖谷には至る所に平家の武家屋敷とされる家屋や武具、古文書などが残る。

4. 平家落人が隠れ住んだ屋敷

写真:藤井 麻未

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小便小僧からほど近い場所に、民俗資料館として公開されている平家屋敷、西岡家住宅がある。この屋敷は安徳天皇の御典医、堀川内記(後に西岡内記)が平家の残党と共に祖谷に入山した際住んでいたもので、子孫代々受け継がれてきたものである。茅葺屋根や囲炉裏、土蔵などはほぼ創設当初のままの姿を留めており、祖谷式住居でのかつての暮らしぶりを知ることができて面白い。内部には古文書や鎧、当時の生活用具なども展示されている。

4. 平家落人が隠れ住んだ屋敷

写真:藤井 麻未

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山深い祖谷の緑の中に、斜面に張り付くようにポツンと建つ平家屋敷。急勾配の小道を上がるとひっそりと姿を現す茅葺屋根の西岡家住宅は、平家落人伝説と相まって不思議な存在感を放っている。

5. かずら橋

5. かずら橋

写真:藤井 麻未

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さて、祖谷で最も有名なものといえば、葛で編まれたかずら橋である。その異様な姿は他に類がなく、日本三奇橋のひとつとも謳われている。かずら橋は険しい渓谷を流れる川にかけられ、大昔から祖谷の山奥に住む人々の生活の足であった。かつては13か所にあったかずら橋も今は西祖谷、東祖谷(奥祖谷)に各一か所ずつを残すのみとなっている。

5. かずら橋

写真:藤井 麻未

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アクセスしやすいのは西祖谷にあるかずら橋だ。周囲には土産物屋や食事処、温泉宿もあり便利である。しかし、より秘境感を味わいたのならば東祖谷(奥祖谷)にある奥祖谷二重かずら橋をおススメする。こちらは西祖谷から更に1時間ほど山奥に入ったところにあり、観光客の姿も激減する。しかしそれだけに「深山幽谷にひっそりとかかる奇橋」というイメージそのままの神秘的な橋の姿を眺めることができる。

5. かずら橋

写真:藤井 麻未

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「二重かずら橋」という名前の通り、並んで二本の男橋と女橋がかけられており眺める景色もまたそれぞれ趣がある。女橋の先には、木製の籠に乗って両岸に渡したロープを引っ張り進む「野猿」という乗り物もあり、なかなかスリリングだ。余裕があれば川辺に降りてみよう。美しい清流と木々の緑、かずら橋とが見事に融合して惚れ惚れする風景を見ることができる。

おわりに

さて、秘境祖谷の山奥に点在する珍・奇なスポットはいかがだっただろうか。祖谷の自然は厳しくも美しく、秘境と呼ぶに相応しい。これらのスポットはどれも、そんな祖谷の不思議な雰囲気を味わうにはピッタリの穴場だ。新緑、紅葉、雪景色とオールシーズンそれぞれ違った魅力があるのも祖谷ならでは。ぜひ一度日本三大秘境の地を訪れてみてはいかがだろうか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/06/21−2017/07/22 訪問

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